第51話 リレー1

各学年ごとに行われる体育祭のトリをかざるものであり、大半のウェイ系が出場したいと思っている競技である。


現在1年生がスタートした。

実況者も白熱した試合に熱くなり実況がすさまじい勢いで行われている。

「ここでトップに躍り出たのは、1年2組だ!」

2.4.1.3.5と順になっており、2組と4組が接戦であった。


「盛り上がってるなぁ~」

「リレーはいつでも盛り上がるものだろ」

横に並んでいる元がそう話す

「そんなもんかね。俺去年のリレー見てないし」

どうでもよかったので確か見ていないはずだ

「まあいいさ、これから俺と大樹が本気をだすんだからな」

俺は返答せずに一年のリレーへと意識を向けた。


結果として、1年1組が一位だった。

途中でバトンパスに失敗した2組とそれに引かれるかのようにこけてしまった4組だった。

その結果、わずかに1組が勝利した。


「惜しかったな~」

「泣きかけてる、ってか泣いてるな」

負けた原因が自分だと泣きたくなるな…

2組、4組は温かい奴らが多いらしく皆で慰めていた。


「いよいよ俺たちの番だな」

「手は抜かないようにするよ」

本気の勝負を望んでいる元と、一位ゴールを望んでいるクラスの為にたまには本気を出してみようと思った。


2年のリレーがスタートする。どのクラスも接戦で、一つのミスが命取りだった。

どこのクラスもミスをすることはなくバトンは順調にアンカーへと渡ってきていた。

だが、俺たちの前にいた4組、1組が転倒してしまい、若干元達のクラス2組に遅れをとってしまった。

「お先に」

そう言って元は走り始める。

転倒によって遅れをとった奴のメンタル的に考えて俺の走る距離を長くしたほうが良いと考えバトンを予定よりも短い位置で貰いに行った。

「すまん」

そういって渡されるバトンを握りしめ、俺は元の後を追いかけた。


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