第21話

あれから一日たち今日は土曜日。


そう土曜日、麗華先輩とのデートの日だ。


…まぁ自分でデートと言ったため否定はしない。


今の時間は九時十分。約束の時間は十時。


今日は僕がリードしないといけないよなぁ。でも僕一回も女性とデートをしたことがない。


姉さんも女性だが肉親のためノーカンだ。


あーなんだろう。僕から誘ったからか、はたまたデートと意識してるからか分からないけど無性に緊張する。


「ねぇ、姉さんこれ変じゃない?」

「大丈夫だよぉ。さっきからそればっかり」

「だって、さぁ」


自分から提案しておいてかっこが付かないとなると恥ずかしいじゃないか。


「もぅ大丈夫だよー。過去最高にかっこいいいよ」

「うーん」


ほんとに大丈夫かなぁ。


一様髪もしっかり整えた。

っとなんだかんだしていたら、九時半になった。


「じゃ、じゃあ行ってくる」

「はーい。いってらしゃい。がんばってね」

「…別に頑張ることじゃないし」


ふぅ、はぁ。深呼吸深呼吸。


世の中の男子がみんなこんな経験をしていると思うと、少し尊敬の念が湧いてくる。


待ち合わせの駅まであと少し。


あ、あれは麗華先輩。


「麗華先輩。おはようございます」

「…え?あ、おはよう」

「…すいません。僕変ですか?」

「うんうん、いや違うよ!いつもよりしっかり髪とかセットしててよりかっこよくなって見惚れちゃった」

「…っ」


ほんっとこの先輩は。......。


「…麗華先輩も似合っていますね。とてもきれいです」

「ありがと!でもそんな事他の女の子に言っちゃだめだよ。他の人に言ったら嫉妬しちゃう…」

「っ。大丈夫です。僕はそんな事今後麗華先輩にも他の女の人のも言うことはないです」

「デートなんだから少しくらいはデレテくれてもいいのに」

「はぁ…それより行きましょう?」


僕はそっと手を出す。


先輩が少しびっくりした顔をし照れたような顔を浮かべ手を握ってくる。


「はい!裕也君」


それから僕たちは電車に乗り遊園地に来たんだが......。


「予想以上に人が多いですね」

「こんなものなんじゃない?この遊園地人気だし」


僕が遊園地に来るのは小学生以来だがここまで多いとは思わなかった。


「ご来場ありがとうございます。2名様ですね。あの今カップル割をやっているのですがいかがでしょうか?」

「え!?えっと、そのー」

「やります!」

「ちょ、麗華先輩!」

「お熱いですねぇ。では恋人の証明としてキスしてください」


え?なにこれ。本当にするの?


「ちょ、麗華先輩」

「......裕也君」


麗華先輩…。目を閉じて口を少し前に突き出さないで下さい。


これやるしかないのか......?

あーもう。しょうがない。


僕は先輩の顔に口を近づけ


頬っぺたに軽いキスをする。


「これでいいですか?」

「はい結構です」

そしてお金を払い入園するが


「......。私の唇奪ってくれないんですか?」

「......。さぁ先輩行きましょ?」

「…もぅ」


やっとデートが始まった。






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