第2話 風の堕天使−人間ノ血コソ切リ札ノ鍵−

俺と優菜は近くにある大きなショッピングセンターに着きバイクを駐車場に停めた。ヘルメットを外しバイクから降りながら俺は優菜に聞いた。


「優菜。そういやショッピングセンターに着いたのは良いけど、何処に行きたいんだ?」


「ん?ん~考えてなかった。」


「え?」


「ゴメンね。えへ!」


「はぁ~適当にショッピングセンターウロウロするか……」


俺は半分呆れ顔で答え歩き始めた。


暫く歩いていると優菜はどうやら楽しそうだ。そういや、こんな風に優菜と出掛けたのっていつだっけ?


もう数年は一緒に出掛けてないし、むしろ優菜と二人で出掛けるの初めてかもな……



「大翔~。」


「ん?どうした。」


「これ可愛いよ。」


「ん?どれどれ?」



ガラス張りに飾られいた物は男子なら普通に喜ぶであろう下着だ。


「ぶぅ!ゲホゲホ!」


俺はその場で思いっきりむせてしまった。優菜は不思議そうに首を傾げて聞いてきた。


「どうしたの?大翔。」


「……お前の可愛いって言ってたのってコレか?」


と、大翔は下着を指した。


「うん。そうだよ。」


何で無邪気に答える?普通は男を連れて行く所じゃないだろ?こういうのは女の子同士で行くもんでしょ。ん?なんだか優菜が物凄く行きたそうな顔をしてるぞ……


イヤイヤ…ちょっと待て。俺はれっきとした男だぞ。男がこんなところに行っちゃダメだろ……絶対に痛い目で見られる。つーか店の中に男なんて居ねぇじゃねぇかよ!


だけど優菜の我が儘にも付き合ってあげたいけど……よし優菜に直接聞いてみるか!


「優菜。」


俺は恐る恐る聞いてみる事にする。


「ん?」


「これ、欲しいのか?」


「うん!」


無邪気に答える優菜。恥ずかしそうな素振りもなく迷いの無い目……ふん、良い目だ……


じゃねえぇねえぇよおぉー!確かに欲しいのはわかったけど仮にも女の子の下着だぞぉ!少しは恥ずかしがれよ!いやマジで!

普通にアクセサリーとか服とかならさ……

゙よし!俺が買ってやるよ゙って言えるけどよぉ!

下着だぞ!明らかに女の子しか居ねぇじゃねぇかよ!

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