第4話 専属メイドは目立たない!?
「あたしの指示に決まってるだろうっ!!」
突然
妙に
「リ…リオ、さん……?」
加えて
それは煌路の祖母と並んで姉弟に武術を教える、
かつて煌路の
そして〝水代家七不思議〟の1つに並べられる、人呼んで〝水代邸の影の
「この子もブレイクと同じに、あなたがうちで働く
煌路が自分たちが座る布団の
「そうだぞ♪ 天然ステルス娘の
女は異様に存在感の薄いメイドの横に立ち、
「ま、ちょっとした
地球軍の
「テストを中止させたのは反省していますよ………ところで六音、油断したね」
「なに……ぐふぅっ!?」
六音が布団に倒れ込み、ピクピク
「か…からだ、が……しびれ、て……まさ、か………」
「うん、久しぶりの〝抜き打ちテスト〟だね。
煌路は再び溜め息すると、視線を最新の
「これもリオさんの指示ですか?」
「うむ、しばらく間を
ミズシロ財団の中枢である水代家の人間は常に暗殺の危険があるため、
「毒なしの茶は普通に飲んでたが、毒入りの
「ふ…ふざけん、なぁ………」
リオがぞんざいに
「姉さん」
「はい」
ウィステリアがうなずくと、その白金色の髪の1本が伸び、わりと
「……こんの
今の今まで今にも死にそうだった六音が元気いっぱいに起き上がった。
「
「……うっさい。誰のせいだと思ってんだ……!」
首を
脳裏に浮かぶのは自らが演じた先刻の
「あ…あれでパニクってなけりゃ、自分の頭にノロいの呪いをかけた〝おっとり
布団
「初仕事で
「『毒饅頭』の意味が違っているよ、六音。まあ『メイドに手をつけるのは御主人様の義務でやがるのです』って、ブレイクがいろいろ手段を選ばなかったのは事実だけどさ……」
やつあたりする六音に煌路が
「はうう……す…すみませんん……お
震える少女の声に、煌路は『へえ……』と
「
好奇心を宿す御主人様の瞳に、さらにメイドは
「はうう……か…『上京さん』なんて、もったいないですぅ……『あおい』で大丈夫です、煌路さまぁ………」
「それじゃあ、あおい。
エヴォリューター……『ホモ・エクセルシオール』の学名を持つそれは、人類の中に
その能力により多方面で活躍する一方、多方面で
「はぅぅ……た…確かにわたしは、エヴォリューターですけどぉ……やっぱりこの髪、変ですかぁ……? 変ですよねぇ……ぐす………」
「大丈夫だよ、あおい。こんなに綺麗な髪を変だと思う人なんていないからさ。もしいたら、僕が
涙ぐむ少女を優しい笑顔で
《――現在、太陽系ドミネイド帝国との戦闘が続いている西カザフスタン州に、地球軍の司令官であるヴァイオレット・ミズシロ・グラン氏が入られました。グラン氏は州都オラルを訪問し、兵士たちを
テレビに煌路と同年代の、紫水晶のような髪をヒザまで伸ばす少女が映っていた。
一方で
「あ…あの方はぁ……」
「うん、ミズシロ財団で『経済』の東の本家と
「
「にしても、西ヨーロッパを丸々
「そうですね……」
煌路の左隣に座るウィステリアも、
「4年前の〝ロンドン
「そっか……ウィス先輩も本来は西の本家の所属ですから、この
神妙な顔になる六音……だったが急にイタズラっぽく笑み、
「そーいや先輩の『
ピシィッ
部屋の空気が
そして
「おやおや、その歳で
「リ…リオさん……きゃっ!?」
