天空の街 1




 青空を、悪魔の影が横切った。

 その影がイシュルと重なった瞬間、悪魔は風の魔法を撃ってきた。

 イシュルは空中に風の魔法の壁を出現させ、その壁を蹴って斜め上に方向転換、不規則な波長でしなるように向かってくる、悪魔の放った魔法をやり過ごす。

 上昇するイシュルの頭上を別の悪魔が口を開け、まるで吐瀉物を吐き出すかのような不快な音をまき散らして、同じ魔法を放ってきた。

 今度は自身のすぐ横に風の魔法の壁を出現、そのままからだに押し当て自分自身を真横に突き飛ばす。イシュルは真横に吹っ飛びながら左手を上空の悪魔に突き出した。突き出すと同時にその先の悪魔の頭が吹っ飛ぶ。風の魔力を固めた塊で悪魔の頭部を払った感じだ。さらに別の悪魔が右斜め上から、さらに別の悪魔が後ろ斜めから魔法を撃ってくる。

 悪魔はその蝙蝠に似た羽、尻尾、そして小さなものだが風の魔法を器用に組み合わせ、空中において精妙を極めた動きをする。小さな頭、瘤のように突き出た小さな角、細い目、横に大きく裂けた口に鋭い牙。全身無毛でからだの色は青色から灰色、固体によって微妙に差がある。大人の人間よりわずかに小さく、痩せて筋張ったからだつきをしているが、膂力も敏捷性も人に勝る。

 そして何より自らよりも弱い、弱いと判断したものを遊びながら殺すのが大好きな、強い嗜虐性を持つ化け物だ。

 イシュルは速度を上げ、悪魔の放つ魔法を避け螺旋を描くようにしながら上昇に移った。悪魔たちはイシュルの頭上に占位し続けている。

 周囲は岩山の尾根が連なる深い谷間だ。悪魔の群れはイシュルを谷間の底へと追い込み落とし、逃げ場をなくして仕留めようとしている。

 イシュルは自分のからだに密着させた風のアシスト、自身を覆い空中を飛ぶ風の魔法、風の魔法で固めた壁、それらを駆使して悪魔の放つ魔法を避けながら攻撃を繰り返し、おそらくイシュルをたっぷり嬲りながら殺そうと集まってきた、十匹あまりの悪魔の群れを一匹ずつ、意図的に間をあけながら殺していった。

 残りは六匹。そろそろ締めるか。

 油断か、そこでイシュルの斜め後方、上空の悪魔が放った風の魔法が彼の右腕を斜めにかすった。

 ぐっ。

 内蔵の一部をえぐりとられたような、奇妙な喪失感がイシュルを襲う。それは微かな絶望感となって心の中を波紋のように広がっていった。

 くそっ。

 イシュルは上昇しながら足許に、手許に次々と風の魔法の壁を設置し、壁を足で蹴り、腕で押して螺旋の曲線的な上昇をランダムな直線的な動きに変えた。

 イシュルのからだを覆う風のアシスト、彼を空中に浮かべ飛ばす風の魔法、それらが壁となって、悪魔の風の魔法がかすめたくらいで肉体的なダメージを受けることはない。だが、悪魔の放つ魔法は、ただの風の魔力を固めて押し出されたものではない。そこには人の心にダメージを与える精神系統の魔法が、本体の風の魔力に絡みつくようにして存在していた。

 精神系統の魔法……。前世のゲームや小説ならおなじみの魔法なんだろうが。

 イシュルは悪魔たちの攻撃を避けながら、少しずつ、確実に高度をとっていく。

 イシュルのまとった風の魔力には精神系統の魔法でさえもそれなりに減衰されるが、その威力を完全に消し去るほどの効果はない。

 精神系統の攻撃魔法。この世界ではとても珍しい、人の心に直接強い影響を与える魔法、精霊が人間に錯覚させて悪戯するようなものとは違う、人の精神を傷つけ破壊するような魔法は、人間の魔法使いで使う者はいない。つまりそういう魔法具の存在は確認されていない。せいぜい隠し身や迷いの魔法など、人間の五感に影響を及ぼす程度までだ。一般の精霊も、それらに加えて人間を眠らせる、朦朧とさせる、記憶の一部をあやふやにするなど、人の心の働き、脳の働きを鈍化させる眠りの魔法などしか使えない。

 人の精神に直接打撃を与える精神系統の魔法は、荒神バルタルの闇の魔法のごく一部、そして五系統や闇、光以外の精霊を統べる王、精霊神アプロシウスに関係する無系統の魔法の一部に存在するだけだと言われている。

 この世界では小悪鬼(コボルト)などと同様、亜人種の一種として現実に存在する悪魔は、その精神系統の魔法を使ってくるおそらく唯一の存在である。他にも精神系統の魔法を使う魔物もいるかもしれないが、今まではっきりと確認されてはいない。

