第36話 甦る遺産

「だぁりゃあああああああああああああああああああっ!!」


 巨大な黄金の牛が闘技場の試合場で突進し、


「だっぜえええええええええええええええええええええええいっ!!」


 紺碧こんぺきの髪のたくましい少年がアイスホッケーのスティックを牛の頭に打ちつける。


 ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!


 激突の凄まじい衝撃波で闘技場を揺さぶった両者は、そのまま頭とスティックで力押ししつつ……


「ガハハッ、少しはマシになりやがったんだぜい〝暴君タイラント〟♪」

「クソがああ……!!」


 余裕の笑みのマウジャドと悔しそうにうなるジー・ボック……その時、


「うおっ!?」

「ぎゃわっ!?」


 多数のサテンゴールドの光線が試合場に降りそそぎ、両者は咄嗟とっさに飛びのいてスティックと黄金の機体で光線をはじく……一方、


「ゲゲッ、こんなトコロで死んでたまるか!」


 虫のような巨人……バギシームは反抗防止用の首輪を、地中に潜って姿を消した……直後、


「気になる術式の波動を感じて来てみれば、案の定なのである」


 少年と牛の間に1人の少女が降り立った。

 髪と爪をサテンゴールドに輝かせ、アイボリーのクラシカルなスリーピーススーツと黒マントをまとう少女だ。


「南米のクローンと言い、不快なことが重なる日なのである」

「ガハハッ、〝儀式〟はっといていいんだぜい〝マッド錬金術士〟♪」


 利発そうな顔を不快にしかめる少女クララにマウジャドが茶化して言うと、


「問題ないのである。成すべきことは成したのであるから。それより──」

「邪魔すんじゃねえ小娘!!」


 金属の牛が少女へ口から金色の光線を放った。が、少女は右手の爪を伸ばすと直径1メートルほどの円盤に変形させ、難なく光線をはじく。


「〝暗黒ブラック光線ライト〟まで使うのであるか……」


 クララが不快指数を上げて牛をにらみ、


「体を覆う金属にしても、明らかに我が血族の技術わざなのである……貴様、どこでそれを手に入れたのであるか」

「テメエの知ったこっちゃねえ!!」


 巨大な牛が少女へ突進する。が、少女は爪を円盤から鋭い剣に変え──


出来できそこないが!」


 突進してきた牛へ振り下ろす。と、30メートルを超える金属の巨体がぷたつになり、中から20メートル近い禿頭とくとうの巨人が出てきた。


「な…なにい……ぐおぁっ!?」


 呆然となる巨人に両断された牛の残骸ざんがいが溶けてまとわりつき、巨体を仰向あおむけにして大地に縛りつけ固まった。


「ふむ、吾輩わがはい精練せいれんする物には遠く及ばぬが、使えぬことは無いのであるな」


 クララが渋い顔で巨人を縛る金色の金属を見る。

 もっともいちじるしく濁っている金属の色は、少女の髪や爪のサテンゴールドと比べると『金色』と言うより『銅色』に見えてしまう。


「ぐうう……テメエぇぇ……!」


 身動き出来ない巨人が悔しげにうなる。片やクララは爪を普通に戻して巨人に歩み寄ると、冷淡な瞳でにらみつつ、


「さあ白状するが良いのである。我が血族の技術わざを、どこで手に入れたのであるか」

「言ったろう……テメエの知ったこっちゃねえってな!!」


 クララはピキッと目元を歪め、


「……良い機会なのである。我が自白剤が異星人にも効果があるのか、実験してくれるのである……む?」

「〝宇宙の暴君コズミックタイラント〟を……なめるなあああああああああああああああっ!!」


 クララがメロンソーダのような液体が入った注射器を取り出した直後、歯を食いしばって真っ赤になったジー・ボックが自身を縛る金属を砕いて義手に戻しつつ立ち上がった。


所詮しょせん粗悪品そあくひんが作った物は粗悪品そあくひんなのであるか……!」


 クララが不快指数MAXで爪を伸ばし巨人を斬り裂く──寸前、不意に試合場の地面を砕いて巨大な棒が現れた。丸々と太った体を黒くした少年がに溶け合って形成される、高さ30メートルはあろう黒く太い棒が。


「これは……クローンを融合させているのであるか!?」


 クララが目をむく先で棒は60メートルまで伸びると、2本の太い腕と1対の凶悪なツノを生やす、悪魔を思わせる黒く禍々まがまがしい上半身となり……


余所者よそものめ……これ以上、お前たちの好きにさせるか……!」


 試合場の少年少女や巨人へ炎を吐きつつ、背中から多数の触手を観客席へ伸ばし、混乱する観客たちを手あたり次第に吸収していく……同時に、


「上等なんだぜい!」


 やはり首輪をマウジャドが獰猛どうもうに笑む。と、その足元の地面が砕け、60メートル近い黒い氷塊ひょうかいが現れた。


「〝海賊団パイレーツ〟の新しい力、見せてやるんだぜい!!」


 氷塊の上で仁王立ちするマウジャドがスティックを振り上げた──直後、


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!


