第5話 新たな戦士-さぁ堕天使よ断罪を行う-

「まぁね。まだ夢も希望もある少年、少女が犯罪に手を染める事が見てられなくてね……」


「……」


「更に親や教師、いや大人達に見離されて犯罪を染める子供達が殆んどだね。」


「そうか、それで自暴自棄にか……」


「中には犯罪に巻き込まれる子供もいて死んじゃったり、心に大きな傷も抱えたり……今日もまだ16歳の女の子がドラッグに手を出してね……」


「……」


「幸いまだ所持で使う所だったけど、ドラッグは一回でも使うと後には戻れなくなるからね……」


祐司は今にも泣きそうな雰囲気で少し辛そうに話す。


でも、さっきまで辛そうにしてた祐司はふと時計を見た。


「あっ、もう明日も仕事だから帰るね!はい、お会計。」


そう言って祐司は会計を済ませて店の扉を開けて出ていった。



まだ夢も希望にも溢れてる子供達。その子供達が世間の大人達によって見離されて犯罪に走る。


そして、自暴自棄になり犯罪に手を染め、挙げ句の果てには自分自身も犯罪に巻き込まれる。


「なんだか祐司の奴、辛そうだったな。」


そうポツリと独り言を呟き店の片付けをしていると頭に耳鳴りの様な音が響いてくる。


こんな時にべリアルか。でも、まだオジサンとオバサンも店の片付けをしているし、どうやって誤魔化すか?そうだ!この手があったか!


「すいません。オジサン、オバサン!」


「どうしたんだね大翔君?」


「どうしたのぉ?ひろ君?」


「祐司の奴、店に忘れ物したみたいなんで今からバイクで追いかけて届けに行きますね。」


「あら~そう。わかったわぁ。」


「行ってらっしゃい大翔君。」


オジサンとオバサンの了解が得たので急いでエプロンを取り投げ捨てる様に椅子に置いて部屋にあるダビデとバイクの鍵を取りに2階に行く。


部屋のドアを開けてダビデは俺に叫ぶ様に言った。


「マスター!べリアルです!急いで!」


「わかってる!」


俺は急いでダビデとファウストグローブを持ち出し下へ駆け降りる。バイクに跨がりエンジンを掛けた後にダビデが話し始める。

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