カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。
私は、ふと踏んづけた足元を見ると花びらには牙が生えていて私を見ながら涎を垂らす植物が私に対して殺意を抱いている様子。
「ゴメンナサイイイィィィーーッ!!」
私はひたすら走り続けている。もうさっきから私を後ろから襲うとしている気配が半端ない。
私は気配が気になり、ふと後ろを振り向いてしまう。かなりの数の植物が鋭い牙に大口を開けて俺を追っかけ回しているんだけど。
「そんなのぉっ!有り得ないよぉぉおおあー!!」
私は更に走るスピードを上げて逃げ回る。もう、どれだけ走り続けているかは私自身も分からないくらいに走り続けている。それに、しつこく私を追いかけ回す植物達。
「良い加減にしてよぉぉおお!!しつこい!!」
「無駄でございますよ。コイツらは、この森に居る獲物を捕らえるまで、決して諦めないから。カラカラカラ。」
「笑い事じゃないわよ!!遠回しに死ね!っていうの?!えぇ?!」
「まぁ、受け止め方は人それぞれです。」
「そこは否定しなさいよ!って来ないでぇぇええ!!」
普通なら、既に年齢も年齢の為、息切れして走れない。だけど命が掛かっているから息切れなんて、ましてや足を止める事はつまり、死を意味する。
私は後ろから追いかけて来る獰猛な植物に追いかけ回される。それを逃げる私だけど、私は目の前の光景に絶望する。いや、私は今、神をも憎む……天は私を見放した。どんな状況かと言うとね。
私の目の前には断崖絶壁の崖があり、飛び降りれば間違いなく無事では済まない。しかし後ろには私を餌にしたがる獰猛な植物がいる。まさに引き返せない状態だ。
「日野桃香……享年30歳。殿方と1回も付き合えなかった哀れな年増女。」
「勝手に殺さないでっ!縁起でもない事を言うな!!」
「じゃあ、どうするんのですか?桃香様。」
この絶望的な状況の中で私は、あることを思い出す。
「キャビン……」
「何でございましょう?桃香様……」
「良いことを教えてあげよう。」
私は断崖絶壁の崖へとくるりと踵を返して続けてキャビンに言う。
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