第35話 ゲーセン

「本気を出されたら勝てない…」

手加減をしてもらっているときは勝率が半々なのだが、一度なぎが本気を出せばすぐに負けてしまう。


このままだと、負け続きの俺も楽しくなくなってしまうし、なぎも楽しくなくなるだろう

裏で練習するしかないか…


一人では限界があるので、誰か適任は居ないかと考えたところ、ある人物達が思い浮かんだ。


「ごめん、あの格ゲーの練習に付き合ってくれる?」

突然声をかけられて驚いたのか一歩後退してしまった。

「おい、クイーンのお気に入りに話しかけられたぞ…」

「殺されるんじゃ…」

こいつら話が進まん…

ってか、なぎのこと恐れすぎたろ、殺されないわ、呪われるかもしれんが


「それで付き合ってくれる?」

「まぁ、多少なら…な?」

「そうだね、多少は…」

ありがとうと2人の手を握った。


「あの男怖い…」

瞳の奥にいる、恐ろしいものに気がついていた。

「あれは数人はやってるね」

振り向いてコソコソ話しているので聞こえてきた。

何処が怖いんだ!と思わず叫びかけた。

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