Episode.2「僕」
僕が幽霊になって初めて、僕のことを見つけてくれた彼女。
彼女は、自分探しをしていたそうだ。
そんなことをしなくても、彼女はとっても素敵な女性なのに…(笑)
一緒に旅をすると、僕が言うと、
「私は一人で平気よ」
「…ずっと一人だったんだから」
彼女は、そう言った。
「けどさ、美咲ちゃん。僕は体がないから、0人だよ」
「だから、ついて行ってもいいでしょ?」
「二人合わせても体は1つだけど」
「二人合わせたら、心は、これで2つになるんだ」
「人間は、体の数で数えるけど、」
「幽霊にも心はあるから、それで数えても良くない?」
「…ていうか、心ってどこにあるんだろ」
「なんか言った?」
「いいや。何も言ってないよ」
「僕はキミの“自分探し”の邪魔はしない」
「ちゃんと手伝うからさ」
「いいわよ。そこまで言うなら」
「やった!」
「へんな人…幽霊だけど」
彼女は、そこで初めて笑った。
15年前の、あの頃のように。
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