第19話 続

あれから別案が思い付いたかといえばそうではなかった。

このまま考えていてもらちが明かないので考えることをやめた


「はぁ…」

午後になっても人だかりは減らずに頭を抱えていた。

「大樹君大丈夫?」

なぎが心配そうな顔をしながら聞いてくる

「大丈夫ではないかな…。なぎってこんなのを体験してたのか」

入学してから1か月くらいはこんな感じになっていたのを思い出した。

「ハハハ…慣れればもうダイジョウブダヨ」

思い出したくないのか目が死んでいった

「にしても一か月も耐えられないよ」

一か月もこんなのされてたら女性恐怖症になりそう


なぎと窓際で話し合っていた時

人だかりの中からちょっとごめんなさーいと言って出てくる女子が居た。

「も~。大ちゃんに近づけなくて困ったんだぞ♡」

顔面がゴリラに似ているブスが彼女感を出して話しかけ来た。


「誰ですか?」

そういうと身体をくねくねさせ始め

「も~。恥ずかしがらなくていいのにあなたのか・の・じょ」

全身に鳥肌が立ち始めて本気で人を殺めそうになった


「お前が彼女?はっ!笑わせてくれるな。お前みたいなゴリラ俺は知らんぞ?

大体関わってるのだってなぎくらいだしな。急に出てきて彼女ずらしてんじゃねえよ。俺が好きなのはななぎだけなんだよ?OK?わかったらさっさと失せろゴリラ。

それとお前らいい加減うぜえ。顔しか見てない性格ブスと誰が付き合いたいんだよ。その性格整形してから出直せバーカ」

ハァ、ハァ、ハァ…一息で言ったため息切れを起こしていた。

そんな中ゴリラが泣きそうな顔になりながら教室を出ていった。

それをきっかけに周囲がざわざわとし始め今まで集まっていた女子たちもぞろぞろと帰っていった。


「大樹…君?」

横にいるなぎの顔が真っ赤になっていた。

「風邪でも引いたの?大丈夫保健室行こう」

「そうじゃなくて…」

どうなのかと考えているとクラスの一人の女子が口を開いた

「さっきの告白だよね…」

自分の言動を振り返ってみると確かに告白みたいな…いや告白をしていた。

「あっ!!佐藤なぎさん貴方のことがずっと好きでした付き合ってください」

なぎは涙ぐみながら喜んでと返答し抱き着いてきた。

女子からはキャーと黄色い声が飛び交っている。

一方男子たちは静かであった。

不思議に思い聞き耳を立ててみたが、なぎの意見を尊重すると決めていた。なのでここは素直に祝おうと一人の男が言ってからパラパラと拍手が起こり始めた

クラスの男子たちがここまで漢だとは思っておらず涙が出てきてしまった。

「なんで大樹君が泣いてるの…」

「クラスの男子たちに漢泣きしてるんだ」

このことはすぐに校内に広まった

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