⑨コツメカワウソ
プレゼンテーション
えー、それでは、発表を行わせて頂きます。
私達の研究では、フレンズは野生の時に比べて、警戒心がとても低くなっている事がわかりました。中でも、コツメカワウソは警戒心が全くない動物のひとつでもあります。
まずは、この実験映像をご覧下さい。
私達はコツメカワウソが生息するジャングルにネズミ取りの仕組みを応用した装置を設置しました。これは、じゃぱりまんを取ろうとしたフレンズの手が挟まるというものです。
『あっ、こんな所にじゃぱりまんがある!』
普通は、なぜこんな場所に?と考えるのですが、フレンズは脳の使い方を知らないので違和感を抱きません。
彼女は、そのままじゃぱりまんを取ってしまいます。
『いったぁあああああああっ...!!!』
この後、彼女は研究チームの職員に罠を取って貰いますが、指をケガしてしまいました。
基本、人間であればこの様な自身が痛い思いをした時、学習するので以前よりも慎重になるはずです。
続いて、その警戒心が向上しているか確かめる実験を行いました。
試験的によく滑る滑り台を設置、その先にガラス窓を設置します。彼女を滑り台まで誘導し、その先のガラスに気付くか否か、また、滑り方の工夫が見られるか実験で調査します。
これがその時の試験映像です。
『え?遊んでいいの!?わーい!!』
この時点で結果は明白でしたね。
彼女は、滑り台に登ると頭を下にして滑り台を滑りました。
『たーのしっ...』
《ガシャンッ!!!》
彼女は頭からガラスの板に突っ込んでしまったんですね。
『うわぁぁぁああああああ....』
泣いていますね。
頭はケガしたものの破片が目に入らなくて幸いでした。
さて、ここまでの実験の様子から「コツメカワウソに警戒心は見られない」という結論が出せそうですが、三度目の正直という事で、最後の実験の方に移りたいと思います。
次の実験では、露骨に危険である事をアピールして、それでもその物品で遊ぶのか、という調査をしてみたいと思います。
ここにマジックペンとスケッチブックを用意しました。
このマジックは先端を何かに押し当てるとインクではなく、強力な電流が流れる仕組みになっています。よくある静電気が流れてバチっとなるいたずらグッズの応用です。
コツメカワウソは果たしてこれをどうしたのでしょうか?
『あれ?なんだろう?』
立ち止まって観察しています。
『ん?何てかいてあるのかな?』
スケッチブックにカタカナで『キケン』と書きました。フレンズはひらがな・カタカナは読める訓練を一律に受けているはずなのですが...
『でもなんか面白そう!』
えー、残念ながら彼女はペンを取ってしまいましたね。学習能力が皆無ですね。
そしてそのペンを紙に...
『あ゛ああああああぁぁぁぁぁぁッ!!!』
体に痺れが残るほどの電流を浴びてしまいました。
かわいそうというよりか、自業自得ですよね。
ご安心ください。
フレンズはこのようにダメージを与えても致命傷でなければ、すぐにサンドスターにより2、3日で元通りの身体に戻ります。
以上の結果から、フレンズの種類にもよりますが、コツメカワウソはとても警戒心が低いという事が証明されました。
これは、良い捉え方をすれば、密猟者からの保護を手厚くしようという提案もできるし、
悪い捉え方をすれば、最も捕まえやすいフレンズはコツメカワウソということになりますね。
今後、比較をするために他のフレンズでもこの様な実験を行いたいと思っております。
ご清聴ありがとうございました。
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