 多数のビームが降りそそぎ悪魔を思わせる上半身とジー・ボックを貫いた。


「何者であるか!?」


 20メートルの巨人と60メートルの上半身が轟音を立てて倒れる一方、クララとマウジャドはビームの飛んできた空を見る。と、闘技場の上空に1人の少女が浮かんでいた。


「貴様は……!?」


 瞠目してクララが見るのは、地球軍の軍服を着てピンクの水晶をはめたサークレットを額に付けた10代後半の少女。

 ただし軍服に覆われているのは胴体だけで、両腕と両足は鈍い銀色に輝く金属製の大型戦闘ユニットに覆われており……


「我、ミズシロ財団が東の本家の次期当主を捜索中そうさくちゅうなり」


 整った中央アジア系の顔から無機質な声が発せられた。

 一切の表情が抜け落ちた顔からも、やはり機械のような無機質さが感じられる。

 その印象をさらに強めるガラス繊維せんいのような白い半透明の髪を、少女はヒザまでなびかせつつ試合場に降りてくる……と、


「ガハハッ、ジョクタウの野郎が好きそうな格好なりなんだぜい♪」

「ジョクタウ……?」


 着地した少女がサークレットの水晶を光らせつつ無機質な瞳に強い感情を……激しい怒りをともした気がして、


「ジョクタウ……トゥルガイ………我、我、我……!」


 水晶を激しく明滅させつつ無機質な声にも怒りをにじませ、体を『く』の字に折り曲げ壊れたエンジンのようにガクガク震え出す……が、


「──む?」


 周囲に白い気体がただようのに気づき少女は震えを止めた。同時にクララも周りを見回し、


「これは……チロルの〝きり〟なのであるか……?」

「ガハハッ、おっぱじめたんだぜい〝儀式〟を♪」

「……まずいのである!」


 はっとしてクララがジー・ボックを見た――刹那、


「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」


 倒れていた巨人と巨大な上半身が、ミイラのようにからびて絶命した………


                   ◆


「これは……」


 町の上空でワイクナッソが眉をひそめた。

 悪魔を思わせる巨大な上半身の乱立する町が、白い霧に覆われていく。

 霧は〝草薙の里〟を収める地下空洞全体に広がりつつ、意思を持つかのようにうごめいて何かの模様を描いていき……


「いかん!! 道化どうけよ! 総員、強制撤退だ!!」

 

 ワイクナッソが同じく町の上に浮かぶ真紅の道化師に叫ぶ。すると〝里〟で戦っていた太陽系ドミネイドの鋼の巨人たちが、それぞれのそばの空間に開いた真紅の穴に吸い込まれ消えていった。同時に……


「予定より早いぞ、ミズシロ財団!!」


 やはり町の上に浮く、両肩に二門の大型ビーム砲を装備した赤いトロニック人……イムーファーザもあわてて声を張り上げ、


「プロテクス! 全員退却しろ!!」


 空からの切羽せっぱつまった声に、プロテクスの鋼の巨人たちも戦闘車両に変形すると霧の中を疾走しっそうし、ドリル戦車が開けた地面の穴に消えていった。そして……


「やりやがりましたね〝クズ参謀〟♪」


 右目に片眼鏡モノクルをつけた少女が、地下空洞の天井近くに浮かびつつナマイキそうに笑む──刹那、


「さあ〝地獄〟も……〝第二次壬申じんしんの乱〟も大詰おおづめでやがるのです♪」


〝里〟の大地を覆った霧が巨大な魔方陣を形成し、放射する神々しい光で広大な空洞を天井まで満たす。と、大地に乱立する巨大な上半身が、苦鳴と共にもがくように身をよじり……