 空を飛び、外見もいかにも悪魔らしい“悪魔”が、“本物の”悪魔と人間たちから呼称される所以である。

 イシュルは悪魔たちの占位する高度まで上昇すると、自身の下半身を圧迫して上半身の血流を維持するようにし、一気に急上昇した。悪魔は細かい方向転換や急降下は得意だが、空を水平に飛ぶ速度は遅い。上昇も遅い。彼らが口や指先から放つ精神系統の魔法をからめた風の魔法も、上に向かって放つと速度が落ちる。

 イシュルは複数の悪魔から放たれた魔法を振り切ると、上昇の終わる頂点でエビぞりに反転し、両手を広げた。

 イシュルの全身を陽光が煌めき嘗めていく。空から風の魔力が落ちてきた。

 下方で空に浮かんでいた六匹の悪魔が同時に、風の魔法の壁、いや箱といった方が良いか——に閉じ込められた。悪魔は空を飛ぶとき、尻尾をやや伸ばし気味にしてバランスをとる。みなどれも、魔法の箱の外に尻尾の先だけが飛び出ていた。イシュルは落下しながら風の魔力で固めた箱の中のものを「潰し」、千切れた尻尾を風を吹かして自身の傍まで持ってきた。空中で左手を伸ばし六本の悪魔の尻尾を掴みとり、岩山の適当な足場に着地した。

 そして、谷間の反対側にとまって様子見していた数匹の悪魔に視線を向ける。

 イシュルに睨みつけられた悪魔たちは「キキッ、キキキ」などと高音の不快な声を立てて、山の尾根を反対側に飛び越え逃げていった。

 イシュルは、悪魔の尻尾を腰に吊るしていた布袋に詰めると視線を遠く、北東の方に伸びる谷間の奥の方にやった。

 全部で八匹。悪魔の次の群れがイシュルの方へ向かって飛んでくる。

 谷間の奥、谷間が東に折れ曲がった先に悪魔の巣が散在している。彼らは自分たちの家の庭先に現れた人間を狩りにきているのだった。イシュルを適当に魔法が使えるらしい、「遊べる」相手と侮って。

「さて、もう一本いくか」

 イシュルは地を蹴って、その悪魔の集団の方へ向かって行った。

 

 この日の収穫はさらに四匹分の尻尾を足して、全部で十本。聖金貨二十枚分になる。残りの四匹は戦闘の途中で殺し、尻尾は回収しなかった。

 イシュルはいくつか、自分専用に探し出した“狩り場”のひとつを後にし、谷間を南西に下って、谷川の周りに木々が増えた辺りで小休止した。

 大小の石がごろごろした川縁に腰を降ろして火を起こし、干し肉をあぶって遅めの昼食をとる。

 そばを流れる清流の水の音に耳を傾け、かるく溜まった疲労を癒した。

 もちろん、さきほど悪魔たちと戦ったイシュルの狩り場、あそこにある彼らの複数の巣を、大出力の風の魔法で一気に潰すことは彼にとって造作もないことだ。

 悪魔の巣は岩山の断崖絶壁にある窪みや洞穴にある。例えばイシュルが全力を出して山ひとつまるごと切り刻んで、洞窟の内部を崩落させて完全に潰す、洞穴に風の魔力の「手」を突っ込んで引っ掻き回す。単に悪魔たちを丸ごと掃討するのならそれでいいのだが、イシュルは自らの魔法戦闘の訓練のために“狩り場”を探し出して使っている。他の狩り場もまわしながらイシュルは月に数回、こうした訓練を行っていた。次にこの狩り場にくるのはひと月半ほど先になる。生かさず殺さず、何度でも練習台になってもらうためだ。

 悪魔がギルドで高額の報奨金の対象となっている、金を得るためにやっているのも理由のひとつだが、イシュルはそれよりも自分の苦手とする、弱点を克服するために、ああした回りくどい戦いを悪魔たちに挑んでいた。

 空を飛ぶ悪魔の群れとの戦いも、風の魔法で固めた壁で切り刻む、閉じ込めて圧死させればあっという間に終わる。十や二十の悪魔の群れなど瞬殺できる。

 だが、実際に魔法を使う場面では、特に対人戦闘では、単純に力まかせで押せないことも多い。辺境伯を誅殺する時もそうだったが、何らかの戦闘時において、戦う度に周囲の状況に構わず暴れまくって、関係ない人も物もすべてを塵と化す、などということをやるわけにはいかない。イシュルは人間社会で生きている。生きていくことを止めようとは思っていない。

