第13話
「ゆぅ…く……」
ん?んーー。
「ゆうやくん」
肩を揺らされる。
ん?姉だろうか。
「もう裕也君。」
え、違う姉じゃない!?
バッと起きようとしたが、抱き着かれる。
「おはようございます。裕也君♪」
「ちょ、なんでいるんですか」
「まあまあ、いいじゃないですか」
「よくないですし、どうやって入ったんですか?」
「それは、鏡花さんに開けてもらったんですよ」
「は?え?いつの間に仲良くなったんですか」
姉さんは警戒心が強いというか、人のことを見極めるのがうまいというかそんな姉さんと短期期間に仲良くなるなんて。
「前、鏡花さんの服を借りたので、裕也君の家に行ったんですが鏡花さんしかいなくて。その時知り合って、仲良くなってラインも交換したんですよ」
と言って見せてくる。
へぇー。ほんとに仲がいいんだなぁ。
ん?
『裕也君の好きなタイプの人って何ですか?』
『私みたいな人だよー』
はぁ、なんて会話をしてるんだか。
姉さんも姉さんで変な返ししないでよ
今の時間は6時半くらい。ここ最近7時前後ぐらいに起きる生活をしている。
「それより、こんな早くにどうしたんですか?}
「裕也君を迎えに来ました♪」
「いや、一緒に登校するだけですよね?」
あーだから昨日、麗華先輩は僕が先輩の家に行くことを拒んだのか。
「次いでに裕也君のお世話をしたいなって」
「しなくていいですし、とりあえずいったん離れてください」
「えー、もうちょっとこのままでいさせてください」
ほんっとこの先輩は。僕も一応男なんだけどな。
よし、一度痛い目を見せてあげよう。
「麗華先輩」
「え?ちょ、待って」
僕は先輩を押し倒し、恥ずかしがっている麗華先輩の顔をこちらに向け
「裕也君…」
僕は顔を近づけてキスをするふりをする。
先輩は目を閉じ........
「嘘です。恥ずかしいならもうこういう事しないでください」
「裕也君…してくれても良かったんですよ…?」
「しませんし、僕じゃなかったらこれ以上の事になるかもしれないのでしないでください」
「私は裕也君にしかしませんし、裕也君にされるのなら本望です」
「と・に・か・くこういう事しないでください」
「えー裕也君がキスしてくれるんだったらもっとしちゃうかもなー」
やばい、したことが裏目に出てしまった。
「顔洗ってくるので、リビングで待っていてください」
「はーい。分かりました」
それから顔を洗い、制服を着てリビングに行くと、朝ご飯が用意されていた。
「あ、ゆうーおはよう」
「…おはよう、姉さん」
姉さんは料理ができないので、麗華先輩が作ってくれたんだろうか
「麗華先輩が作ってくれたんですか」
「はい!裕也君のために」
「…ありがとうございます」
「ゆう。私も手伝ったんだよー」
「ありがと、姉さん」
僕は姉さんの頭を撫でる。するとくぃっと服を引っ張られ、先輩が上目遣いで
「私にも…」
「…分かりました」
だって断れないじゃん。すごくかわいかったんだよ。
「ふふ、頭撫でられるのって気持ちいいですね」
「ゆうは撫でるの上手いよねー」
「あーもう分かったから早く食べて学校行きましょう」
「うん」
「はーい」
姉さんは違うけどね。
それから姉さんと麗華さんの話や普段僕が何をしているかとかくだらない話をして家を出る。
「「行ってきまーす」」
「いってらっしゃい」
もう、麗華さん家に馴染んでるし。
「明日も来ますね」
「やめてください!」
「えー」
はぁ、もうなんて日だ。
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