カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。
「次は死霊魔導師についてですね。」
「また何か分かりづらいわね。」
「簡単に言えば幽霊魔導師って言った方が分かりやすいかもですね?」
「ど、ど、どう言う事よ?」
私、こう見えて、あんまり怖い者とか得意じゃないのよ。お化けとかさ。怖いもの見たさで見て後悔してトイレに行くのが怖くなるタイプなのよね。
「まぁ、言ってしまえば人間としての生を失った高位魔導師でございます。また魔法を研究し、その高みを目指す求道者としての究極の姿であり、死してなお極みを目指す魔導師とも言われております。」
「つまりお化け魔導師って事?悪霊とか怨霊とかみたいに悪さとかしないの?」
「まぁ、そう言う方って怨みが強過ぎて成仏出来ないって言うより、亡くなっても死霊魔導師って現世に未練タラタラで成仏出来ない幽霊って感じですね。私もそうですしカラカラカラカラ。」
「え?それってどう言う事?」
「はい。私は昔、流行り病で一度死んで現世の未練を残した為、死霊魔導師となったわけです。生前は1人で放浪する子だったのですが、未練を残したまんま短い生涯を終えてしまったのです。」
「そうなのね……」
やっぱり、人というのは何かしらの未練があるものなのね。信じない人も居るかもしれないけど幽霊って言うのはこの世に名残があって成仏しても成仏出来ない人達が居る。大切な人を残してしまったり、何かを成し遂げたかった人。それは人それぞれだと私は思う。
「美味しいものを食い尽くすまで死んでも死に切れないですわ!」
「……」
このガイコツメイド娘に関しては食への執着心で死霊魔導師になったってところか。とんだ食い意地張った死霊魔導師だなオイ。
「あと、言ってしまえば死霊魔導師というのは生きている間のスペックをそのまま受け継いでまして、分かりやすく言えば魔力や魔法スキルに戦闘術に頭脳に才能。それを死してなお伸ばす事が出来るのが特徴なのです。」
「じゃあキャビンは何か才能とかあったの?」
「え?まぁ、私は生前はか弱い女の子で放浪してたので護身術程度に剣術を少々やってたくらいですよ〜。あっ!この姿だとただのホラーですけどね!カラカラカラカラ。」
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