第9話
先輩との買い物から三日たち、今日はゴールデンウィーク最終日となった。
その間、特に何事もなく過ぎた。
姉さんと映画見たり。銭湯が近いから姉さんと一緒に入りに行ったり充実した休みを送れていた。
今日は、姉さんはどこか行っているみたいだし勉強して、ゆっくりしよう。中間テスト近いし。
そう思いながら、朝食を作っていると
ピンポーン。
郵便かな?
そう思い一旦火を消して玄関に向かい、ドアを開けると…
「おはようございます!裕也君」
バタン。
僕は急いでドアを閉めた。
ふぅ。朝ご飯食べて、勉強しよ。
ピンポーンピンポンピンポンピンポーン。
うるさいなぁ。
近所迷惑になるかもしれないし、仕方なくドアを開ける。
「何で閉めたんですか!」
「そこに先輩がいたからです」
「理由になってませ…ん?」
「少し自覚はあるんですか…」
「そんな事より、裕也君会いに来ました。遊びましょう?」
「えー嫌ですよ」
「とにかく中に入れてください」
顔が近い、顔が近い、顔が近い。いい匂いがする........じゃなくて。
このままだと埒が明かなそうだ。
「........分かりました。入ってください」
「お邪魔しまーす!」
「とりあえず座っていてください。飲み物はお茶でいいですか?」
「うん」
冷蔵庫を開けお茶を取り出し、コップを二個持っていく。
「で、先輩は何しに来たんですか?」
「え?裕也君に会いたかったから来たんですよ?」
先輩はこてっと首をかしげる。
うーむ。あざといけど、きれいな人がすると、愛らしさが際立つな。
「でも、今日僕は、勉強するつもりだったんですけど」
「ふふ。私も勉強道具は持ってきているよ」
麗華先輩がニコニコしながら見せてくる。
はぁ、この感じだと何言っても帰ってくれなさそうですね。
「じゃあ、まだ僕はご飯食べていないので食べるんですけど、先輩は食べましたか?」
「うん!食べてきたから大丈夫だよ」
そして僕は作りかけていた朝ごはんを手早く作り上げる。
まぁ、トーストとベーコン焼いてスクランブルエッグ作って、サラダ盛りつけただけだけどね。
「いただきます」
「召し上がれ」
…先輩何もしてないですけどね。
僕が黙々と食べている間先輩は何をしているかというと…
僕の顔をずっと見ていた。
やっぱり朝ごはん食べていなかったのかな?
「先輩。食べますか?」
「え?あー違う違うよ。裕也君の顔見ていると、幸せだなぁって」
「........っ」
…僕はあまり先輩を意識しないで食べることにした。
食べずらかった朝食を終え、今僕たちはリビングで勉強をしている。
先輩は結構頭がいいらしい。
分からなくて悩んでいるところを教えてくれて、かなり分かりやすい説明だった。
そうしているうちにお昼になり
昼食にスパゲティーを食べ、また勉強したり、先輩にからかわれたりして、七時くらいになった。
「じゃあ、先輩。さようなら」
「うん、また明日ね」
先輩を見送り終わった。
はぁ、最近先輩に甘くなっている気がする。
先輩のことは、他の女子よりは信じているけど........。
そもそも、今の僕たちの関係って何だろう?
友達?知り合い?
........。このことを考えていても結論は出なそうだ。
はぁ、明日から学校か。
僕はスキップしながら家に帰った
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます