第81話 麗華side
「でーと、でーとかぁ。どうしよう。あぁ、どうしようかな♪」
ゆう君の家からの帰り道。
ゆう君と付き合い始めてから、私の日常はさらに楽しくなった。と言うか、ゆう君がかっこよくて、可愛くて、優しくて、私に甘えてきてくれて、甘えさせてくれて、もう、ゆう君最高すぎるよぉ
「そんなに楽しみ?」
「うん♪」
隣から、ゆう君が首を傾げながら聞いてくる。
「だって、初めてのデートだよ?それにその日は.....クリスマスだしね」
「え?あ、そっか」
「もぅ、ゆう君!!クリスマスくらいは彼女がいるんだから覚えておいてください!」
「ごめん、今までこんな可愛い彼女がいたことなかったから」
「っ......。ゆう君好きぃ」
「僕もだよ」
「うん、えへへ」
ゆう君が素直に好きって言ってくれることが私にとっての活力だ。もうそれなしじゃ生きていけないくらいに。
「何着て行こうかなぁ」
「何着ても似合うと思うけどなぁ」
「もぅ、ゆう君は私をこんなところでどうしたいのぉ。私を褒めないでぇ」
そんな私をみてゆう君がくすっと笑う。
「もぅ、ゆう君が素直に私を褒めることが私にどれだけ効くか分かってないよ。だから、学校でも私は我慢できなくなるの!だから全部ゆうくんが悪いと私は思うの」
「そっかぁ、僕のせいかぁ。じゃあ、もう麗華のこと褒めることができなくなっちゃうなぁ」
「......うぅぅぅ」
「あー、わかったごめん。だから泣かないで」
「じゃあ、学校でもちゃんと褒めてくれる?」
「うん」
「学校でもイチャイチャしてくれる?キスしてくれる?」
「う......いや、だめだよ」
「うぅぅぅぅ」
ゆう君ともっと学校でもいちゃつきたいよぉ。そんな私を見て、ゆう君が苦笑して、耳元でこんなことをいてくる。
「じゃあ、今しよっか」
「え?」
そう言って私にキスをする。そして、なんでもないように前を向いてしまう。はぁ......もぅ、むりぃ。
「ゆう君!」
「なに?。……ん!?.....っちゅ」
「ん......ぷはっ」
「もぅ、麗華?ここ外だよ?」
「いいの!もう私しかみちゃだめ!」
「ん......!麗華、ストップ、ストーップ」
「なんで?」
ゆう君はなにを言ってるの?ストップなんてできないよ。私の事をこんな風にしちゃったのはゆう君なのに。
「みんなに見られちゃうでしょ?」
「私は気にしないもん」
「……そんな我儘言う子にはお仕置きが必要かな?」
「っ.....。うん。必要かも.....」
お仕置き.....。私の頬が熱を帯びていくのが分かる。そっと、目を閉じる。
「……お仕置きはデートの時ね。それまでお預け」
「.............もぅ、もぅ!ゆう君のいじわるぅ」
そんなこんなで私の家の近くまで来た。最後に長くキスをして、別れる。
キスした唇をそっとなぞる。
「デートいっぱい楽しもうね。ゆう君」
ゆう君の後ろ姿にそう言うと、振り返って手を振ってくれる。
私はそれに精一杯手を振り返した。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
.............................。
「デート............ね」
その呟きは二人には聞こえなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます