第18話

ピンポーン。


時刻は約十時。麗華先輩だな。


麗華先輩のことだから九時くらいに来るのかと思った。



「今行きまーす」


そしてドアを開けると…。



「宅配便です」

「.....あ、はい。分かりました」

「ここにサインをお願いします」

「はい」

「ありがとうございましたー」



そして帰っていく宅配便。


うーん?先輩どうしたのかな。忘れてるのかな?用事が入ったのかな?

.....まぁ、いっか。…良いのかな?



うーん。先輩って約束守らない人だっけ?


......。やっぱり先輩のことを信じすぎていたのかな。


はぁ。........。


勉強、勉強。


そして、リビングに戻り勉強を始めようとしたら


「おはよー。ゆうー」

「おはよ。姉さん」


休日の姉さんにしては早い時間の起床だ。てっきりお昼ぐらいに起きるのかと思った。朝ごはん作ってあげよう


「おはよう。裕也君」

「おはようございます。麗華せんぱ......え?は?えーーーーー!?」

「ふふ。びっくりしたでしょ」

「そりゃあもう。っていうかいつの間に?」

「昨日の夜からです。鏡花さんの部屋にお邪魔してました。裕也君のベットに潜り込むのもいいかと思いましたが、びっくりさせたかったから。何より待ちきれませんでした」

「待ちきれないっていう次元じゃないですよね?」

「まぁまぁ」

「.....。姉さんもそんなにホイホイ家に入れないでよ」

「うーん。でも今更じゃない?それに麗華には色々世話になっているし」

「うーん」


確かに麗華先輩には朝ごはんとかいろいろお世話になっているけど、うーん


「そんなに私がいることがいや?」

「別に.....嫌じゃないですよ」


そんな聞かれたら、嫌とは言えないじゃないですか。

.....まあでも、ほんとに嫌ではないんですけどね。


「はぁ、良かった」

「でも来るなら、来るって言ってください」

「分かりました」

「分かってもらえて何よりです」


はぁ。さっきまで悩んでたというか疑っていた僕がバカみたいじゃないか。


「それより先輩朝ごはん食べたんですか?」

「いえ。まだ食べていません」

「はぁ、じゃあ、待っていてください。姉さんも」

「うん」

「私が作りますよ?」

「今日くらい僕にやらせてください」

「うん。分かった」


そして朝ごはんを作る。ここ最近姉さんも手伝ってくれるから、意外と楽しいしうれしい。


でも何でここ最近手伝ってくれるようになったんだろ?朝も手伝っているようだし。

先輩に迷惑かけていなければいいけど。


「はぁ、裕也君のエプロン姿いいねぇ」

「うんうん。そうだよねぇ。思わず抱き着きたくなるよね」


はぁ、何バカなこと言っているんだか。


「って姉さんはほんとにしないでね。危ないから」

「えー」

「前科があるからね」

「えー、いいなぁ。私も後ろからぎゅってしたい、いや待って。私は注意されていないから.....」

「そんな屁理屈聞きません。麗華先輩もしないでください」

「えー」


そんな話をしながらも手早く仕上げていく。


まぁ僕が作れる料理のレパートリーが少ないから手早いんだけどね。




よし!できた。


「わー、ありがと。裕也君」

「ありがとねーゆう」

「麗華先輩も、姉さんもいつも朝食作ってくれてありがと」

「…うん。えへへ」

「まっかせなさい」

「…」


麗華先輩照れないでください.....。こっちが恥ずかしくなってくるんで。


「.....それより、早く食べちゃってください」

「うん!」

「はーい」


はぁ。朝から大変だ



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