カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。


「……」


「また話が脱線してしまいましたね。話を戻しますと暗黒魔導師の暗黒魔法とは相手を毒や麻痺などの状態異常を起こす魔法でして、ステータスを下げる魔法が主になります。」


闇の魔法とか闇の力というのは一般常識的に考えれば決して手を出してはいけない領域なのだろう。しかし、その力を自分の意のままに操りつりたいという背徳感というのはいつの時代も存在する。


私の居た世界で言えば科学の発展の為が自分の存在を見せつける為に研究する科学者であるマッドサイエンティストを指すのではないのだろうか?


彼らは溢れる好奇心や探究心でありとあらゆる分野でその秀才ぶりを発揮して誰にも成し得た事のない研究に没頭するが、それは時としてとんでもない非人道的な考えに陥る事もある。


それは、まるで理想の人間を作り出そうとした若者フランケンシュタインのように……


そういう科学者達というのは生い立ちもあるのだろうがだいたいが時代背景だと私は思う。科学の進歩は時代背景、つまり世界が戦争というのは混沌する時代や不死身の肉体を作りたいという好奇心。


それは時として殺戮兵器を開発してしまったり非人道的な人体実験を行なってしまったり、言ってしまえば科学の発展を大義名分を掲げた科学に取り憑かれてしまったマッドサイエンティストである。


その闇の力や悪のカリスマとか言う背徳感に魅力を感じてしまう人もいると言う事なのだ。


分かりやすく言えば原爆放射能やナパーム弾と言う兵器。ロボトミー手術や脳チップに死者を復活させるという技術。好奇心や探究心から行き着くタブーに踏み込んだ科学者達は後世に悪い意味で渡り語り継がれる。


この世界で言えば暗黒魔導師の事を言うのだろう。闇の力に魅了されて、その絶対的な支配者に憧れて崇拝して、それに近付きたくて分かってはいても禁断とも言える魔法に手を出して道を外してしまうのが暗黒魔導師を言うのだろう。


「桃香様。次にいってもよろしいですか?」



「え?あ、うん。分かったわ。」


ちょっと色々と考えてしまいボーッとしてた私は魔法使いについての続きを聴く事にする。

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