「光栄に思いやがるがイイのです。〝大戦火だいせんか〟の〝生贄いけにえ〟になることを♪」


 少女のはるか足の下で、悪魔を思わせる上半身たちはように干からび、縮み、次々に倒れていく。


「さっすが〝呼び火〟の力、スゴイ生命力でやがるのです♪」


 悪魔の上半身が全て倒れると、激しく輝きを増した魔方陣の光が〝里〟の中央にある湖に集まっていき……


「さあ目覚めやがるがイイのです……〝試祖〟の〝遺産〟よ♪」


 大きな湖の中心に浮かぶ大きな日本建築の屋形やかたが、魔方陣の光をすべて吸収すると目もくらむ光を放つ……と、


「うまく〝依代よりしろ〟に宿ったようどすな」


 湖のほとりに立つ少女の見る先で、5階建ての屋形は震え……


「霊体を本体とする〝瀬織津せおりつ〟が現世うつしよ顕現けんげんするには、現世での体となる〝依代〟が必要なんどすえ」


 たくましい6本の脚が、屋形の1階から生え……


「古来、〝瀬織津〟は水にまつわる神としてまつられとったんどす」


 長い首と尾が、それぞれ屋形の左右から伸び……


「ほんでやまとにおける〝水神〟とは、すなわち〝竜神〟なんどすえ~♪」


 大きな屋形を胴体として、6本の脚で湖面に立ち、長い首と尾を揺らしつつ、鋭いつのと牙を生やす恐竜のような頭から咆哮ほうこうを上げる………全長100メートルを超える、紫に輝く〝竜〟が〝里〟の中心に顕現した。


「〝屋形やかたぶね〟ならぬ〝屋形やかたりゅう〟ってか♪」

「おんや、六音。それに……」


 背後から聞こえた声に振り返ると、


「おつかれ様どす、若様♪」

「君も御苦労ごくろうさま葛葉くずは♪」


 黒釉こくゆうのような髪を鼈甲べっこうの髪留めでたばねる少女に、黒髪の少年が柔和に微笑んだ。次いで少女の周りを見て、


「委員長、チロル、ジョクタウ、君たちも御苦労様」

「私にとっても他人事ひとごとではありませんでしたので」

【やちんの かわり】

「ボーナスもタップリもらうっぺよ」


 三者三様の返事に煌路が微笑んだままうなずくと、葛葉も煌路の周りを見て、


姉君あねぎみ、それにハクハトウ、パトラ、シューニャ、あんさんらも、お疲れ様なんどすえ~♪」

「可愛い弟のためなら、これくらい何でもありません♪」

「わらわも得るものがあったがゆえ、良しとするのじゃ」

「フクカイチョーとお出かけれきたから~たのしかったのれすよ~♪」

疲労ひろう困憊こんぱい……イコール……睡眠・不足………」

「仕事が立て込んでいたのに、無理に来てもらってゴメンね、シューニャ。必ず埋め合わせはするよ。ともあれ……」


 赤銅色しゃくどういろの髪の少女が浮いたままクルクル回転し、他のZクラスの少女たちが何かを訴えかけるような視線を寄越よこす中、煌路はさやに納められた刀を葛葉へ差し出し、


