バレンタイン
少しだけ、過激な表現があるかもしれません。
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あの日から時は立ち、年を跨いで早二か月。
今日はみんななんだか、そわそわして、学校全体が浮足立っているみたいだけど、なんかあるのかな?
「そんな呑気な事言えるの、可愛い彼女持ちの奴だけだぞ。特にお前とかな」
「それは夏樹もだろ?で結局なんなんだよ」
「バレンタインだよ。バレンタイン。麗華先輩から何も貰ってないのか?」
「あぁーそっか。バレンタインか」
ここ最近やっと僕の周りが落ち着いてきたから、そのことすら忘れていた。左手の怪我もまだうっすら残っている。
幸い右手じゃなくて、ペンを持てないなんてことにならなくて良かった。
まぁ、そんな事より麗華僕にチョコくれるのかな?ハート型のとか麗華なら作りそうだな。
そんな事を思いつつ、イマイチ気が乗らないまま授業を受け昼休み。いつもの屋上で麗華とご飯を食べる。
「はい、あーん。ゆう君」
「あのさ、麗華。もう大丈夫だよ。それに前から言っているけど右手使えるから」
「だぁーめ♪ゆう君の大丈夫は信じません。もうゆう君は何もしなくていいから私が何でもしてあげる」
「僕が人としてダメになるよ.......」
「ゆう君にダメなところなんてどこにもないよ。はい、あーん」
病院から退院して、そこから麗華のお世話?いや介護が始まった。……まぁ、またそれは別の話。
「あっ、ダメだよゆう君。手、使ったら、めっ」
「前から言ってるけど、飲み物は普通に飲ませて」
「だーめだよ。じゃあ、あの方法やる?」
「.......遠慮します」
「ふふっ。それは、家に帰ったらだね?」
麗華が妖しく微笑む。あの方法は、学校でやらない方がいい。周りに見られるし、何よりお互いが我慢できない。口移しなんて.......。麗華が妙に舌を絡ませてくるし。
それからも麗華に介護されつつ昼食を食べ終える。
「じゃあ、ゆう君」
ぽんぽんと膝を叩く麗華。
「お願いします」
「はぁーい」
麗華は膝枕をするのが好きになった。膝枕って実際どうなんだろうってことになって、試しにやってみたところ、僕の顔がじっくり見れて、頭も撫でやすいから好きなんだとか。
ゆっくりした時間を過ごしたけれど、何度か、言ってみようかと思ったけど、なんだかねだっているみたいで恥ずかしくて言えず、結局麗華がチョコを渡してくれることは昼休みの間なかった。
午後もなんだか身が入らないまま授業を受け、麗華と一緒に帰り、夕食を食べ終え僕の部屋でゆっくりしているとき。
「ゆう君」
「な、なに?」
麗華がこっちに近づいてくる。も、もしかして、ちょ、チョコかな。
「ねぇ、キスしよ?」
「え?」
キス?いいけど.......。麗華が一瞬だけ後ろを向く。そして、一気に僕との距離を無くして、キスをする。
「んっ。ん、.......っちゅ。…ぷは」
「んっ。どう?おいしい?」
「.......うん」
甘くて、ほろ苦い味がする。これは、チョコだ。蕩けたように微笑む麗華。口の周りにチョコをが付いてなんだかそれが、今は妙にエロく見えてしまう。
「ゆう君。昼休みの時、チョコくれないの?みたいな顔してて、可愛くて可愛くてしょうがなかったよぉ。その分、いっぱいしてあげるから」
「喜んで」
「ふふっ」
そう言って、僕を押し倒し、ベットが軋んだ。
次の日の朝、いつも通り登校していると、麗華が
「ゆ、ゆう君。ごめん。一日遅れちゃったけど」
「え?」
きれいに包装紙でラッピングされた箱を渡される。
「元から、別に用意してたの。...........あれは、昼休みのゆう君が可愛すぎてバレンタインを口実に私がその...........したかっただけなの」
「あぁ...........もうっ!!」
麗華の顔を強引にこっちに向かせて、激しくキスをする。
「好きだよ、麗華」
僕はそう言って、先に行く。少しだけ、ぼぉーとして突っ立っていた麗華は後ろからてとてとと可愛くついてきて、僕の袖を引っ張り、頬を赤くして、少しだけ潤んだ瞳で僕を見つめ……
「ホワイトデーはさっきのよりも激しくしてね」
あぁ...........もうっ!!
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