第37話 勝負

「今日の放課後ゲーセンで行かない?」

なぎに誘いかける

「いいよ~練習でもしてきたのかな?」

練習のことはお見通しらしい

「今回は本気をだしてもらうぜ」

「かかってきなさい」


放課後になり、速攻でゲーセンへと向かった。

途中で彼ら2人を見つけ手を挙げる。

向こうも気づき、恥ずかしがりながら返してきた。


「負けられない…」

「楽しませてね」

ふふふっと不敵に笑うなぎが怖い。

だが練習に付き合ってくれた2人の為にも何とか勝ちたい。


教えてもらったなぎの癖を見極め反撃を行う。

何度か本気のなぎを見たことがあるらしい2人は真面目にもしっかりと動画とメモを取っていた。


「ん…。私の癖を研究してきたんだね。でもね克服しないとどこかで勝てなくなるんだよ」

そう言って、先ほどまでとは別の動きをし始めた。


「うっそだろ、ここからは俺の腕前が頼りか…」

結果としては接戦まで持ち込めたが負けてしまった。


「正直驚いたよ。ここまで成長してくるなんて」

「あそこの2人が助けてくれたからね」

そう言って視線を2人に向ける


「ごめん、勝てなかった…」

「正直ここまで接戦に持ち込めるなんて思ってなかったです」

「カッコよかったっすよ、全然気にしないでください。今度また考察しましょう」

「よろしく頼む」

握手を交わしゲーセンを後にする。



「今日うちに寄って行ってよ」

「わかった」

その後は今回の結果について駄目だった点などを詳しく聞いていた。


「ただいま~」

「お邪魔します」


「おかえりでしょ」

美咲さんがリビングからパタパタと歩いてくる。

「いや、自宅じゃないんであってると思いますが…」

「実質自宅でしょ?」

違うわ!っと叫びたくなったがぐっと我慢をした


なぎの部屋へ行き何を行うのかと思ったら

今回の戦いで疲れたらしく膝枕と頭なでをねだられた。

特に断る理由もなかったので了承したが、美咲さんにみられて

『ごゆっくり~』と温かい目で見られたのは流石にこたえた


「ん~。落ち着く」

「ならいいんだけど」

そのまま頭をすいていると、すうすうと寝息が聞こえてきた


「寝たのか…」

そっと頭をベットにおろしなぎの部屋をでた


「お邪魔しました」

「はーい。あれ?なぎは」

「寝ちゃったのでそのまま寝かしたままにしてあげてください」

そういってなぎの家を去った。



「あ”----。せっかくのイチャイチャタイムがーーー」

寝てしまったことに激しく後悔をする声がなぎのへやから聞こえたそうな…

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