カルテNo.1 30歳処女。魔法使いになる。
「喋るヌイグルミは初めてなんだけど。」
「いや、普通のヌイグルミは喋らないぜ。俺っちの場合は訳ありでね。」
少し深刻そうに話すクマのヌイグルミ訳あり何だろうから、きっと何かに巻き込まれたのは間違いないだろうね。
「まずは自己紹介がまだだったな。俺っちの名前はオズだ。あんたの名前は?」
「日野 桃香です。オズって、オズの魔法使いとかの本に出てくるオズの事?」
「あぁ。俺っちは、こう見えて魔法使いだったんだよ……」
「そうなんですか……って何で魔法使いが、この世に存在するの?どうして魔法使いがクマのヌイグルミなの?!」
私は何だか、いきなりファンタジーな話に着いて行けなくて少しばかり混乱してしまう。
「あぁ、待て待て。順番に説明して行くから落ち着けよ桃香っち。」
「桃香っちって……」
「まぁ、桃香っちの世界じゃ魔法使いって空想でお伽噺でしか存在しないと思うんだけどね。」
「思うんだけど……」
オズは少し間を置いてから話だす。
「それは、あくまでも、世の中の人間が勝手に魔法使いなんて居ないと否定しているだけであって、実は存在する。」
「実際に私は魔法使いなんて見た事ないわよ?」
「そりゃそうさ。桃香っち。魔法使いは表舞台の世界では存在しちゃいけない。」
「どうしてなの?オズ。」
「桃香っちの世界じゃ科学によって世界が成り立っている。魔法使いの魔法は科学では解明出来ない現象、桃香っちの世界は科学が全て科学で証明出来ない魔法は異端な存在って訳だ。」
「……」
なるほどね。確かにオズの言うとおりに一理ある。この世は科学で支配されていると言って良いかも……
科学では証明出来ない物は眉唾なオカルトな扱いをされているのは確かだよね。
「桃香っちが住む世界もあれば魔法使いが住む世界もあるって訳だが……」
「いやいやいや、ちょっと魔法使いが住む世界って?!」
「まぁ、これからが本題だから聞いてくれ桃香っち。よっこらせっと……」
なんだろう。オズの奴は図々しく人の部屋で寝そべり話し始める。
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