「作戦通り〝瀬織津〟を復活させることが出来て何よりだよ。これは返すね」

「〝八鱗刀はちりんとう〟……はるかな昔、〝瀬織津〟のうろこを削り出して作った、文字通りの〝瀬織津〟の一部……」


 葛葉は刀をうやうやしく受け取り、


「この刀こそ、霊界におる〝瀬織津〟の本体と現世うつしよをつなぐ〝かすがい〟なんどす」

「〝瀬織津〟だけじゃなく、あの2人にとっても〝鎹〟になったみたいだね」


 煌路が〝竜〟の背を、日本建築の屋形の屋根を見る。同時に六音もパトラを見て、


「一応、普通のケガの治療もデキんだよな……」

「もちろんなのれすよ~わたしはお医者さんなのれすから~♪」

専門だけどな〝おっとり呪術医カーサー〟……」


 屋形の屋根には、互いに寄り添う和装の男女が……津流城つるぎ沙久夜さくやがいた………


                   ◆


「………………………………」


 湖に現れた紫の〝竜〟を、湖から離れた町の上空に浮かぶ赤いトロニック人が見つめている……と、


「どうした? りし日の栄光にひたっているのか?」


 背後からの声に振り向くと、2メートルの長身に白い和服をまとう女が同じく空に浮いていた。


「ワイクナッソ……!」

「イムーファーザ……だったか、今は♪」


 女が高飛車に笑み、


「しかし、今回の財団とやらの作戦を、よくプロテクスが承認したものだな。この地の原住民を見捨てるも同然だろうに」

「……仕方が無い。上の意思だ……!」


 イムーファーザの怒りを抑えるような声に、ワイクナッソはわずかに眉をひそめ、


「上だと? この星系のプロテクスの総督府そうとくふか?」

「もっと上だ」

「ん? ならば、この周辺の銀河や星雲を管轄かんかつとする統括府とうかつふか?」

「もっとだ……」

「なんだと? まさか執権府しっけんふか!?」

「もっとだ……!」

「はああ!? そうなると……」


 全宇宙のプロテクスの総本部をも否定され目をむくワイクナッソ……だったが、


「……いや、むしろ納得できるのか……のことも……ん?」


 何かに気づいてワイクナッソが湖を見る。と、激しい水飛沫みずしぶきを上げて湖面を突き破り、紫の竜の前に巨大な〝人影〟が現れた………


                   ◆


「くそお………」


 湖面に現れた〝人影〟が悔しそうにうなった。

 それは身長80メートルを超える真っ黒な巨人。

 先ほど〝草薙の里〟に多数が出現し、魔方陣により一掃された悪魔を思わせる上半身と同じく、無数の少年のクローンが融合した物体だった。


太華琉たける殿に、つかまつるか……?」


 紫の竜の胴体である屋形の屋根で、 巨人を見る津流城が眉根を寄せ、


「まだ、それだけの力を残されていたのでございますか……」


 津流城に寄り添う沙久夜も怪訝けげんそうに巨人を見つめる。

 黒い巨人は先ほどの悪魔を思わせる上半身と違い、見るからに不安定で今にも崩れそうな危うさを感じさせていた。


「太華琉殿、最早もはやこれ以上のいさかいは無用につかまつる。なれば……」

「……ふざけるな……故郷が滅ぼされるのを、黙ってられるか……!」


 津流城の粛然しゅくぜんとした中に厚情こうじょうがにじむ声に、巨人は大きく裂けた目と口を歪め怒りに震える声を吐く……が、


「この〝里〟の命数めいすうは、とうに尽きていたのでございますよ」


 沙久夜が冷静な声で、


「〝七里塚しちりづか〟の方にお聞きしたのでございますが、元来〝無道三家むどうさんけ〟は〝十試属じゅっしぞく〟と呼ばれる10の家から成る集まりだったそうでございます」


 ひたすらに淡々と、


「しかし、長い時の流れの中で1つ、また1つと家が絶えていき、〝無道三家〟と呼ばれる3つの家だけが残ったとのよしにございます」


 まるで他人事ひとごとのように、


「そして今、8つ目の家が絶える……それだけのことなのでございます」

「ふざけるな……この地下空洞が……住処すみかが滅びても……民が生き残れば、〝草薙の里〟は滅びない……!」


 巨人が……草薙家の次期当主が気概きがいを吐く……が、


「ならば……〝草薙の里〟は、すでに滅びているのでございます」 


 沙久夜がやはり淡々と、


「しかも最後の一手を打ったのは、あなたなのでございますよ、太華琉さん」


 巨人がピクリと震えた。


「お気づきでございますか? 〝里〟の民が、いなくなっていることに……」


 言われて〝里〟を見渡せば、各所に炎やケムリをくすぶらせる町には悪魔を思わせる上半身が干からびて多数倒れているだけで、戦火に翻弄ほんろうされていた民の影は無い。


「そう……あなたが怒りにられ〝里〟に出現させた、あなたの複製体の集合体に……命あった〝里〟の民は、全て取り込まれてしまったのでございますよ」


 あちこちに死体が……が転がる町の有り様に巨人はビクッと震え、


「ば…ばかな……そんな、こと………」


 否定しようとするも、クローンと同調していた記憶が脳裏によみがえる……


「そんな……こと………」


 それは怒りで赤く染まる視界と、悲鳴を上げる民を次々に体に吸収していく記憶。


「そんな……そんな………」


 激しい眩暈めまいと吐き気に襲われ……

 

「ちがう……俺は……そんな、つもりじゃ……」


 不安定な巨体がブルブルと戦慄わななき……


「うわあああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」


 悲壮な絶叫と共に、黒い巨体はドロドロと溶けるように崩れていく………


                   ◆


「……ぶはっ!!」


 湖面を突き破り、でっぷり太った男が顔を出し、


「ひぃ……ひぃ………」


 その男……草薙くさなぎ弥麻杜やまとおぼれる寸前のていで湖を泳ぎ、どうにか岸にたどりつく。


「はぁ……はぁ……おのれ、ミズシロ財団めぇ……!」

「呼んだんどすえ?」


 弥麻杜が悪態に返事をされ声のした方を見る……と、返事をした葛葉をはじめ、湖のほとりに集まっている少年少女たちがおり、


「久しぶりだね、草薙弥麻杜。僕が火焚凪かたなを引き取ったとき以来かな」

「み…水代みずしろ煌路こうじ……!?」


 弥麻杜が顔を引きつらせた……直後、


 うわああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!


〝里〟に絶叫が響き弥麻杜が湖の中央を見ると、紫の竜と対峙たいじする黒い巨人が震えながら叫んでいた……が、


「こ…この声……太華琉、なのか……?」


 父が凝視ぎょうしする先で、息子の声で叫ぶ巨人はドロドロに溶けて崩れ去る……かと思いきや、別の形に姿を変えていき……


「た…太華琉……?」


 父が呆然となる一方、黒い巨人は巨大な黒い肉塊にくかいになる……と、6本の太い脚と2本の長い尾を生やし、大きく裂けた目と口が刻まれたへびのような長い首を3本のばし……


 ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!


