第10話 店

「いらっしゃいませ~」

店内に入った俺たちはボックス席へと向かった。

水をもっていくといい先に席へ向かってもらったのだが、その一瞬をついてバイトの男子高校生が連絡先を聞こうとしていた。


「人の連れに手を出すのは感心しませんよ?」

背後からぼそっと呟くと身体をビクッとさせて逃げていった

「助かったよ…」

「いえいえ、それより早く決めよう」

席に座りメニューを開いた。


俺はピザを、なぎはパスタを頼んだ。

「男の子にしては食べる量少ないんだね」

「よるたくさん食べても太るだけだし朝の方かな」

「なるほどね~」

会計を済ませコンビニでアイスを買って帰ろうということになった。


「どれにしよっかな~」

「俺はこれにしようかな…」

雪の大福を選んだ

「おいしいよね~、私もそれにしようかな」

もう少し時間がかかるだろうと踏んで一度アイスを戻し飲み物のほうに向かった


「やっぱこれが無きゃな…」

そう言ってドクペを2本加護にいれた

なんでこれって不人気なんだろうな…

他の炭酸系とは違う味がするからいいのに…


「あっ、そのまずいの買うの」

「まずくないけどな…」

敵か

「友達も美味しくないって言ってるよ」

「そうですか、としか返せないんだが…それより決まった?」

手にはGアントコーンがあった

「飲み物も適当に選んじゃって?」

カルピスとミルクティーを選びカゴに入れた

レジを行っているとクラスの奴が入店してきた…

「クラスの奴が来たから別行動にしよう」

なぎに離れてもらおうとしたのだが逆に腕を組んできた

「ちょっと…何してんの。見つかったら大変なことになるでしょ」

なんとか腕をはがそうと試みたが諦めることにした。

なんでこんな力強いんだよ…


「あ~。なぎちゃんじゃん」

きゃっぴとしている口調でいってきたのは倉島かおりだ

「やっほ~かおりちゃん。家ここらへんなんだ~」

「そうなんだよね~。でもなぎちゃんってここらへんだっけ?」

まずいまずい今は少し離れたところで他人を装ってるが腕組まれたままだし


「もしかして隣にいるのは彼氏さん?」

「そうなんだ~。今日はお泊りでさ」

誰が彼氏だ!!っと叫びたかったが、ぐっとこらえできるだけ顔を見られないように頑張った


「あれ?もしかして武藤君じゃないの?」

「いえ、違います。自分中村って言います」

「そっか~。ってなるわけないでしょ!2人は付き合ってたんだ~」

いいおもちゃを見つけたといわんばかりの目をしている

「俺は彼氏になった覚えがない。というか嘘つくのやめような?」

「え~。嘘じゃないもん近いうちにそうなるもん」

何が『もん』だ少しぐっときちゃったじゃねえか…


「このことは別に言いふらすのはあんまり好まないが話すくらいには構わん。別に困ることじゃないしな」

大体こういう女は秘密にしとけと言われても次の日には広まってるからな…

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