第70話
「失礼しました」
僕は生徒指導室から出て、保健室に向かう。
僕が行った時にはすでに中に一華がいた。
ミスコン中だったのか、衣装のままだった。相当恥ずかしいかっただろうな。あいつにとっては。先生に無理やり生徒指導室に連れていかれるなんて。
罪が軽くなると思ったのか、藤岡というクソ野郎は、早々に一華を売った。
言い逃れをしようとしているが、僕がスマホで録音していた音声や夕夏先輩、夏樹の協力、純粋な麗華先輩の人望もあり、麗華先輩や僕は無実とされた。
録音は出来ればしたくなかったなぁ。真っ向からクソ女を負かした先輩になんだか申し訳なくなる。卑怯な気がして。
二人の処分がどうなるかは知らないけれど、退学か、停学だと思う。それは僕にはわからない。
「これで、やっと終わった」
僕は、麗華先輩のもとに走って行った。
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がたっと音がする。
ん、んぅ、んー。
意識がはっきりしない。なにか、誰かが私の顔に覆いかぶさるようになり、影が一瞬だけすごく近いところまで来て、唇に柔らかいものが当たる。そして、一気に離れる。
少し声が聞こえたような気がしたけど、小さすぎて分からない。
だんだんと意識が目覚めていく。
目をうっすら開けると、裕也君がドアを閉めるところだった。
.....................................。
.....................................................。.....................................................え?ん?
んんーーーーーーーーーーーーーー?
私はそっと、唇を指でなぞる。さっきここに柔らかいものが当たったような気がする............。
この部屋にいたのは、裕也君と私だけ。
……もしかして。いやいや、まさか。え?でも。
私の妄想が爆発して幻覚が見えたのかもしれない。
あんな恐いことがあった後だから。
でも、本当に私の唇に裕也君の唇が重なっていたとしたら?
.............................................っ。
悶々として、ベッドの中をゴロゴロしてしまう。
きす、キス、キス。キス!
頬が蒸気して、もう頭の中がそれしか考えられなくなる。裕也君一色だ染め上げられなにも考えられなくなる。
エッチな妄想をしてしまう。裕也君と一線を今すぐ超えたいと思ってしまうほど私は興奮していた。
でも、急にそれが都合のいい夢なんじゃないかと訴える私が出てきて、頭が一気に冷える。
そして、都合のいい夢なんかじゃない、現実だよっという私がでてきて、また妄想してしまう。
そこからはその繰り返しだった。
そんな時、ふいにドアが開き悪いことをしたわけではないけれど、すぐに寝たふりをしてしまう。
足音が近づいてきて、ベッドの隣に置いてある椅子に座る。
そして、私の頭をゆっくり撫でてくれる。見なくても分かる。裕也君だ。
「.............先輩。起きていますよね?」
「.............そんなことないよ」
「やっぱり起きているじゃないですか」
私は白状したように目をぱっちり開け、裕也君と目が合...........わず無意識に唇に目が吸い寄せられる。
裕也君は、外を向いていてこっちがどこを見ているのか分かっていない。
少しだけ、頬が赤くなっている。
.............もしかして、まだ何かされたのだろうか。私に嫌な汗が流れる。
「大丈夫だった?何かされたの?」
「いえ、大丈夫です」
そう言って、裕也君はそっぽを向いてしまった。
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皆さんこんにちは?それともおはようございます?こんばんは?kanikuiです。
25万pv本当にありがとうございます。これも皆様のおかげです。くどいかもしれませんが本当にありがとうございます。
それと、箸休め程度に番外編を書きましたので今日投稿します。最近、シリアス展開が多く、心の負担が.............って言うのは半分。(前半あんまりストーリー進めなかったくせにっていうコメントは受付ますん)。あと最近投稿ペースが遅くなっているのでその分という事で。
もうちょっと、まだ「先輩に振られたから」は続きますので気長に待っていてくれると嬉しいです。
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