 紫の竜より一回ひとまわり大きな黒い竜が、湖の中央で3つの頭の口から狂おしい咆哮ほうこう灼熱しゃくねつの火炎弾をまき散らす。周囲に乱射された火炎弾は、ようやく戦火の治まった町を再び炎上させつつ湖のほとりにも降りそそぎ……


「六音!!」


 咄嗟とっさに六音の前に立ち煌路が迫り来る火炎弾を防ぐ。他の面々もそれぞれの方法で火炎弾から身を守る……が、


「ぎゃほあっ!?」


 火炎弾の1つが呆然としていた弥麻杜を直撃、その下半身を消し飛ばし、


「た…たけ…る………」


 上半身のみとなって倒れた時……父の瞳に生気は無かった………


「おお……おいたわしや、御屋形おやかた様………」


 そのとき大地の一部が盛り上がり小山が築かれると、その頂上を突き破り1人の女が上半身を現した。


「なれど……どうか、御嘆おなげきなされますな……」


 舞妓まいこのような着物を着たつやめいた美女……弥麻杜の側室、都牟刈つむがり湖乃羽このはである。


「この〝里〟は、必ずや身共みどもと我が息子がお救いするのでござりまする………」


 主人の死体を前に女は恍惚こうこつとした笑みを浮かべる……と、小山のふもとを突き破り、刀を握る8人の男が地中から現れた。


今代こんだいの〝八鱗刀はちりんとう〟どすえ? せやけど──」

「ゾンビ映画パートⅡ!? 南米さっきも似たようなの見たぞ!!」


 小首をかしげる葛葉の声を六音の叫びがさえぎった。

 8人の男たちは血の気が失せた傷だらけの肌をボロボロの着衣からのぞかせ、瞳もうつろで生気が無い……弥麻杜のと同様に。


「そういえば〝儀式〟で崩れた鍾乳洞しょうにゅうどうに置いたまんまやったどすな~♪」

「その鍾乳洞で死んだ者たちに〝黄泉国よもつくに〟の術式を使ったのですね……死体を操る禁忌きんきの術式を」


 砂織さおりが湖乃羽に非難めいた視線を送るが、


「存在自体が禁忌な化け物にそしられるわれは無いのでござりまする!!」

「うまいこと言うどすな~♪」


 皮肉を葛葉が笑い飛ばし、煌路も苦笑しつつ、


「察するに南米で使われた死体を操る術式は、彼女がカルージャンの遺物に提供したんじゃないのかな……クローン技術の対価としてね」

「身共が供したのは、術式の初歩のみにござりまする。術を極めたならば、かようなことも出来るのでござりまするよ」


 湖乃羽がつやめきつつも凄味すごみのある笑みを浮かべる……と、8つの死体が巨大化しつつ融合していき……1本の体から8本の首を生やす、全長80メートルを超える大蛇となった。その姿に砂織は眉をひそめ、


「〝八岐大蛇やまたのおろち〟ですか。ですが……」

「〝人面魚じんめんぎょ〟ならぬ〝人面じんめん大蛇おろち〟どすな~♪」


 8本の首の先には、巨大化した〝八鱗刀〟の男たちの頭が1つずつ付いていた。


「ヘビさんには~負けられないのれすよ~♪」


 そのときパトラが優しい笑みをほころばせ、三つ編みの先のリビアングラスを光らせる。と、町に散らばる悪魔のような上半身の死骸が破裂し、太華琉のクローンや吸収された民の骨が大量に飛び出した。


