第15話 悪竜の堕天使-強イ奴ガ正義ダ……-

響也は重傷で立っているのがやっと。祐司は戦闘不能のダウンで自力で動けない。俺に限っては魔力も戦う体力も残ってない……


今、変身して、まとめて束になって戦っても……コイツには勝てねぇ……勝てる気がしねぇ……


一歩、一歩と俺達に近付くに連れてベリアルから放たれる殺意と悪寒。その殺意と悪寒は本人は隠しているつもりでも隠しきれない。


「フン。今ノ小僧達ヲ倒シタ所デ何モ価値ハ無イ……シカシ、小僧達ガ万全ノ状態デ俺ト戦ッテモ、貴様ラノ勝利ハ無イ……」


あのベリアルが言う事は正論だ。例えフルの状態で戦っても勝ち目は万に一つもない。コイツは強すぎる……


「マァ、セメテ今日ハ俺ノ名前ヲ覚エテオケ。鬼神族ヲ束ネル゙ノヴァ゙ダ。次、会ウ時マデ小僧達、首ヲ洗ッテ待ッテオケ。イヤ、全身ヲ洗ッテ待ッテオケ……」


ノヴァはそう言った後に姿を消した。


俺はノヴァから放たれた殺意と悪寒から解放されて両膝を着いた。


額には冷や汗が流れていた。

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