第4話 精霊の長老 -我ラノ理想-
「大翔……目が怖いよ?」
優菜の言葉にふと気付いた。そんなに怖い目をしていたのか?知らず知らずに心の闇に呑まれそうになっていたのか?
優菜も少し恐がっているな……優菜に心配掛けないために少し誤魔化そうか……
「あ、少し逆上せてきたかも。ちょっと先に出るわ。」
「う、うん。わかった大丈夫?」
「大丈夫。」
まだ心配そうな顔をしているけど俺は精一杯の作り笑いで温泉から出た。身体を拭いて用意されていた浴衣に着替え部屋に戻った。
部屋に戻り部屋の窓を開けた。窓からくる冷たい風は今は気持ち良い。星も綺麗なもんだから見とれてしまった。
少ししてから部屋の襖を開ける音が聞こえた。そこには風呂上がりの優菜が出てきた。優菜も俺と同じ浴衣の姿にタオルを肩に掛けている。
顔も火照っていて髪も少し濡れていた。
な、なんか優菜が色っぽくく見える。イヤ、正確にはエロく見えるだろうか……
「はあ、良いお湯だった。」
「そうか。そういや腹も減ってきたな。」
「あ~言われてみれば私も!」
そう言った後に襖の向こうから声が聞こえた。
「失礼します。夕食をお持ちしました。」
女将さんが夕食を持ってきた。御膳をみると海鮮の刺身やら山菜の天婦羅やら蟹の味噌汁やら豪華な食材ばかりだ。
女将さんが運び終わった後、優菜は早速、食べ始めた。俺も最初は刺身を少し醤油に食べ始めてみるとこれが美味い。次は蟹の味噌汁を一口、これも出汁がよくきいて美味い。
優菜なんか山菜の天婦羅を口にほうばって食べている。かなり俺も山菜の天婦羅を食べてみるとかなり美味い。
ここの旅館は飯も美味いし景色も良いし温泉も良いが混浴ってところが少しアレだが、まぁ良い所だ。
薄暗くて冷たい場所……
石畳に周りにはまるでローマ神話に出てくる様な石像が多々並んでいる。まるでその石像は俺を威嚇している様にも見える。
確か俺は優菜と温泉旅行に行っているはずだった。何故だ?これは今のこの状況は夢なのか?それとも現実?さっぱり解らない……
ここは何処だ?訳が解らない……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます