第16話 続続きの終わり

「さてと、送っていくぞ?」 

明日も学校があるので家に帰って準備やらなにやらを行わなければならないはずだ


「ありがとう。でもお父さんに電話したからもうすこししたら来るみたいだし話そうよ」

「そうなんだ、じゃあ迎えが来るまでゲームしながら話しますか〜」

適当なアクションゲームを選び協力をして進めていく。


「そこの上、隠しアイテムね」

「りょーかい」

淡々とステージをクリアしていきかれこれ30分くらいたった


「なあ、迎え来なくないか?」

「確かに、30分もかかる距離じゃないからおかしいね。ちょっと電話してみる」

そう言って電話をかけ始めた


「あー、大樹君?お母さんが大変なことになってるからいけなくなったらしい…」

「じゃあ、送っていくよ」

時刻は9時近くになっていた

街灯があるといってもそこそこくらいので懐中電灯をつけながら送っていくことにした


「結局送ってもらうことになっちゃったね。ごめんね?」

「全然気にしなくていいよ。それよりも一人で帰らせるほうが不安だからね」

なぎが小声でずるいと言っていた。

流石に静まり返った夜道では小声と言えど耳に届く

「ねえ、手をつないでもいい?」

「夜苦手なの?」

よく見ると手が震えていることがうかがえる

それを見てしまっては拒否する気持ちもなくなりそっと手を握った。


「ひゃっ」

「そっちから言ってきてそこまで驚くのは傷つくなあ…」

あえてがっくりと大げさなリアクションをとってみる

なぎはくすくすと笑いながらつないだ手を引っぱる

いきなりのことで力が入らずに引っ張られそのままなぎに口づけをされた。

「これでお礼になるかな?」

顔を赤くしながら聞いてくる

おそらく俺も顔が真っ赤になっているのであろう、凄く熱い


「十分すぎるくらいだよ///」

彼女からは貰ってばっかりな気がする。

俺からキスをしたことはないが、とても勇気が要る行為だということはわかる。

「ちょっとごめん…」

そう言って、なぎの顔に手を添えて初めて自分からなぎにキスをした


「ふぁあ///」

「されっぱなしだから俺からも反撃。俺の気持ちがこれだよ」

この時はキスの魔力にあてられたのか自分に誓ったことを破りかけてしまった。

「でも、なぎの隣に立つにはまだ周りが認めないだろうね。だからもう少しだけまって欲しい。そうしたら必ず伝えるから」

なぎは頬を膨らませながら

「私結構待ってるよ。だからもう少しだけだよ?」

「ありがとう。近いうちに必ず」

再び夜道でキスをした。

今度は唇が触れ合うだけのものではない




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