第23話

「ゆ...くん」


ん、んー。


「も...ゆ...ん」


ん、んぁー。


なんだろう、この感じ。前にもあったようなこの感じ。


確か…デジャブっていうんだっけ。


…。…。


はっ。


僕は一気に意識を覚醒させ抱き着こうとする麗華先輩から離れる。


「はぁ。麗華先輩、おはようございます」

「裕也君おはよう。…なんでよけるのぉ」

「前にもこんなことがありましたから」


はぁ。今の時間はー、九時。


いつも起きる時間よりかなり遅い時間だ。


昨日麗華先輩とデートして疲れたからだろう。


「それから、布団に顔をうずめないでください」

「いやー。裕也君に包まれてるみたい」

「はぁ、僕はリビングに行きますからぁ」

「逃がしません♪」


麗華先輩はグッと僕の手を引き、ベットに僕を倒す。


「さっきくっ付けなかった分」

「はぁ、なんか麗華先輩妙に積極的ですね」

「昨日、裕也君とデートした疼きが収まらなくて」

「…そうですか。はぁ。でも、あと一分だけですよ」

「やった!」


そうして、麗華先輩は僕の背中に顔をぐりぐり押し付け匂いを嗅いでくる


「先輩?そのぉ、あんまり匂いを嗅がないでくれるとありがたいです」

「なんで?裕也君の匂いがしておちつくよぉ」

「…はぁ。もう一分経ちましたよ」

「あと、一分」

「ダメです」


麗華先輩の拘束を解いて立とうとするが、


「裕也君胸がどくん、どくんなってるよ。ふふっ」

「.....麗華先輩も顔を赤くしてますけど。恥ずかしいんですか?」

「それは、ちょっと違うかな」

「??」

「女の子の秘密♪」

「そうですか。それより僕はリビングに行きますから」

「もぅ。もう少しイチャイチャしたかったのに」

「しません」


......そんなことしたら僕とそのー、先輩がつきあってるみたいじゃないか。


僕と先輩は友達みたいな関係だ。多分......。


麗華先輩がどんな風に思っているのかしらないけど。


「おはよーゆう」

「うん、おはよ」

「じゃあ、私朝ごはん準備してくる」

「あ、僕がやりますよ」

「いいよ、私にやらせて」

「いや、いつも用意してくれるんですからやらせてください」

「うーん。じゃあ、一緒に作ろ?」

「分かりました」


それから手早く麗華先輩と作っていく。麗華先輩も僕も料理をしているため、作業効率がかなり良い。



「なんかー新婚さんみたいだね」

「...は?ちょ、姉さんそんなことないよ」

「鏡花さん、しー」


麗華先輩が鼻に示指を当てて訴えてる。


はぁー。そういう事かぁ。


「もぅ。裕也君がきずいちゃった。でもそれはそれで…」

「はぁ。バカなこと言ってないで早くしましょう」

「はーい」


それからせっせと作り、ご飯を食べ、適当にグダグダしてその日は終わった。



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