「目には目を~歯には歯を~」


 町中からおびただしい人骨がパトラのそばに飛来し、組み合わさって何かの形になっていく。ほどなく全貌を現すそれは……


「ヘビさんには~ヘビさんなのれすよ~♪」


 菱形ひしがたの頭を持つ、全長100メートル近い眼鏡蛇コブラの骨格だった。


虚仮こけおどしを! 〝八鱗刀〟よ、死してなおおとらぬ〝里〟への忠義を見せるのでござりまする!!」


 人面の八岐大蛇がけもののように顔を歪めて咆哮し、鋭い牙をきつつ少年少女たちへ突進する……が、不意に多数のビームが降りそそぎ大蛇の前進を止めた。


「何者でござりまする!?」


 湖乃羽がにらんだ地下空洞の空に、1人の少女が浮いていた。

 胴体を地球軍の軍服で覆い、手足に鈍い銀色に輝く金属製の大型戦闘ユニットをつけた少女だ。


「おお! リアルメカ少女だっぺよ♪」

「我、ジョクタウ・トゥルガイを捕捉ほそくせり」

「………はえ?」


 興奮する中央アジア系の少年が、無機質な中央アジア系の少女の声に困惑し、


「なんでボクチンの名前を………って、まさかオメエ、エ――」

「エスティルトゥ、君が来たんだね」

「なんでオメエがアイツを知ってるっぺよ!?」


 声をさえぎられたジョクタウが煌路をにらむ……が、


「彼女はヴィオの……僕の従妹いとこで地球軍の司令官をしている、西の本家の次期当主の副官だからね。前に会ったことがあるんだよ」

「っ!?」


 目が飛び出さんばかりにジョクタウが目をむいた……一方、


「次から次へと……かくなる上は!」


 苛立いらだつ湖乃羽が弥麻杜の死体を見て、


「御屋形様にも御力添おちからぞえいただくのでござりまする!!」


 直後、上半身だけの死体がビクンッと震え、風船のごとく見る見るふくらんでいく。

 胴の断面から虫のようなあしを生やし、腹や腕も虫の外皮のように硬質化し、顔に新たな目をいくつも現しながら……


「またも〝黄泉国〟ですか……!」


 砂織が眉をしかめる先で、でっぷり太った上半身を硬い外皮で覆い、下半身に虫のような6本の肢を生やし、顔に10を超える目をギョロギョロうごめかせる、身長50メートルに達する異形の怪物が誕生した。


おのが主まで傀儡くぐつとするのですか……!?」

滅相めっそうも無いのでござりまする。そうでござりまするよね、御屋形様?」

「ぐ…ぐぅぅ……そう、だ………」


 怪物と化した弥麻杜がうなるような声を出し、


「貴様らに……ミズシロ財団に、一矢いっしむくいられるなら……何を引きえにしても、いは無い……!」

「自我が残っているのですか!?」

「さすが〝草薙の里〟の御当主ごとうしゅにござりまする♪」


 砂織が目を見開き、湖乃羽がご満悦まんえつに笑むと同時──


「思い知らせてやるぞミズシロ財団んんんんんんんんんんんんっ!!」


 異形化した弥麻杜が虫のような肢をガシャガシャ動かし、鬼の形相ぎょうそうで少年少女たちへ襲いかかる──寸前、60メートル近い氷塊が降ってきて大地を揺らした。


「ガハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」


 大地にめり込む黒い氷塊の上に、身長190センチを超える紺碧こんぺきの髪の少年が、アイスホッケーのスティックを肩にかついで立っている……と、


「あたしを殺す気かマウジャド!!」


 氷の上の少年に、六音が怒鳴った。

 ちょうど氷塊の落下地点にいた六音を咄嗟とっさに煌路が助けたのだ……しかし、


「ガハハ、喧嘩ゴロ相手が逃げちまったり勝手におっんじまったりで暴れ足りねえんだぜい」


 六音の苦情を無視して、マウジャドは八岐大蛇や異形化した弥麻杜を氷塊の上から見おろし、


「足りねえ分、タップリここで暴れてやるんだぜい♪」


 野生的な美形に獰猛どうもうな笑みを浮かべる。と、弥麻杜がにらんできて、


「ぐぅぅ……貴様ぁ………」

「あん? テメエ〝里〟の当主なんだぜい? 丁度いい、テメエにゃ世話になったから遊んでやるんだぜい♪」


 獰猛な笑みを深めつつマウジャドはスティックを振り上げ……豪快に氷塊に振り下ろす。と、巨大な氷塊が粉々こなごなに砕け散り、老若男女の地球人や様々な姿と大きさの宇宙人が多数飛び出した。


「ぐ……お前ら、闘技場の闘士か……いきなり、姿を消したかと思えば……!」

「ガハハハハッ!! 〝黒氷海賊団ブラックアイスパイレーツ〟のはたげなんだぜい! さあ、やっちまえなんだぜい野郎ども!!」


 サメのような歯をガチンガチンと打ち鳴らす船長マウジャドの号令で、団員たちが雄叫びつつ獲物やまとに襲いかかる。


「〝孤高の海賊団ワンマンパイレーツ〟返上どすな♪ というか〝黒い氷ブラックアイス〟って呼び名、気に入っとったんどすえ?」

「またしても邪魔者が増えたのでござりまするか……!」


 葛葉がはんなり笑む一方、湖乃羽は小山の頂上に生やす上半身を震わせ……


「ならば! こちらも死力を尽くすのでござりまする!!」


 覚悟を決めたよう気勢を上げる。と、下半身が埋まる小山から大きな竜の首と長い尾、それに6本の脚が飛び出して小山を崩し、湖乃羽の上半身も巨大化していき……


「我が悲願! かような所で終わらせないのでござりまする!!」


 6本の太い脚で大地を踏みしめ、長い首と尾で周囲を威圧しつつ、背に10メートル近い女の上半身を生やす、全長40メートルを超える真紅の竜が現れた。


「〝巫女〟の妹としてわずかに持っとった〝瀬織津〟の力を暴走させたんどすな……二度と人に戻れんと承知で?」

「申したはずでござりまする!! 死力を尽くすと! あなた方を倒し栄光の未来を掴むのでござりまする!!」

「そんだけの〝欲〟を、もっと早く見せてくれはったら良かったんどすえ」


 どこか残念そうに葛葉が溜め息した……直後、


 ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!


