カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。

確かにキャビンの言う通り、何かして捻ったり、強く打ったり、引っ張られたりして骨折、脱臼、捻挫、肉離れ、打撲してなければケガではないし、ガンや脳卒中、心筋梗塞や肺炎とか風邪じゃなければ病気ではない。


だけど、それは予防出来るものじゃない?ケガや病気ってしないに越した事はないし、ケガや病気って症状によるけど、今後の日常生活に支障をきたす可能性があり得る。


特にお年寄りなんかはケガや病気で床に伏せてると最悪、自分の力では起き上がれなくなって寝たきり生活になってしまうし、寝たきりになると褥瘡(じょくそうと読むが床擦れとも言われる)や沈下性肺炎にもなって大変になる。


そうならない為にも私の師匠が言っていたのが『柔道整復師はケガを治すだけじゃなくて、患者さんの健康を手伝って頂いてる。』って言ってた。だから……


もし、この世界に接骨院や治療院がないなら私がいた世界でも同じように、魔法世界の人たちの健康を手伝って頂きたい。


「キャビン。休憩が終わったらもう少し街中を散策したいんだけど道案内してくれる?」


「えぇ、構いませんよ?」


私はこの世界で接骨院を開きたいって思ったので引き続き街中を散策しながら接骨院を建てるための物件探しと思い立ち上がった瞬間の出来事。


サイレンが鳴り響く。それも今まで聞いたことが無いような一大事や不安を煽るようなサイレンの音が街中に鳴り響いてくる。


『緊急事態発生。緊急事態発生。ミラージュファミリーが現れた模様。至急市民の皆様は安全な建物や地下室に避難したください。繰り返します。ミラージュファミリーが現れた模様市民の皆様は安全な建物や地下室に避難してください。』


すると今まで平穏な日常かに見えた安らぎは一気にパニックに陥ってしまうではないか。


「ミラージュファミリーがこの街にも現れた!」


「急いで逃げましょう!」


「早く!避難だ!」


「怖いよー!!」


何これ?何がいったいぜんたい起きているというの?


私は何がなんだか分からず呆然と立ち尽くしているとキャビンがそばに寄ってきて話かける。

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