第78話


「ゆう君。ねぇ、ゆう君。起きて」

「んっ……」


うっすらと目を開けると、麗華の顔がほんの数センチほど先にある。麗華が嬉しそうにほほ笑む


「おは…んっ。んーー!!」

「んっ。ちゅ、んっ……ぷはっ」

「ん……もう、麗華。朝から積極的すぎるよ」

「……もう一回。もう一回だけ」


そう可愛くおねだりする麗華だけど、そういって、昨日も一回だけじゃ終わらなかった。


「学校、遅れちゃうから帰ってきたらね」

「待てないよぅー」


僕も我慢しないと、かなりまずいんだよなぁ。麗華を無意識に求めてしまう。昨日から麗華がリミットが外れたみたいにもうデレデレだ。まぁ……僕もなんですけど。


「じゃあ、ベットから私を出して~」

「こっちに来てくれたら…」

「ゆう君!!」


ベットから勢いよく飛び出して、抱きしめてくる。そして麗華が首に手を回して、......またキスしそうになるけれど......


「だめ。抱き着いていいよ。学校から帰ってきたら......ね?」

「むぅー。むぅーー!」


不満顔でこっちを見て来るけれど、昨日、はっきり分かった。僕がしっかりしないと僕たち二人は.....多分四六時中いちゃついてしまう確信があった。


それにしても.....不満顔でも可愛い。すごく可愛い。


「ね?……キスしよ?」


あぁ、……もういいかな。麗華がすごく可愛い。で、.....も


「だ、......め」

「むぅぅぅぅー!!昨日はこれでしてくれたのに」


ボソッと麗華がそんな事を言う。あぁもう。この人は!!そんなところも可愛い!


「一回だけ、一回だけだよ?麗華」

「うん。でも......それだけ長くしてね?」




「はぁ、はぁ、ふぅー。間に合ったぁ」

「ギリギリだね、ゆう君」

「なんでそんなに嬉しそうなの?」

「ゆう君と一緒だから♪」


結局、お互い我慢できず長引いてしまい、遅刻ギリギリで学校に到着する。


「じゃあ、また、昼休みね?」

「......ふふっ」

「じゃあ、また」


麗華先輩と別れる。


はぁ...........昼休みが待ち遠しい。



「次の授業なんだっけ?」

「次は......確か数Ⅱだな」


一時間目が、終わる。妙に長かった。こんな長い授業は。この休み時間の十分だけでも会いたい。でも実際会える時間は三分もないだろうし。


はぁ、麗華に会いたい。会いたいなぁ


「お前、ずっとぼぉーっとしてるな。まぁ、しょうがないか」

「しょうがないじゃないか。だって麗華が可愛いのが悪い」

「もぅ.....ゆう君大好き!」

「えっ、んっ......」

「ん......ぷはっ」

「....な、なんで麗華がここにいるの?」

「昼休みだけなんて、私は嫌だよぅ」

「あぁ、もう可愛いなぁ」

「ふふっ。ん、もっと撫でて」


僕に跨った麗華の髪を撫でる。


「おい、バカップルの片割れの裕也。周りと、時間を見てみろ」


夏樹の辛辣な物言いで、我に返り周りを見渡すと、男子からは恨みがましい視線が注がれ、女子からは、熱い視線と、きゃーと言う声


「ね、ねえ、大峰君。流石に教室でそういう事は、ひ、控えて欲しいな?」

「は、はい。すみません」

「もぅ、ゆう君。こっち向いて。んー」


そう言って、唇のこっちに向け、目を閉じ、キスを待つ麗華。麗華は全然気にしていないというか、もう、何もかも眼中にない。そんな感じだ。


「麗華、もう時間だよ?教室に戻ろ?」

「んー。キスしてくれないと、授業受けない」

「あー、もうしょうがないなぁ」

「やった♪」


周りの視線を気にしながら、そっとキスをする。麗華はまだ、少し物足りなさそうな顔をしていたけど、渋々帰って行った。


「裕也....」

「大峰君......」

「「少しは自重して」」

「すいません...........」


やっぱり僕がしっかりしないといけないみたいだ。



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「犬みたいな先輩と僕」「義理の姉妹がデレテから、デレルまで」もよろしくお願いします。



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