 真紅の竜の前に巨大な竜巻がり立ち、


「風は獲物を求め吹きすさぶ。戦士の誇りに燃えながら」


 1人の少女が乗馬用のムチを手に、竜巻の上で仁王立ちしつつ真紅の竜を……竜の背の巨大化した湖乃羽をにらみつける。


「あなたは、先ほど屋形で身共と戦った──」

「ペンテシレイア、今度は手加減はいらんどすえ」

「手加減?」


 湖乃羽が自分の声をさえぎった葛葉を見て、


「何を申して……よもや先ほどは、故意こいに身共を逃がしたとでも──うっ!?」


 竜巻が勢いを増して吹き荒れる。と、その上に立つ少女が烈風に若草色の髪をなびかせながら眉間のシワを深め、顔の左の三つ編みに垂らす小さな蹄鉄ていてつを光らせつつ、


「風は白きいななきにておびやかす。あえて逃がした弱卒じゃくそつを」


 さらに竜巻は激しくなり、うなりを上げつつ少女をみ込み……


「風は白きつのにて刺し貫く。悲願をはばまんとする弱志じゃくしを」


 不意にはじけるように竜巻が消える……と、ムチに代わりの長い戦斧せんぷを持った少女が騎乗する、純白の凛々りりしい一角獣ユニコーンが現れ……


「風は白きひづめにてほふる……我が未来に立ち塞がる弱輩じゃくはいを!!」

「ま、邪魔するもんは馬に蹴られて死んじまえゆうんは同感どすな♪」


 空をける一角獣の背で気合いをほとばしらせる級友に苦笑しつつ、


「ほんなら、あとは頼むんどすえペンテシレイア」


 勝負の結果は見えているとばかりに一角獣と真紅の竜に背を向け、


「〝失敗した人間もん〟に、せめて有終の美を飾ってやっておくれどす」


 どこかあわれむように言うと、〝里〟の中央にある湖に目をやった……途端、湖の中心にいた紫の竜と黒い竜が光に包まれ姿を消した。


「〝妹のしぼかす〟が、ほんま立派になったどすな~♪」

「〝異元領域〟に行ったみたいだね」


 破顔する葛葉に煌路がウィステリアを連れて歩み寄り、


「トロニック人でもなかなか出来ない空間操作の奥義……これで彼もZクラスでぐんを抜いた実力者になれたわけだし、他のみんなもあとに続いてくれるといいんだけどね……君の計画通りに♪」

「全てはお手元のままに……若様」


 主へ深々と頭を下げる葛葉……だったが、


「……んで、いつまで若様にくっついとるんどすえ六音?」


 頭を上げると、煌路に六音へ毛ほどの邪気も無いはんなりした笑みを向け、


「人の邪魔をするもんは、馬に蹴られて死んじまうんどすえ♪」

「何のコトか分からないな♪ あたしは仕事をしてるだけだぞ。として、ダンナ様のって仕事をな♪」


 六音が優越感全開に笑んで一層密着すると、煌路も溜め息まじりに苦笑して、


「まあ、この状況だと僕のそばが一番安全だろうしね──おっと」


 クラスメイトの少女たちから飛んで来た攻撃を空中に発生させた光剣で〝吸収〟する煌路。


ながだまだね。やっぱり気をつけないと」

「……ソーダナ〝恋敵テキ〟ヲ狙ッタ攻撃ガイツ飛ンデ来ルカ分カラナイカラナ………」


 目元を引きつらせ棒読みで言う六音。

 周りでは草薙家につらなる人間──怪物たちとZクラスの生徒たちが激戦を展開している……特に女子は、必要以上(?)に殺気を立ち昇らせながら。


「……ったく、自分の欲望きもち忠実すなお恋愛脳やつばっかだな………」


 お姫様だっこされる六音が冷や汗しつつ、ぎこちない笑みを浮かべ……


「……にしても、煌路の次にクラスで〝異元領域〟をデキるようになったのが、〝殺人記録マーダースコア〟最下位の〝しぼかす〟ってコトは……」


 お姫様だっこされたまま、婀娜あだっぽく煌路の首に両腕を絡め、


「〝異元領域〟のコツは〝シスコン〟だったってか♪」


 むしろとばかりに妖艶ようえんな笑顔を煌路の顔に近づけ、耳元で甘くささやくように、


「やっぱアレか? 厳格な〝シスコン原理主義者〟同士、通じ合うモノがあったのか? 〝シスコン〟に目覚めたら〝異元領域〟にも目覚めちゃうのか? 愛は世界を救うんじゃなくて姉愛あいは〝異元領域せかい〟をつくっちゃうのか♪」


