第28話

ん、んぁ。


んーー。


......今何時だろ。


んー。まだ七時かぁ。


じゃあ、まだ寝られるぅ。


僕は布団に潜り隣にいる麗華先輩の顔を見ながら重い瞼をそっと閉じようとして......。


隣にいる麗華先輩の顔を見ながら!?


「ちょ、麗華先輩!」

「んー......。ゆうやぁくん」


そうして麗華先輩はそういって僕の手を引いて僕を抱きしめる。

完全に寝ぼけている

そのまま僕を抱きしめながらまた眠ってしまった。



「ちょ、麗華先輩」


少し頬をツンツンしてみるけど気持ちよさそうな、どこか安心したような顔で寝ている。


これどうしよう。すっかりまた寝ちゃっているし、寝させておいてあげようかな。

でも今抱きしめられてるし、僕も寝てしまおうかな。


ってそれはダメ......なのかな?


普通に寝たいし…。寝るだけなら何ともないんじゃないか。


でも、麗華先輩が起きて警察にでも連絡されたら完全に僕の責任だし......。


.....今思ったけど麗華先輩いい匂いするなぁ。

陽だまりに包まれているみたいだ。それか干したてのお布団のようなあったかい感じ.....。

とっても心が落ち着くし安心する。


前もこんな風に抱きしめてもらったなぁ。


確か先輩に僕のことを打ち明けた日だっけ.....。


あぁ。段々眠たくなってきたぁ.....。


..........。


…。



--------------------------------


ん、んぁ。


裕也君の顔見ていたら添い寝したくなって、裕也君の気持ちよさそうな、どこかあどけないような顔を見てたら眠くなってきちゃって寝ちゃったみたいです。


それに、裕也君のベッドに寝たらまるで裕也君に抱きしめられているような感じがして..........。


裕也君は......私の腕の中で眠っています。


裕也君は......なぜか私が抱きしめててそのまま眠っています。


うーん。ん?


あ、そういえば曖昧ですが若干裕也君が驚いたような顔で私を揺さぶっていたような記憶があります。


あれ夢じゃなかったんですね。


てっきり、裕也君が私の家に来て私を起こしてくるれる夢を見ていたのかと寝ぼけていた私は思ったんでしょう。



でもナイスです。寝ぼけた私。


裕也君を抱きしめることができましたから。


裕也君は安心したような顔で寝ています。


はぁー。膝枕もしてあげたいし、いろいろしてあげたい。


最近裕也君は私に段々優しくなってきて、前ふと裕也君の顔を見たらすっごく甘いような優しい目で私を見てきて、すっごくキュンキュンというかドキってしちゃいました。


たくさんサプライズしてくれるし。

この前デートしてくれた時もプレゼントをくれましたし。


何気ない気遣いもしてくれてこの前なんか、段差でつまずいた私をそっと助けてくれて......。


裕也君の事をいろいろ挙げると枚挙にいとまがありません。


もぅ。裕也君。ダメです。ダメなんです。


そういうさっとかっこいい事しちゃダメなんです!


多分私の理性が持たなくなるから。


…私は裕也君からキスしてもらいたいし......。


こんなあどけないような顔で寝て、その唇奪っちゃいますよ。


私は裕也君の唇をなぞり頬に手をおく。すべすべだなぁ。ニキビとかできないのかな?女の子みたい。


でも手を握るとやっぱり男の子って感じるし。顔かっこいいし内面も素敵だし。


あぁ、もっと裕也君を知りたい。裕也君に好きになってもらいたい。裕也君をもっと好きになりたい。


「好きです。裕也君」

「ん......。」

「っ......。」


びっくりしました。寝てますよね......?

少し、私の中でもぞもぞした後また眠っちゃいました。


なんだか、また眠くなってきました。



はぁー。裕也君の匂い。おちつ......くぅ


......



--------------------------------



「ゆー......れい......」


ん、んー。


「ゆうー。麗華ー」


んんぁ。


「おはよゆう」

「ん、おはよう、今何時?」

「一時」

「え?ほんと?」


えっと、確か一回起きて、それで麗華先輩が......。


「あ、ち、違うんだ姉さん」

「ん?何が?」

「僕は何もしてない」

「ん?あー。分かってるよ。ゆうが麗華の許可なくそんな事しないって」

「ありがと。今ご飯作るから待ってね」

「うん」


僕は僕の手をいつの間にか握っている麗華先輩を起こす。


「麗華先輩、麗華先輩」

「ん、んー」

「麗華先輩」


結構強めに揺さぶり起こす。


「ん、......。おはよう裕也君」

「もう、お昼ですけどね」

「え!?もう」



僕たちは遅めの朝食を食べてやっと一日が始まった。














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