カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。

「痛いっ!!」


そして私は何処かの鬱蒼と生い茂る密林のジャングルの中に放り込まれたみた様子。


「あぁ、太陽がギラギラと暑いよ。日焼けになってシミやソバカスが出来ちゃうよ……」


高温多湿で既に額に汗が滲み出てきて化粧が落ちて素っぴんになりつついる。


「それにしても…このロウソクの形をしたやつって何の意味があるんのよ?」


「こんにちは。我が主人の処女魔法使い様。」


「おぉっ!ビックリしたじゃない!!」


私は後ろから急に声が聞こえたのでビックリして振り返るとガイコツでメイドの格好した奴が話し出したじゃないか。


「きゃぁぁあああっ!!」


「そんなに驚かなくても良いじゃないですか。我が主人。貴女様の名前はなんて言うのですか?」


「へ?」


話し出すガイコツ娘につい驚いてしまい私は間抜けな声を出してしまう。普通に怖いわよ。


「はぁ……自分の名前も言えない年増女なんですね?我が主人。貴女様のお名前はなんて言うのですか?この処女。」


私は喋るガイコツメイドに呆気に取られていたら毒を吐かれてしまった。それに、さっきから人の事を処女とか年増女とか酷くないかな?本当の事だけにさ傷付くよ?


「私は日野桃香よ。」


「では桃香様ですねっ!宜しくお願いします桃香様!」


随分と丁寧な物腰の割にフレンドリーなガイコツメイドだね。結構、毒を吐き散らすけど。


「そういや、貴女の名前は何て言うの?」


「えぇ。まだ私の自己紹介がまだでしたね!私の名前はキャビンでございます。以後お見知り置きを。」


ガイコツメイドの名前はキャビンと言うのね。まぁ、彼女から今の現状を聞くしかない他ないか。


「ねぇ、キャビン。」


「何でしょうか?桃香。」


「この、ジャングルってさ、いったい何処なんの?」


私はキャビンに恐る恐る聞くとキャビンは丁寧で冷静な口調で答える。


「ここは魔法世界の南の国にある魔法世界の市民権の獲得試験の会場のジャングルでございます。」


「やっぱりジャングルなんだ。何で市民権獲得の為の試験なの?」


私は溜め息を混じらせながら、ぼやくとキャビンは続けて更に話し出す。


「まぁ、魔法世界のルールですから頑張ってくださいませ魔法使い様の主人。」


「え?」


キャビンが少し残念そうに遠回しに『精々死ぬなよ』って言ってくるようにも聞こえるけどどういう事だろう?


でも私はキャビンの『魔法使い』って言う単語に疑問が思い浮かぶ。


「何を首を傾げてるのですか?桃香様。貴女様は魔法使いですわよ?」


私の頭がショートすること数秒後。


「はああぁぁーーっ?!何で?!私が魔法使いっ?!」

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