 イシュルは転生後はそこそこの反射神経、運動神経を持って生まれついた。だが体格はなんとか人並み、傑出した剣才もないし、体術に秀でた素質があるわけでもない。どんなに修練を積もうが先は知れている。なら人外の魔法を使ってそれを補い修練を重ねれば、剣の天才、強力な武神の魔法具を持つ剣士や猟兵ら、彼らを凌駕することも可能だろう、イシュルはそう考え、対人戦では無類の強さを持ち、龍種についで恐れられている悪魔を相手に修練を重ねることにしたのだった。

 イシュルは、風の魔法具を手に入れた子どもの頃から続けた修練で、大規模魔法と繊細な魔法を使うことには自信があった。だが、複数名の魔法や武術の遣い手を相手に、周りに損害を与えずに戦っていく、そういう能力には欠けている、と判断していた。

 イシュルはその弱点を克服し、どんな場面でもどんな相手でも勝てる、絶対不敗の存在となることを目指していた。

 川から立ち上る清冽な冷気が心身の疲れを消していくのと同時に、思考を引き締め鋭くしていく。

 イシュルは目を細め、清流の水の流れを見つめた。

 相手がただの魔法使い、あるいは赤帝龍のような存在とは限らない。今後は相手が国や聖堂教会のような、大規模な組織になることもありえるだろう。彼らは政治や己の権威も武器に使ってくる。

 どんな力を持とうと俺は人間だ。人はひとりでは生きていけない。

 ブリガールを滅ぼした後、辺境伯誅殺とベルシュ村復興の目的を円滑に達成するため、赤帝龍討伐に協力することを餌に王家との交渉を持った。それには彼らと無用な敵対関係になることを避け、自分に対する謀略的な政治力を使わせないようにする、もうひとつの理由があった。俺がただの謀反人になれば、故郷に二度と帰れなくなる。国家間をまたいで指名手配されるような極悪人とされれば、行く先々で命を狙われ続け、人の生きる社会に俺の居場所はなくなる。

 そんな状況で他の神の魔法具の情報を集め、手に入れることができるだろうか。神々に近づくことができるだろうか。

「……だが、すべての人びとに、すべての国々に、いい顔をして正義の味方になろうなどとは思わないが」

 これからは人知れず相手を屈服させる、秘かに襲って来る強者から自身を守る、暗闘が増えるかもしれない。

 そのためには自分の弱点を克服し、不敗の存在となる必要がある。それが神の魔法具の奪い合いに最後まで生き残る、唯一の方法ではないか。

 そして最も重要なことだ。

 それは初心を忘れないこと。

 おのれの手にした神々の力に飲み込まれないことだ。

 最後まで人らしくあれ。

 俺が関わってきた人びとから受けた真心を忘れないことだ。


 イシュルは川の流れから顔をあげ、目の前に広がる緑に目を向けた。

 季節はすでに春になった。

 ここは聖王国の東部の山岳地帯だ。鮮やかな緑が増してきた木々の姿、この地の植生は前世の頃に見慣れた照葉樹林だ。緯度も日本の中部、ヨーロッパなら南欧あたりに相当するのではないか。

 こうして川縁で涼んでいると、前世の記憶が蘇ってくる。まだまだ、いや、それは消えてなくなるものではない。

 俺は前世の記憶、知識や経験も武器にしてきたのだ。

「いくか。そろそろ帰ろう、天空の街へ」

 イシュルは立ち上がると跳躍し川を飛び越え、目の前の木々の茂みの奥に消えた。

 天空の街、それはクレンベルと呼ばれ、オルスト聖王国内にあって聖堂教の聖地のひとつに数えられる、険しい岩山の頂きからその山麓に広がる街の通称だ。

 イシュルはうねるように走る山間の猟師道や小道を無視して、現在地から北西方向のクレンベルへ、一直線に向かった。

 風のアシストをつけて木々の枝や山の岩場を足場に跳躍を重ね、適度に足腰を鍛えながら山々を越えていく。本来なら徒歩で数日はかかる行程を半日ほどに短縮して、翌早朝、天空の街を見おろす近隣の山の頂きに立った。

 イシュルの眼下には朝日を浴びて煌めき、深い影に覆われたクレンベルの市街地が見える。

 頬を洗う冷たい微風にイシュルは微笑んだ。

 今、日の出とともに谷間へ吹き降ろす山風が消えようとしている。その最後の小さな風のひと吹きがイシュルの周りを包むように流れた。

 クレンベルの街は複雑な山の重なりに、へばりつくようにして広がっている。低地の山麓の方には一般の庶民が多く居住するありきたりな街並、木々の間に田舎の素朴な家々の屋根や煙突が垣間見える。中腹には斜面を削って、貴族らの居館、別宅、つまり別荘や高級な宿屋が散在する。標高が上がり頂上に近づくと高木が消え、急な斜面はところどころ岩が露出し、山頂はまばらな低木と下草で覆われ、聖堂教会の主神殿と、来訪した貴族や神官らの宿泊施設、神官見習いや下働きの住む家々が固まっている。

