第34話

「姉さーん、そろそろ起きなー。2時になっちゃうよ」

「んー、ん。おはよ、ゆう」

「昼ご飯作っておいたから、顔洗ってきてね」

「うん」


麗華先輩とプールに行って数日たった。昨日麗華先輩は昨日来たから今日は来ないと思う。


「ゆうー、朝ごはんなにー」

「スパゲッティだよ」

「やったー」

「姉さん好きだよね」

「うん、ゆうが作る料理の中で一番好き」

「そっか」

「うん」


姉さんが僕の隣に座り、おいしそうに食べてくれている。


なんか分からないけど、いい気持になる。母さんもこんな気持ちなのかな?


あ、そういえば、家に帰らないとな。


「姉さん、今週の週末家に帰ろっか」

「え?明日にはいくよ?前言った」

「え!?いつ?」

「麗華とプール行った日。あと......」


え?マジか。僕疲れてあんまり話聞いてなかったのかもしれない。


「あと?」

「麗華も一緒に行く」

「麗華先輩も一緒に行く!?」

「うん。ほら」


そういって姉さんはスマホの連絡アプリを見せてくる。


『私たち、今週の金曜日家に帰るんだけど、一緒に行く?』

『え!?いいんですか』

『うん。麗華にはお世話になっているし、ゆうのもう彼女みたいなものでしょ?』

『そんなぁ。えへへ』


「ってことだよ」

「えー」


あと何で麗華先輩否定しないんですか。


やだなー。家に帰るのはいいんだけど、麗華先輩を連れて行くのはなぁー。


母さんたちが、かなりめんどくさいことをしそうな気がする。


僕の両親は、僕と姉さんをすごく愛でる。

過保護とかではないんだけど、なんていうんだろうか。うーん


例えば、僕たちを着せ替え人形にしたり、髪をいろんな髪型にしたり、いろんなところに連れて行ったりと、いろいろある。


そんな両親のもとに麗華先輩を連れて行ったら…。


最後の望みで聞いてみる。


「ちなみに母さんたちはなんて言ってるの?」

「うーん、ほら」


『前から言っていた麗華を連れて行ってもいい?』

『もちろん!連れてきなさい』

『わかったよー』


「だってー」

「マジかー」

「そんなに私が行く事が嫌ですか......?」

「いやではないんですけど、麗華先輩が母さんたちにもみくしゃにされるのは気の毒なきがして......って麗華先輩!?」

「こんにちは、裕也君♪」


そういって麗華先輩が腕に抱き着いてくる。


「待ちきれなくて来ちゃいました」

「まだ、明日までかなりありますよ?」

「今日は裕也君の家に泊めてもらってもいいですか...?」

「いいですけど......」

「やった!」


はぁ、今週は確実に疲れる一週間になりそうだな。でも......楽しい一週間にもなりそうだな。


嬉しそうにしている麗華先輩を見てそう思った。

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