 露出の高いタンクトップとホットパンツの少女が腕の中で大胆にしなを作る……が、少年は平然として、


「僕は〝きっかけ〟をあげただけだよ──おっとっと」


 雨霰あめあられと降りそそぐ〝流れ弾〟が、煌路の周りに浮かぶ複数の光剣に〝吸収〟されていく。


「みなさん、いつにも増してがんばっていますね、コロちゃん♪」

「うん、特に女子のみんなからすごい気合いを感じるよね、姉さん♪」

「その殺気きあい怪物ばけものと戦うより〝流れ弾〟にめられてる気がするんだが……?」


 あきれ返る六音に煌路は寛容に笑み、


「流れ弾にさえ尋常じんじょうじゃない気合いが……力が籠められているなら、なおさら凄いことじゃないか。日頃ひごろみんなが、どれだけ精進しょうじんしているかの証拠だね」

「精進っつーより、特定の誰かへの〝こだわり〟のせいに思えるんだがな……」


 深々と溜め息する六音に煌路は笑みを深め、


「そうかも知れないね。支えになってくれる人がいると、人は強くなれるから」


 隣の姉と笑顔で視線を交わしつつ、


「津流城もそうだよ。長年のしがらみに押し込められていた〝異元領域〟も創れるほど力が、姉にも等しい人への〝こだわり〟で……〝想い〟で目覚めたわけだからね……」


 深く息を吸うと、万感ばんかんの想いを込めて……


「やっぱり〝姉弟愛〟こそが、全てを超える至高しこうの想いなんだよね姉さん♪」

「はい、コロちゃん♪」


〝流れ弾〟の猛雨のもと、姉弟が太陽のごとくまぶしい笑みを交わす……一方、お姫様だっこされる六音や周囲で激戦している少女たちは、迂闊うかつに立ち入れば馬に蹴られそうな〝姉弟〟の雰囲気に白けた空気を漂わせる……が、


「……自分の姉弟愛きもち夢中すなお熟年夫婦やつらめ………」


〝姉弟〟の笑みの清らかで温かい眩しさに、周りの少女たちは嫉妬しっとする気力も気概きがいせてしまう。

 むしろ熟年夫婦のごとく年季ねんきの入った〝姉弟愛〟の深さとるぎないきずなに胸の奥を熱くさせられてしまう。

 そんな〝姉弟愛〟に浄化されるように〝流れ弾〟の猛雨もみ……


「ま、沙久夜あれ津流城殿あにどののことで気をんどったんどすが、これで安心なんどすえ。こっちはこっちで、晴れて〝妹のしぼかす〟返上どすな♪」


 はんなり笑んでうなずく葛葉に、煌路も頷きつつ遠くを見るような目をして、


「ここが正念場だよ、津流城。ようやく心を重ねて、血をひとつにした大切な人と一緒に歩いていけるか……〝想い〟をかなえられるかどうかのね。何より……」


 異空間にいる級友どうしに思いをせつつ、


「姉を助けるのは、ヒトの義務だからね♪」


 原理主義者の信条を語るのだった………


                   ◆


「こ…ここは………」


 6本足の黒い竜が、3本の首から戸惑とまどいをもらした。

 竜がいるのは雲ひとつ無い青空の下に、見渡す限りの水面が広がっている世界。

 耳が痛くなるほどの静寂に満ちた、果ての無い平穏な世界だ………しかし、


 ザバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!


 突然、水面から無数の巨大な水柱が空高く立ち昇り、青い空も紫に変わっていく。


「これぞそれがしたちの〝異元領域〟につかまつる」


 さらに新たな水柱が噴き上がり、100メートル近い高さまで立ち昇る……と、その先端に日本建築の屋形を胴体とする、6本足の紫の竜が現れた。


「津流城ぃ……!」


 屋形の屋根に立つ少年を見て、黒い竜が忌々いまいましげにうなる。


太華琉たける殿……」


 対する津流城はいくばくかの憐憫れんびんと、それ以上の確たる決意を瞳に宿し……


「どうか御覚悟おかくごを。不肖ふしょう八重垣やえがき津流城つるぎ介錯かいしゃくいたしつかまつる」


 水柱の上から、眼下の水面にいる竜へおごそかな死刑宣告を降らせた………




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