 そして、その山の峰の北には石造りの大きな門がある。その門の先には山嶺に沿って、細い道が遠く北方に伸びていた。

 厳密に言うとクレンベルの街自体は聖地ではない。“聖地”そのものはその北に伸びる道の先、徒歩で十日ほどかかるいわば“秘境”にあった。

 その聖地の門前となっている、主神殿のある山の外側、東から南側を囲むようにして、緩やかな曲線を描く別の山稜がある。その山麓から中腹にかけても、大小の建物が蝟集している。そこには宿屋、クレンベルのハンターギルド、山頂部にある石造りの小城塞、砦を守る聖王国騎士団の騎士や兵らの宿舎や住居などがあり、谷間に流れる川には主神殿のある山側と接続する橋が架かっていた。

 イシュルは今、山頂にある主神殿で下働きをしている老婆の家に部屋を間借りしていた。

 確か婆さんにはパンと芋、菜っ葉をいく種か頼まれていたな。

 イシュルは正面の、山麓に広がる街の方を見た。

 なら、朝市で買っていくか。それから荷物を置いて、ギルドはその後に行こう。

 イシュルは山の頂きを飛び立った。

 山間を照らす朝日が、飛び立つイシュルの影を光で覆って黒く縁取った。


「婆さん、婆さん!」

 薄暗い家の中で老婆がひとり、背を丸めて布繕いをしている。

「ただいま。帰ったよ! 婆さん!」

 イシュルは扉を閉め、暖炉や厨房、食堂兼居間が一つ部屋となった雑然とした家の中に足を踏み入れる。イシュルの部屋は二階にある。

「頼まれた野菜とパン、朝市で買ってきたぜ」

 イシュルは小さな椅子に座って布繕いをしている老婆の背から、怒鳴るようにして声をかけた。

「婆さん、帰ったよ!」

 老婆の背中がすっと伸ばされ、イシュルに振り向く。

「ああ、お帰り、坊ちゃん」

 この家の主、老婆の名はマレナという。老婆は耳が遠い。

 イシュルはいつも怒鳴るような大声で老婆と会話していた。

 マレナはイシュルに笑顔を向けてきた。皺深く、前歯も幾つか抜けている。だがやさしげな顔つきだった。

 イシュルが市で買ってきた野菜を渡すと、何度も頭を下げて礼を言ってきた。

「いつもすまないねぇ。ありがとうごぜえます」

「朝飯まだなんだ。なんかつくってくれないか。婆さん」

「朝なのにまだお通じがないって? 昨日からかね? 坊ちゃん」

 ……なんで朝飯がそっちの話になっちまうんだ。

 イシュルはまた声を張り上げて同じ台詞を繰り返した。

 マレナはイシュルを坊ちゃん、と呼ぶ。イシュルはマレナの賄いつきで、彼女の住まいの二階に部屋を借りていた。ひと月で十聖銀貨(千シール)という、なかなかいい金額で契約していた。

「朝につくったスープが残ってるんじゃが、それを温めればええかの」

「うんうん」

 イシュルは老婆に笑顔をつくって、何度も大きく頷いてみせた。口で言うよりその方が伝わる。

 マレナはふだん、神殿に八人いる神官見習いの昼食をつくったり、その他の賄いの手伝いなどをしている。そのため、イシュルは狩りに出ない時は朝夕二食をマレナとともにし、昼食は自炊するか、神殿の神官見習いの少年たちに混ぜてもらっていた。神官見習いの少年たちはイシュルより年下の者が多く、彼より年長な者はひとりだけ、神殿の下働き自体は修行中の少年たちがやっていた。

 イシュルはその後二階の自室に入り、荷物を置いていつもの父の形見の剣とナイフだけはそのまま、悪魔の尻尾を入れた布袋を手持ちに、クレンベルのハンターギルドに向かった。

 イシュルがなぜ聖堂教会の聖地とされるクレンベルに、しかも主神殿のある最頂部に滞在しているのか。そこには当然彼がその地を選んだ理由、いくつかの偶然も重なったそれなりの経緯があった。

 イシュルはアルヴァを去ったその日のうちにラディス王国とオルスト聖王国の国境を越え、聖王国内に入った。当然街道沿いの砦や関所は避け、ひとの住まない山間や森を抜けて聖王国に入った。その日は野宿、翌日聖王国北部、ラディス王国との国境にほど近い街、グダールで食料雑貨を買いそろえ、さらに南下、テオドールの南東にある大きな街、ハルンメルにしばらく滞在した。