ズカズカ歩み寄ったリオがウィステリアの
「そういやミズシロ財団の
〝女帝〟が華やかな笑みからドス黒い気炎を放ち、金髪少女に
「ひ…秘訣と、言われましても……一般的には、男性に
ウィステリア以外の女の目が煌路に
「え? ええ!? し…知らないよ僕、そんなの……!」
「そりゃあ、寝てる間にやってたんなら覚えてないだろうよ……本当に寝てたんならな………」
寝たフリをして、実は起きててやってたんじゃないか……そんな疑念を
「そ…そんなわけないじゃないか……って、あおい! どうして自分を抱きしめながら震えているんだい!?」
「はぅぅ……た…
混乱気味の
「チッ、参謀はともかく使用人や秘書や爆乳ドジっ子デザイナーのエロハプニングにも無反応でやがるから〝暴君〟が暴発する前に歳下メイドで発散させてやろうと思ったのに……」
〝女帝〟も混乱して吐き捨てるように、
「結局はエロガキどもの系統か性少年め!! 2人で
「スト――――――――ップ!! 公式伝記でも闇に
混乱は次期当主にも伝染し、
「大体、暴発とか発散って何ですか!? それにデザイナーってフランシーヌさんまで巻き込む気ですか!? ダメですよ! あなたや六音と違って
「待ちやがれダンナ様! あたしと違って繊細ってなんだ!? ウラオモテ無いのが絶対的な
混乱の戦場に六音も飛び込むが、
「君には言われたくないよ六音! それに僕がウラオモテ
「他には、ライバル企業や財団内の
「知ってるか!? 度を超えりゃ『
怒りで赤面する六音が
「そうやって特大スイカだけじゃ
「エロ芸師って何!? いくら
煌路も顔を
「君がそんなことばかり言うから、僕の
「そ…そうです……誤解なんです……」
布団の上に立つ姉も、
「コロちゃんと私は、あくまで姉弟なのですから……それに初等部のころには、
再び部屋の空気が凍りつく。
「他にも、
部屋の空気が氷河期に突入する……しかし、
「ああ……それは覚えているよ………」
極寒の視線に
「よくシロとモモが、お互いの体を
「はい……なつかしいですね、コロちゃん……♪」
肩に乗った子猫たちを
「……ちっ、これだから水代の系統は……所かまわずイチャつきやがって……!」
限界以上に眉をつり上げつつ、何かを
アルバムは少年たちが座る布団の上に落ちると、ページが風に吹かれるようにパラパラめくれていき……ある写真が出てきたところで止まった。
「驚異の
写真の中で微笑むのは、幼い煌路とウィステリア。
共に初等部の制服を着て、卒業式の看板が立てかけられた校門の前に並んでいる。
卒業証書の入った
「温室育ちのくせに、ワガママに育ちやがって……!」
それは小学生とは思えない、特大の肉の
リオのプチトマト(以下)もあおいのレモンも六音の
「邪神に愛された〝
「ま…待って下さい、リオさん……今も申し上げた通り、コロちゃんと私はあくまで姉弟で――」
「うるさい! お前らのひいじいさんとひいばあさんだって自分たちはタダの幼馴染だとか言ってたくせに、16歳の誕生日に結婚式あげた時には子供が……お前らのばあさんが生まれてたんだぞっ!!」
煌路の
その
「……つまり、軍のイベントの
六音の引きつった苦笑いの声が、部屋の空気を絶対零度に
「さあ、さっさと来いHENTAI予備軍ども!
