第47話


夏休みが終わり、課題考査も無事に終えて(ちなみに今回は僕が勝ったけど勝負していなかったので特に何もない)、数日が経ったある日のロングホームルームの事。


課題考査が終わったと思ったら、次は球技大会があるらしく今はだれが何をやるかの話し合いで盛り上がっている。


「そんな、僕関係ないみたいな雰囲気出していても、裕也もやるんだからな」

「分かってるよ」


僕は運動は好きなんだけど、どうしても体育とかがあまり好きじゃない。体育の授業などでは、友達とかそこら辺と仲良くペア組んだりして僕が余っちゃったことがあったりして少し悲しい気分になるからだ。


でも、しっかり実技のテストはやっているので評価とかは高いのはちょっとした自慢でもある。


「夏樹は何にするの?」

「うーん、俺はー......あ、そうだ裕也。一緒にペア組んでバドミントンしないか」

「いいけど。夏樹はそれでいいのか?」


僕なんかで夏樹はいいんだろうか、と思い一応聞いてみる。


「え?何が?別にいいけど」


夏樹は特に気にした様子もなく、「ぜってえ勝つ」って張り切っているからそれでいいか。


「それにしてもバドミントンって球技なのか?」

「うーん。バドミントンって漢字で書くと羽球うきゅうって読むくらいだし球技なんじゃない?」

「ふーん」


あんまり興味なさそう。最初から聞かないで欲しかった。


まぁ、そんなこんなで各々の種目が決まり、僕はバドミントンをすることになり夏樹は運動神経がいいのでバドミントンとバレーに抜擢された。





「で、麗華先輩はどの種目に出るんですか?」

「私もバドミントンだよ?シングルスだけど」


時間が経って、その日の放課後。


一緒に僕の家に帰って、あらかた用事を済ませて一息ついているところだ。


そういえば、いつの間にか麗華先輩が放課後僕の家にいることが普通というか日常になってたな。


まんまと麗華先輩に嵌められているような気がして、でもそれが嫌じゃないことに気付いて、少し笑ってしまう。


「あ、今絶対似合わないって思って笑ったでしょ」


先輩がむぅーっと不満げにこっちをジト目で見てくる。


「違いますけど、頑張ってください!応援しますので」

「うん!分かった。頑張る!」


先輩はさっきのことは忘れたように気合を入れている。


「でも、裕也君。絶対に優勝して笑ったこと見返してあげる。後ご褒美も」


そこはしっかりくっ付いてくるんですね。じゃあ…


「じゃあ、僕が優勝してもご褒美ください」

「いいよ。約束」

「はい」


先輩は、いつもと違った勝気な笑顔を見せる。


僕も負けられないな。









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