 イシュルはこの街で商業ギルドや職人ギルドを訪ね、腕利きの革職人や服職人を紹介してもらい、マントや上着、ベルトやズボンなどを特注でそろえた。マントはできるだけ薄地でたたんでもかさばらないもの。色は黒。上着はやや裾を短くした牛革のコート。シルエットは肩や腕まわりの動きをなるべく阻害しないよう気をつけながら、前世で当時主流だった細身のものにした。ただ内と外、ともにポケットは多めにつけた。ズボンもラインは細目、厚めの生地にし、これもポケットを多めにした。太ももの外側部分にもポケットを増設した。ベルトもこの世界ではまず見かけない幅の太いものにし、バックルも装飾を一切省いたシンプルなものにした。

 他に小振りな投げナイフを二本、薄い鉄片を埋め込んだ穴開き革手袋、やや細目のロープなどを揃えた。

 新調したコートもズボンも、身につければそれなりに目立つものとなる。

 それでもイシュルは構わなかった。

 これから政情が不安定化していくであろう聖王国に、それでも入国した理由はもちろん、従来からある風の魔法を学んで知識を増やすためだ。さらに魔法戦闘対策と、今後他の神の魔法具を入手した場合困らないように、他の系統魔法の知識も得る必要があった。

 イシュルは当初の予定通り、聖王国の山岳地帯の、有力なハンターギルドのある地へ行き、そこに集まる実力のある魔法使いに知遇を得られれば、と考えていた。

 名を偽ってもゾーラ村の件で、状況によっては面倒ごとに巻き込まれる場合もあることを痛感した。それなら本名のまま、赤帝龍を退けた大魔法使いとして畏怖され、忌避されることはあるにしても、一方で関心をもたれ、あるいは勧誘される立場であった方が、力のある魔法使いと知り合える可能性は高いだろうと考えた。

 もし命をねらってくる者がいれば、ただ退けるだけだし、もしそれが強敵ならむしろいい経験になる。

 無理して目立つ必要もないが、隠す必要もない、それならこれからは多少人目につくようなことがあっても自分の着たい、使い勝手の良い服装と小物を揃えようと思ったのだった。

 ハルンメルに滞在している間は数日おきに宿を変え、初日から精霊を召還し夜間を中心に警戒したが、まったく怪しい動きはなかった。少なくとも魔法を使う者が尾行、監視についている気配はなかった。

 イシュルは注文したものができるまでの間、宿の使用人らとよく話し、市に顔を出し、飲み屋にも行き、聖王国の情報を集めた。

 そこで候補地にあがったのが、聖堂教会が聖地と定めるクレンベルという街だった。クレンベルは聖都エストフォルのほぼ真東、約四百里(スカール、約二百六十km)ほどいった山間部にある。当然ハンターギルドもあるが、イシュルが注目したのはクレンベルが聖堂教の聖地とされている、その理由だった。

 クレンベルからさらに徒歩で十日ほどの山奥に石英鉱山があり、そこでは紫水晶や黄水晶など各種の水晶が産出する。それらの水晶は聖堂教の総本山があるエストフォルに運ばれ、宝石として加工されると主神殿の某所で魔法具となる。つまりクレンベルの奥にある石英鉱山は、魔法具の有力な原料を産出しているわけで、そのためにクレンベルが教会から聖地と指定されているのだった。

 本来はその石英鉱山本体が“聖地”とされるべきなのだろうが、詳しい場所は当然のごとく秘匿され、さらにその鉱山までは険しい山道に加え、途中、火龍、地龍、悪魔など強力な魔獣が多数出没する危険な領域があり、腕利きのハンターたちでも容易に近づけないと言われていた。

 聖堂教会は聖王国の協力を得て、通常年に二回、有力な魔導師、騎士、神官らで部隊を編成し、鉱山に派遣して各種水晶の原石を輸送することになっている。その時、戦力増強のためにクレンベルで傭兵を雇う場合があり、その時期には各地から実力のある魔導師や猟兵が集まってくるのだという。

 そしてクレンベルは聖地であるため、主に聖王国国内に限られるものの、それなりの数の巡礼者も訪れる。特に夏季は避暑をかねて聖都から貴族も訪れ、長期滞在する場合も多い。

 季節限定だが、聖地であるから貴族も訪れる、魔導師も、流しの腕利きの魔法使いも集まってくる。山間部であるから魔獣狩りもでき、金も稼げる。火龍程度なら訓練の多少の足しにもなるだろう。

 これは自分の目的のためには最適な場所ではないか。

 イシュルは向かう先をクレンベルに決め、注文していたコートなどの品が揃うと、ハルンメルを発つその日に商人ギルドに行き、今はエリスタールにいるであろうセヴィルやイマルら商会の人びと、マーヤやペトラにフロンテーラ商会本店留めで手紙を出した。

 セヴィルらには赤帝龍との戦いや、辺境伯を誅殺してベルシュ村の敵討ちを終わらせたことを、マーヤたちには聖王国に行くこと、ベルシュ村再建のお願い、いつか顔を見せに行くから、そちらからは干渉しないで欲しいことなどを書き記した。

