カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。

自分でか弱い女の子とか言っちゃうのかよ。まぁ、ここは敢えて突っ込まないでおこう。突っ込んだら色々と負けだと思う。いち大人として。



「次は錬金術師についてです。」


「錬金術師も魔法使いのくくりに入るの?どっちかって言うと理系に近いように思えるけど?」


私的に錬金術師って化学的手段を用いて卑金属から貴金属(特に金)に変えようとするとか。金属に限らず様々な物質や、人間の肉体や魂をも対象としてそれらをより完全な存在にする試みとか、人間の血から創り出した賢者の石とかのイメージなんだけど……


「まぁ、確かに桃香様の言う通り卑金属から貴金属を精錬したり、完全なる人間を造る理想を掲げたり、賢者の石を創ろうとしたとかのですが魔法世界での錬金術師というのは少し違います。」


「どういう事?」


「魔法世界での錬金術師というのは金属、化学、生物、自然、そして、精霊召喚とあらゆる知識に精通し、物質や生命を創造する特異な学者、研究者を指します。」


「つまり魔法世界での錬金術師というのは発明博士って感じなの?」


「カラカラカラカラ。そう言う事になります。この世界の錬金術師は魔法生物や人造人間といった擬似生命の創造を行う職業であり、また物質だけでなく新しい魔法を創造したりするのが錬金術師なのです。」


「つまりまだ存在しない魔法を作り出したり動物とか造ったりするわけなのね。」


「言ってしまえば、そんな感じです。まさに理系魔法使いって言った方が分かりやすいかもですね。カラカラ。」


なるほどね。どうやら魔法世界では研究者やら科学者、発明家って言うのは全てを総じて錬金術師と呼ばれるみたいだ。錬金術って一つの物質を分解して再構築して別の物質に変えるもんだって思ってた。


だからと言って卑金属から貴金属に変える事は出来ない。何故ならそれはその物質に含まれる原子や分子に構成成分根本的に違う。


確か大人ひとり分として計算した場合の人体の構成成分は


水35ℓ、炭素20㎏、アンモニア4ℓ、石灰1.5㎏、リン800g、塩分250g、硝石100g、イオウ80g、フッ素7.5g、鉄5g、ケイ素3gその他少量の15の元素だった気がする。

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