闇を染める白

「スゥー...スゥー...」


ひんやりとした地面に段々温かさが伝わっていく


この限られた空間に隣接するように存在する限りなく広がった空間を見上げ

寝そべる私は深く長く呼吸をした


そこに黒い闇など無かったようにだんだん白んでいく世界


記憶の中に存在する嫌な事など全て忘れさせてくれるような気がして手を伸ばすが

それを拒むように白い空はただただ私を見下ろす


決して手の届かない遥か頭上よりただ見下ろす


どんなにもがいても彼女にした罪は決して消える事はない

だから私は自らの意思でここに来たの


出口のない、戻ることの許されない


この「白の世界」に...

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