第17話 小さな変化
家に戻ってから長かった前髪をバッサリと切った。
「どうしたんだ、急にあれだけ切れと言っても切らなかった前髪を切るなんて…」
洗面所から出たところでちょうど父さんと会った
「そろそろ、答えを出すために気合入れかな」
「そうか。がんばれよ」
ありがとう、と言い水を飲んでから部屋に戻った。
【男を磨き方】とネットで検索をかけ一番上のサイトを見てみた。
眉毛を整えてみる、髪型を変えてみる、スキンケア、服装、筋トレetc...
眉毛は失敗したときのリスクが高いので自分でやるのはやめておく。
髪型は変えたし…、スキンケアは普段からしてるし…、服装って制服だからどうしようもないし、筋トレって言っても今から始めても半月か1年後…
「内面をどうにかしても周囲が評価するのって外見だからな~」
そうしてみると髪を切るしかないんだな…
「この後のことは学校行ってから考えるか…」
学校についてから、いや登校中も周りからの視線が痛い…
なんでだ…もしかして似合ってないとか、キモいとか言われてんの…?
「おはよう大樹」
「おはよう元…」
後ろから初めに話しかけられたので振り向いたのだが…
「うおっ!誰だお前」
「ひどい。そんなにこの髪型ひどいんだ…ああ辛いよぉ」
元にすらこんなことを言われたらもう絶望だ…
「そういう意味じゃないんだ、ただな?振り向いたらイケメンが居たんだよ…」
「ははは、そんなに気を使わなくていいんだよ元。俺はもう登校時にわかってたんだ…」
「そうじゃないんだけどな。とりあえず教室に行ってみろ」
玄関で靴を履き替えるときにも視線が痛かった
「おはよう…なぎ」
「おは…よう。たい...きくん?」
疑問形…
「そうだよ。似合わないよね」
「そ、そんな事ないよ。ただ、こんなイケメンクラスにいたかな?と思ってね」
また、イケメンだとかお世辞を
「ねえ、武藤君だよね?連絡先交換してくれない?」
クラスの女子1人が連絡先を聞いてくると続々と交換しようと集まってきた(女子が)
「ふーん、女子と連絡先交換できてよかったねー」
「なんで怒ってらっしゃるの?」
というか、今の今までクラスの中の連絡先を知らなかったところが問題だと思うんだけど
「しらなーい。自分で考えてみなよ!」
そう言って教室を出ていくと男子数人が背後をついていった
なぎが居なくなったことをきっかけに女子から質問攻めにあったのだが、全力疾走で振り切った。
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