 フロンテーラ商会本店宛なら、商人ギルドから手紙を出せば国は違えど確実に届く。フロンテーラ商会本店に手紙が届けば、フルネの兄である店主のレルドがいいように取りはからってくれるだろう。レルドなら大公家とのコネもある筈だ。

 自分がハルンメルに滞在していたことが王家にもばれてしまうが、どのみち隠し通す気もないし、そんなこともできない。

 イシュルはハルンメルから出発すると、次期国王の継承争いが激化しているであろう、聖都エストフォルを避けて山間の聖地クレンベルに直行したのだった。

 クレンベルに着いてからはしばらく、富商や豪農の巡礼者らがよく宿泊する中クラスの宿屋に逗留していたが、ハンターギルドに顔を出しはじめてひと月ほどもすると、イシュルの滞在をどう知ったのか、僅かではあるが耳の早い聖都の豪商や貴族、他所で活躍する著名なハンターのパーティや傭兵団の使者がイシュルの許を勧誘に訪れるようになった。

 しかしそのどれもがうさんくささを感じたり、実力のある風の魔法使いと関係のなさそうな者たちばかりで、イシュルは彼らの誘いをみな断った。貴族や豪商の勧誘はひと言でいってしまえば用心棒をやってくれ、というものだったが、彼らに着いていけば聖都で繰り広げられている王位継承争いに巻き込まれるのは必定だったし、著名なハンターのパーティには風の魔法使いはいず、彼らが根城にしている聖王国南部で地龍を狩りまくって大金を得ようという、イシュルにとってはなんの魅力もないものだった。

 傭兵団にいたっては隊商の護衛をしながら中海諸国を巡り、条件のいいところに雇ってもらおう、イシュルがいれば大金をふっかけられる、という、彼らだけに都合のいい話だった。

 その頃、うんざりしはじめたイシュルに宿屋の主人が声をかけてきた。それが山頂の主神殿に住み込みで働いている老婆の家にあき部屋がある、という話だった。老婆は宿屋の主人の遠戚にあたり、神殿長もイシュルに関心を持っていて、イシュルが老婆の家に間借りするのを許可するということだった。

 宿屋の主人が言うには、神殿長をはじめとする神官たち、さらに神官見習いや老婆など神殿の下働きをしている者たちの居住区は主神殿の奥や裏側、聖地へ向かう門の側にあって、通常、神殿に訪れる巡礼者、聖都から来訪した貴族や神官らの立ち入れない場所にあるのだという。

 つまりその老婆の家に間借りすれば、神殿長が許可した者か、あるいは神殿長より上の位にいる者以外にイシュルに勧誘しに訪れる者はいなくなる、ということだった。もちろん、彼が神殿の外に出ている時は関係のない話だが。

 イシュルは宿屋の主人の誘いに乗り、老婆の家に間借りすることになった。主神殿のある山の最頂部の標高は二里(二スカール、約千三百〜四百m)はあると言われている。周囲は山の中腹まで断崖絶壁、幾つかある階段で、何度も折り返して上り下りする以外道はない。イシュルはこの世界ではまさしく天空にある、といっても大げさではない、クレンベルの街の一番高い場所に住むことになった。


 クレンベルのハンターギルドは主神殿のある山に、その東側から南側へ囲むようにして面している山稜の中腹にある。表側は三階建ての木造洋漆喰、裏手は岩山の斜面をくりぬいて、一部が石造りになっているようだ。へばりつくようにして立てられた街の建物の中でも目立つ建物のひとつだった。

 イシュルは階段や坂ばかりの街をある時はそのまま歩いて、ある時は無視して飛び降り跳躍して、ギルドに向かった。ギルドも坂道を途中から階段を登った先にあった。クレンベルのギルドも建物の前はそれほど広くないが広場になっていて、数人のハンターたちが立ち話をしていた。

 イシュルが建物の扉の方へ歩いていくと、話していた彼らがちらっと視線を向けてきた。イシュルは気にも止めず、頑丈な鉄枠のついた木製の扉を開けた。

 中に入ると向かって右側に年季の入ったカウンター、左側はスペースがあって、数脚のイスや丸テーブルが並べられている。テーブルに向かいあって話し込んでいたギルドの職員と、依頼主なのか街の住民がイシュルに顔を向けてきた。依頼主らしい男が一瞬ぎょっとした顔になる。

 イシュルはそれも無視してカウンターの方へ歩いていく。奥の方で立ち話をしていた数人のハンターたちもおしゃべりを止めてイシュルを見つめてくる。

 イシュルの足許で、ところどころ黒ずんだ濃い赤茶の床板がきぃ、っと鳴った。

 時刻は午前の中ほど、朝のハンターらの多い時間帯が過ぎた後だ。ギルド内にはそれほど人はいなかったが、みながイシュルに目を向けてきた。これも毎度毎度のことで、イシュルもいいかげん慣れた。