「
煌路も布団の上で立ち上がり姉と並んで抗議するが、
「誰が無実だ
「どんな伝説ですかあああああああああああああああああああああああああっ!!」
煌路の荒い息づかいを
「いつまで油を売っておるのじゃ、
声の主は神社の
一見すると『
「
「……チッ、仕方ない。今回は
少年少女たちへ
「お前らがすっぽかした〝アレ〟のテストは日を改めるが、デュロータがやる〝
「あの……私たちも、来週に学院で行われる卒業式と終業式の準備が……」
「
リオはビームのような視線をウィステリア、煌路、六音の順に浴びせると、乱暴に
しばしの沈黙のあと、生徒会役員の3人は布団に
「……まあ、参謀閣下の
「僕たちって、あたしもか? 軍に協力もしてないマジの民間人だぞ!?」
「また僕たちから離れて、1週間の
「……くっ、これが
世界に
だが、財団の中枢を
ならば『東の本家の次期当主』という財団の最重要人物の1人の
「……ま、食いもんに毒を盛られたり殺人ビリヤードで弾丸みたいな玉に襲われたり超リアルVRゲームでショック死しかけたり……犯罪者に狙われる外より、家の中の方が茨の道なんだけどな………あれ? 全然グータラできてない……?」
世界の真理に気づいてしまう六音……だったが、
「ま、いっか。ヤバくなったら例え火の中、水の中……い~や、この世の果てまでも助けに来てくれるんだよな♪ で、一生
「なにそのスパイ衛星なみの
「それがお前の宿命と書いてサダメだっ!!」
「そう言う君は愛人と書いてサー・ダメ人間(英国貴族風)だよねっ!?」
「あらあら、コロちゃん。〝サー〟の称号は、男性だけに与えられるものですよ♡」
弟たちの微笑ましいやりとりを前に、ウィステリアはニッコリしつつ立ち上がり、
「さて、そろそろ登校の用意をしましょうか。ああ、でも、その前にお風呂に入っておきましょうか。昨夜は
「「うぐ……」」
それぞれ気まずい夢と
「はぅぅ……そ…そういうことはぁ……わたしがやります、ウィステリアさまぁ………」
「そうですか? それではお願いしますね、あおいさん。ですけど、私にまで『さま』を付けることはありませんよ」
あわてて
「はぅぅ……で…でもぉ……ウィステリアさまは、煌路さまの奥さまになられる方だと聞きましたしぃ……他の
「う~ん……そういう噂があることは私も知っていますけど、正式にコロちゃんの婚約者や
おどおど
「何よりコロちゃんと私自身の認識では、私たちはあくまでも『姉弟』なのですよ」
「そうだよ、あおい。僕と姉さんは、小さいころから一緒に育ってきた『姉弟』なんだよ」
タンスの前で話す少女たちの
「そもそも姉さんが『若奥様』って呼ばれるのは、君の前任者のイタズラの
子供をあやすように言いつつ煌路はメイドから着替えを受け取り、
「それじゃあ、行こうか姉さん。
「はぅぅ……髪を、洗うってぇ……い…一緒にお風呂に、入るんですかぁ……?」
一点の曇りも迷いもない少年の笑顔にメイド少女は目を
「み…水代家の方たち用のお風呂場も、見せてもらいましたけどぉ……すごく、広かったですけどぉ……お…
「あ~、気にすんな新人メイド」
「ダンナ様と若奥様はあくまで『姉弟』だから、一緒に風呂に入るなんてちっとも
「うん。それも小さいころから、ずっとしてきたことだからね」
何が変なのかとキョトンとする煌路……だったが、不意に
「よかったら書記も一緒に入るかい? たまにはお風呂で生徒会の
「なっ……!?」
「あれあれ、どうしたのかな? 君は僕の愛人になるんだよね? だったら一緒にお風呂に入るくらい、何でもないと思うんだけどな♪」
赤面して絶句する六音に、普段からかわれているお礼とばかりに煌路が意地悪そうに言う……瞳は黒いままで。
「ふっふっふ。さあ、どうするのかな、おませさん♪ やっぱり16歳で愛人なんて無理だったのかな? ブレイクだったら『お背中を流してやりやがるのですよ』って
「む……ぐ……ぐぅぅぅ~~~~~……!」
声のトーンを上げる煌路と、真っ赤なまま
「ふふ、これに
唇を噛むだけの六音に表情を
「ふ……ふはははははははははははははははははははははははははははははっ!!」
その時、広い和室に壊れたような
「上等だ! お望みどーり一緒に入ってやるぞダンナ様!! お…男と風呂に入るぐらいヨユーだヨユー! なんなら背中どころか体のスミズミまで洗って……い~や
「り…りく、ね……?」
ブチ切れた少女に少年があとずさる。
「あおい! あたしの着替えも用意しろ! さあ、さっさと行くぞ2人とも!!」
ふんだくるように着替えを手にした六音が、姉弟の手を
そして高速道路のように広く長い
「見せてやるぞ女の
部屋には
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