第24話

「明日から夏休みに入るわけだが......」


明日から夏休みに入るのかぁ。


去年みたいに図書館に籠って勉強しなきゃいけないわけじゃないし。


夏樹とどっか行こうかな。それとも姉さんと映画でも見に行こうかな。


それとも......。


「夏休みだからと言って羽目を外さないように」


充実した、夏休みを送れるといいな。




「裕也くーん」


いつもどうり先輩が校門で待っていた。


麗華先輩とデートしてから、先輩が教室まで迎えに来て付き合っているんじゃないか説が浮上したりしていろいろ大変だったが,どうにか先輩にせめて校門で待ってくれるようにお願いして渋々承諾を得たので今までどうり校門で先輩が待ってくれている。


.....別に帰ってくれてもいいんですけど。


それより周りの視線が痛いしさっさと行こう。


「分かりましたから、そんなに大きな声を出さないでください」

「ごめんね。裕也君が見えたからつい」

「.....はぁ。行きますよ」

「うん♪」


先輩が手を出して上目遣いで見てくる。


「…今はデートでも何でもないですから繋ぎません。それに僕たちは付き合っている訳じゃないですし」

「大丈夫です、将来は結婚していますから」

「.....そんな未来はありません」

「今何で言い淀んだのかな?」

「言葉が上手く出なかっただけです」

「そっか♪」

「もう知りません」


僕はにこにこしている先輩を置いて先に行く。


「ごめんなさいー。待ってよ。裕也君」

「知りません」

「ごめんなさいー」

「知りませっ…」

「許してくれるまで、抱き着いちゃいます♪」

「.....はぁ、許しますから一旦離れてください」

「…今は許されなくても良くなっちゃたかも」

「じゃあ一生許しません」

「やっぱり許してぇ」


こんな、なんというかしょうもない話をしながら帰り、今日は何故か麗華先輩まで家についてきた。



「麗華先輩、晩御飯食べていきますか?」

「いいの?」

「はい、一人増えるぐらいなんてことないですから」

「じゃあ、よろしくお願いします」

「はい」


そうして、晩御飯をせっせと作り、姉さんも混ざり三人で食べる。


「裕也君、夏休みの予定ってどうなっているんですか」

「特に決まっていません」

「そっかー。じゃあ毎日裕也君の家に来てもいいですか」

「さすがに毎日はダメですけど、少しくらいならいいですよ」

「やった!二日に一回は来ますね♪」


あれ?

僕少しって言ったよね?


「じゃあ、明日も来ますね」

「いいですけど、特に何もありませんよ」

「私は裕也君と一緒にいることができればそれでいいんです」

「はぁ、そうですか」

「はい♪」


夏休みなのに、今年はとっても疲れそうだなぁ。


でも…。









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