 黒い細身のコートにズボン、それほど大きくはない片手剣を腰に吊り下げた少年、見た目もかなり目立つが、イシュルがクレンベルのハンターギルドに顔を出すようになってひと月ほど経つと、彼が伝説の風の魔法具を持ち、赤帝龍を追い払った当の本人だと街の者らにも知れ渡り、当時はみなイシュルの姿を見ただけで目を見開き、背中を反らせて驚愕していた。それも数ヶ月経って、やっとちらちらと見られるくらいですむようになったのである。

 最初にハンターギルドに行った時は、登録する前もその後も、彼をからかってきたがらの悪い賞金稼ぎたちがいたが、みなイシュルにかるくいなされ、彼が最初に獲物の証明部位を提出すると、もうイシュルにからんでくる者は誰も、一切いなくなった。

 常時討伐の対象になっていて賞金もでかい悪魔の、それも複数の証明部位をさも当然のことくギルドの事務員に提出したイシュルの話は、多少の誇張も加わって賞金稼ぎだけでなく、街の者たちの間にまでまたたく間に広がっていった。

 それはイシュルがイヴェダの剣を持ち、赤帝龍を追い払った者だとの噂を呼ぶ呼び水にもなった。

 彼の正体が街の者やハンターたちに知られるようになると、みなイシュルを恐れて近寄らなくなり、イシュルはやはり名を偽り、それらしく商隊の護衛や小悪鬼(コボルト)あたりを狩っていた方が良かったかと後悔したが、クレンベルのハンターギルドでも魔法使いの数はそれほど多くなく、実力のある魔法使いとなるとなおさらで、イシュルが彼らから忌避されても、イシュルの目的にあまり影響はなさそうだった。

 クレンベルの滞在も長くなって、街の者も緊張を解くようになったころ、イシュルは同じギルドに籍を置き、実力があると評判の唯一の風系統の魔法使いの男に思い切って話しかけ、たまにギルドや街中で見かければかるく立ち話をするような仲になった。

 だがその男はもう歳も五十近く、彼が話すには師匠はだいぶ前に死没し、生前はその師匠とあまり良い関係ではなく、跡を継いだ者とも縁が切れている、ということだった。イシュルはその男に弟子入りすることも考えたが、彼は自身のパーティでは古参の副リーダー格で、山奥へ入れば多くの魔獣が出没するクレンベルで金をしっかり稼ぎ、ゆくゆくは若い頃仕えていた中海の某国に帰って余生を送りたい、という目標を持っていて、イシュルの希望に答えてはくれなさそうだった。

 イシュルは彼に対してさらに、ただ金を稼ぎたいというのなら高額の金を出して、いわば専属の魔法教師として雇うことも検討したが、その男と彼の所属するパーティメンバーとの関係もあるし、無理矢理引っこ抜いて彼らの間で無用な軋轢を生むのもよろしくないと考え、結局、クレンベルのギルドでただひとり、そこそこの実力を持つとされる風の魔法使いであるその男のことをあきらめることにした。

 他にそこそこの実力があると思われる、風の系統以外の魔法使いにも声をかけてみたが、彼らにも弟子をとるような風の魔法使いの知り合いはいなかった。

 ただ、もちろんこれで万事休すというわけではない。今年一回目の、聖堂教会が石英鉱山から水晶の原石を聖都に輸送する、その期日が迫って来ている。その日は来月、春の一月(四月)上旬の吉日とされている。

 もうそろそろ各地から腕利きのハンター達が集まってくる頃合いなのだ。

 それにだ。夏になれば多くの貴族が巡礼をかねてクレンベルに避暑にやってくる。中級以上の貴族なら、それなりの実力を持つ魔導師が仕え、当主や家族の護衛に同道する場合も多い。

 まだまだ、むしろチャンスはこれからなのだ。

 イシュルはギルドのカウンターの前に立つと、無言でカウンターの奥の事務スペースにいるギルドの職員たちに目をやった。


 イシュルに一番近い位置にいた若い女性の職員が、彼の前にやってくる。

 年齢はイシュルと同じくらい、肩にかかるくらいの長さの明るい髪の先が内側に巻かれている。

 眸の色は濃く、目は少しつり上がっていて、気が強そうだ。以前に何度か彼女と話したことがある。

 名前は確かシグネ。彼女は正規の職員ではなく近所からお手伝いできている娘だ。

 読み書きができないとだめだから、地元の富商の家の者かギルド長の縁者か、そんなところだろう。

 この時間帯はギルドも空いているので、見習いやお手伝いできている者が多く、正規の職員は少ない。

「こんにちは。イシュルさん」

 シグネはイシュルのこと、魔法や赤帝龍のことなどに関心がないのか、その性格故か、イシュルに物怖じしたりしない。

「久しぶりだね。シグネ」

 イシュルが愛想良く挨拶を返しても彼女は特に反応を見せず、イシュルら登録されたハンターに関する物か、今週の帳簿か、紙を厚く束ねた冊子をカウンターの裏側から取り出してぺらぺらとめくり出した。

