カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。

「パラスメントとは対犯罪組織討伐のためだけに結成された組織であり、魔法世界において平和を乱す者には絶対の悪とされ、神の名の下の使徒として天罰を下す意味でパラスメントと呼ばれています。」


「じゃあ、私の出番はないじゃないの?その人達に任せておけば良いじゃないの?」


「まぁ言ってしまえばそうなんですけど、政府と教会の間には折り合いが悪く、ミラージュファミリーは軍や警察では制圧しきれない戦力差があり、政府としてはオズ様が動けない以上は教会側に頼るのも尺というか、なんていうか……」


「え?なにそれ?私ってそんな事の為にこの世界に連れてこられたの?バカなの死ぬの?」


何かしれないけど私は政治的な理由でこの魔法世界に勝手に連れてこられて、勝手に魔法使いにされたみたいね。あのふてぶてしいクマ吉という名のオズを1発ブン殴りたくなってくる私。


「行くぞ!風の魔女ドレイカ!その首、貰った!」


屈強なガチムチなパラスメントの男が大剣を振り上げた瞬間に急に動きが止まる。何が起きたのかしら?そしてガチムチなパラスメントの男は急に大剣を地面に落としてしまい膝から崩れ落ちて四つん這いになり言う。


「じ、持病の腰が……」


ま・さ・か・の・ギッ・ク・リ・腰!!


「ゴウ!大丈夫か?!ゴウ!」


「マズイ!ゴウの腰がゴー!!しちまったじゃあねぇか!」


え?まさかの敵を前にしてギックリ腰って自滅じゃないの?


「おのれ!風の魔女ドレイカ!ゴウの仇!!」


すると今度は別の屈強なガチムチのパラスメントが斧を振り上げて突き進もうと突進む。いやいや死んでないし、アレ自滅だからな?


そして斧を持った男が風の魔女ドレイカに斧で斬り裂こうとした瞬間に道端の小石に躓きバランスを崩し転倒してしまう。


「右の足首がぁぁ!!」


今度はお前もかよ!ギックリ腰の次はアレか捻ったのか?足関節捻挫かよ!!


「ケラケラ。茶番はそれくらいにして次は私から行くぞ。」


「危ない!」


私は物陰から隠れていたが、生憎、人の危機的状況に無視出来るほど人間腐ってない。


私は急いでペン型のロウソクを天にかざしてサドマゾに変身する。


「ヴァージン・メタモルフォーゼ!」


【ヴァージン・イッツ!ショータイム!!】


私のが唱えた瞬間にペン型のロウソクはやけにテンションの高い音で言葉を発して私の目の前に六芒星を描いた魔法陣が現れる。その魔法陣から緊縛の黒いロープが全身に巻き付かれて解き放たれると、私の姿はまるで露出の多い黒のボンテージに包まれた嬢王様であるサドマーゾに変身。


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