第26話 体調

頭が痛い…

朝は元気だったのだが、3限が終わったころから急に頭痛に襲われていた。


「悪い…頭痛いから先に帰る」

なぎに伝え職員室にいる担任に伝えた。

時期が時期もあり、インフルの疑いがあるものはすぐに帰宅させられていた。


一度家に帰ってから寝て病院へ行こうと玄関まで歩いていたところで人影が見えた。

「なんでここに居る?」

そこにはなぎがかばんを持って立っていた。

「一人で帰ってるときに何かあったら困るからついていくの。勿論先生からの了承も得てるよ」

頭痛に気を取られ、何も言い返すこともなく帰った。


「フラフラしてるけど大丈夫?」

「大丈夫…家に着いてからはわからないけど」

何とかふらつく身体を動かして家までたどり着いた。

その後玄関に入った後意識が途切れた


ひんやりとしたものが額に乗っかっている

「ん…今何時くらい?」

「17時くらいだね。玄関で倒れた時は流石に焦ったよ。お義母さんにも連絡したしそろそろ帰ってくると思うよ」

「ありがとう…」

まだ少しだけ身体がだるくベットから起き上がることができない。


「そろそろ帰るけどお大事にね?」

「ありがとう…」

そうしてなぎは帰っていった。それを見届け再び意識が途切れた。





「旦那先帰るって言ってたけど、一人で帰れるの?」

友達の一人がそう聞いてくる。

「どうなんだろ…一人で歩いて帰るのは危ないよね」

「危ないね、先生に行って早退させてもらえば?」

確かにそうしたいのはやまやまだが担任が許してくれるか…

いや、許す許さないじゃないんだ。許可を下ろさせるんだ


「先生、大樹君一人で歩きで帰るのは危険なので早退させていただきます」

却下された時の為いろいろ考えてきたのだが返ってきた返事は

「よろしく頼む」だった。

担任も滅多に体調を崩さない大樹君を心配していたらしく即了承してくれた。

全速力で玄関に向かったが姿は見えず、下駄箱を除いてみると外履きがあったので校舎内にいるとわかり少し待つことにした。


「フラフラしてるけど大丈夫?」

大樹君は目が虚ろになりだいぶ限界なようだ

「大丈夫…家に着いてからはわからないけど」

何とかふらつく身体を動かして家までたどり着いたのだが玄関に入るや否や倒れてしまった。


とりあえず布団を引いて寝かせ、濡れたタオルを額に置いた。

「早く良くなってね」

朝早く起きるのに慣れていないので私も少し寝てしまった。


目が覚めると16時30分を回っていた。

私は急いでお義母さんに電話をかけた。

お義母さんはすぐに帰ると言って切れた。


その後大樹君が起きたが辛そうだったので私は帰ることにした。

「そろそろ帰るけどお大事にね?」

消えそうな声で

「ありがとう…」

と返ってきた。

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