 視線を下に落としたまま、イシュルに言ってくる。

「いつもの討伐対象の魔獣退治ですか? それなら証明部位を見せてください」

 イシュルは少しさみしそうな笑みを浮かべると、左手に持っていた布袋から、悪魔の尻尾を取り出した。

 そろそろ丸一日近く経過し、尻尾は硬くなっている。途中から切り取られた悪魔の尻尾は全部で十本。

 この時ばかりはシグネの眸が大きく見開かれる。他の職員も、端の方にいたハンターたちもいつの間にか近寄ってきて、カウンターの上に並べられた悪魔の尻尾を、驚愕に目を見開いて見ている。

「悪魔の尻尾が全部で十本ですね。聖金貨二十枚になります」

 シグネは一度後ろを振り向いて年長の職員に確認をとると、再びイシュルに顔を向け言ってきた。

「ああ」

 イシュルが頷くと、シグネは一度年長の職員と部屋の左奥の一室に消えて、銀製の盆に金貨を二十枚積んで戻ってくる。

 近くにいたハンターたちからは小さく「おお」と、ため息の入り混じった感嘆の声が聞こえてくる。

 人間にとっては悪魔はここら辺では龍種につぐ強敵だ。ギルド、つまり聖王家や聖堂教会、領主や地域によっては豪商、豪農らが共同で出す報賞金の額もでかい。

 悪魔は一匹当たり聖金貨二枚、火龍なら十枚が相場になる。

「イシュルさんに聞きたいことがあるんですけど」

 金貨の載ったお盆をイシュルに差し出しながら、めずらしいことにシグネから質問してきた。

「イシュルさんは凄く強いと聞いてます。なのに、なぜ悪魔の巣丸ごと退治しないんですか? 帳簿を見ると前回も悪魔の尻尾で八本、前々回も同じで十本となっています」

 彼女はお手伝いで正規の職員でないからか、知識が少ないからか、悪魔の巣を丸ごと退治、などと大胆なことを言ってきた。悪魔の巣はたいてい厳しい地形にある。完全に潰すとなると、複数の魔法使いと数百名規模の軍隊が必要になる。並のパーテイでは悪魔一匹を狩るのも、例えば林間におびき寄せ、偽装した網を落として行動の自由を奪って仕留めるなど、いろいろな好条件に恵まれないとかなり難しい。

 シグネの質問に、周りに少し緊張をはらんだ微妙な空気が漂った。

 イシュルは彼女自身よりも周りにいる者たちを意識して、にっこり微笑んで答えた。

「やつらを丸ごと処分するのは簡単だけど、それじゃ、証明部位を手に入れづらくなって金がもらえない。それに」

 イシュルは柔和な笑顔のまま、教師が生徒に教えるような口調で言った。

「悪魔たちがその地域にいなくなったら、かわりにもっと山奥にいる別の魔獣が出てくるかもしれない。悪魔たちより少し北に住む、火龍の群れが進出して縄張りをつくるかもしれない」

 イシュルはシグネの眸を見る目に少し力を込めて言った。

「動物でも魔獣でも、みな互いに微妙な均衡を保って生きているんだ。それらを崩すと、俺たち人間にとってより不都合なことが起こる時もある」

 イシュルの言ったことは経験のあるハンターやギルド職員、村の猟師らなら、誰でもそれとなくわかっていることだ。

 イシュルの言い方が少し難しかったのか、不承不承に頷いたシグネから目を逸らすと、イシュルは金貨を悪魔の尻尾を入れていた袋にカウンターからそのまま流し入れた。

 本当の悪魔はあいつらじゃない。あんな“もどき”じゃない。それはむしろ人間、いや俺自身だな。

 シグネに言ったことは本当のことだ。だが俺は嘘つきだ。

 自然の生態系のことなんかこれっぽっちも考えていない。金は二の次、自分の戦闘術を上げるためだけに殺し、あえて皆殺しにしないだけなんだから。


「ひさしぶり、イシュル。今回の修練も悪魔狩りかな?」 

 イシュルがギルドを出ると、外に顔見知りの女と彼女の所属するパーティのメンバーがいた。

 イシュルはつまらなそうに、その女に微かな軽蔑の混じった目を向けた。

 ここにも“嘘つき”がいる。

 その女はあの時と変わらずありふれたハンターの格好をし、特徴的な黒いガントレットを左腕に装着していた。黒い長い髪を後ろに縛り、ポニーテールにしている。

 彼女は、イシュルがクシムでリフィアを救出してゾーラ村へ向かう途中、尾行してきた女だった。

 

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