カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。
「そんなに驚かれましても。」
「いや、だって。私は今まで普通の人間で生きてたんだよ?」
「まさかかと思いますがオズ様から、お話を聞いてないのですか?」
「いやっ聞いたよっ!!」
確かに、あの喋るクマのヌイグルミの説明は聞いたわよっ!うん。でも、でも信じられないじゃんっ!!
「まぁ良い歳して30歳までに純潔を守り処女を殿方に捧げなかったのが運の尽きですね。カラカラカラ。」
「運の尽きで済ますのっ?!それに笑わないでっ!ヴァージンで何が悪いのっ!!」
もうマジで意味が分からないんだからっ!!30歳過ぎてヴァージンを捨てなかったから、勝手に魔法使いにされて、勝手に魔法世界に飛ばされて、勝手に魔法世界の市民権の獲得試験って聞いた事ないわよっ!
「桃香様。生きていれば、きっと良いことありますから。カラカラカラ。」
「そんな訳ないわよ!何を根拠に言ってんの?!キャビン!!」
キャビンは私を小馬鹿にしながらカラカラと笑い始める。もう、私は泣いて良いかな?
「桃香様!マズイ事になりましたわ!!」
「な、な、何よっ?!急に大きな声を出して!」
いきなりキャビンが慌てて叫び出すからビックリしたじゃない。でも、キャビンの様子からして結構ヤバイ感じの予感。
「早速ですが奴らに囲れまして……」
「奴らって?」
私はキャビンの言っている意味が分からず聞き返す。
「このジャングルには獰猛な植物が大量に生息してまして。」
「獰猛な植物って……普通は動物じゃないの?」
獰猛な動物なら普通は聞くけど、獰猛な植物って……ねぇ?
「確かに桃香様には聞いた事ないと思いますが、このジャングルの植物は雑食でして。縄張り意識が強く人をも襲って食われるくらいに……って?桃香様?」
私はキャビンの説明を最後まで聞かずに走り出す事にするもう人を襲うって聞いた辺りから全力疾走。もう若くないのに。
「桃香様!私の話を最後まで聞いてくださいませ!」
「そんな事を言ってられいわよ!!人を襲う植物なんかに襲われる前に逃げ出さないとっ!!……って。」
なんだろう。なんか踏みつけちゃったな気がする。こういう時って絶対に悪いことが起きるよね……
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