カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。

「ミラージュファミリーですね。」


「ミラージュファミリー?」


何処のマフィアだよって思いながらキャビンに聞いてみるとキャビンは真剣な声のトーンで答える。


「この世界には魔法使いという人間と魔人という人間がおります。彼らは人でありながらも動物への変身も遂げてさらに魔法使いとは違う能力で暮らす者達。」


「簡単に言えば魔人が敵って事ね。」


「いえ、そんな簡単な話ではありません。魔人も魔法世界の人間として生きています。しかし魔人の中でも危険な思想を持つ武装派組織があり、その武装派組織こそミラージュファミリーであります。」


「武装派組織?ミラージュファミリー?」


どうやら魔法世界にも何かしらの問題を抱えているみたいだけど今は危険から避けるために逃げないとだね!


すると向こう側から吹き荒れる爆風の如く街の建物や公園の遊具を破壊する一目で分かるほどの人間とは思えない化け物という文字が似合うヤツが現れる。


そいつは緑色の大きい2つの複眼に黒を基調として不気味に映る黄色の模様に4枚の半透明な羽根に背中から長い尻尾のような物をブランブランと振り下げては『ケラケラ』と笑いながら近寄る。


「皆さん!早く避難してください!」


「おのれ!ミラージュファミリーめ!」


「コイツは懸賞金260万マルクの【風の魔女 ドレイカ】だ!みんな武器を解放させるぞ!」


「「「アンロック!!」」」


するとミラージュファミリーの1人であるドレイカという風の魔女討伐為に現れた自警団なのか3人の屈強な男がそれぞれのアクセサリーから大剣、シールド、斧を出現させて構える。


私とキャビンは公園の物陰から覗きながら屈強な男3人がミラージュファミリーを討伐する所を見届ける事にする。うん。無益な争いは避けなくちゃだね。社会人の掟というかルール。


「キャビン。この人達は?」


「はい。この方達は魔法世界の教団であり、警察や軍とは違う独立した自警団。通称【パラスメント】でございます。」


「パラスメント?」

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