第5話 家だもの・・・
俺はなぎに連れられてなぎの家まで来ているのだが…
「マジでここに住んでるの?」
「そうだよ、驚いた?」
目の前には何階層あるのだろうか。それがわからないくらいの高層マンションがあった
「お嬢様...?」
「そういうわけではないと思うんだけど…どうなんだろ?」
エレベーターに乗り部屋へと向かっていく。
エレベーターのボタンを見て気が付いたけど55階もあんのかよ
「何階なの?」
「20階だよ。そんな高すぎても移動が大変だし下だとあんまりだから中くらいなんだ~」
俺はへ~としか返答することしかできなかった。
エレベーターに乗っているのは俺となぎであり途中に乗ってくる人もいなかったため割と早く20階に着いた。
「ただいま~」
「お、お邪魔します」
「おかえり~」
そう言って部屋のおくから現れたのは一人の女性だった。
「ただいまお母さん」
「お母さん!?」
正直子供を産んでいるとは思えない体形と若さがそこにはあった
「初めまして。なぎの母の美咲です」
「どうも自分は武藤大樹です。なぎさんの…」
思わず言葉に詰まってしまった。
俺って彼女のなんだろう…
友達?でいいのかなぁ
そう考えていると
「この人は近い将来旦那さんになる人だからよろしくね」
「ちょ、何言ってくれてますの!?」
美咲さんは、ニヨニヨとした目をしはじめた。
「まさか、なぎちゃんが男の子を連れてくるなんてね~今日は鯛でも買ってこようかしら」
「もう!お母さんやめてよ。お父さんにバレたら面倒臭いんだから」
心底面倒くさいといった感じで話をしていた。
さて、既に置いてけぼりな俺はどうしたらいいのだろうか…
「あっ…。ごめんね部屋に行こうか」
なぎに手を引かれ部屋の奥に導かれた
「ここが私の部屋だよ」
そう言って見せられたのは女の子らしいピンクの多い部屋だった。
「どこでもいいから座っててね。飲み物持ってくる」
そう言ってリビングに行ってしまった。
俺は机の近くに座りスマホをかまうことにした。
初めての女子の部屋でじろじろ見まわすのは流石の俺でもいけないということぐらいわかるので一度気を紛らわせるためにスマホのニュースを見ていることにした。
佐藤なぎside
大樹君を家に連れてこれたのはいいのだが想定外があった。
それはお母さんがいたことだ。
普段なら18時くらいまで帰ってこないからと安心していたのに今日に限って…
「なぎちゃんなぎちゃん」
もうすぐ40を迎えるのに老いることを知らないお母さんが私と彼のことについて聞いてきた。
「大樹君、おしに弱そうね。どうする?お母さん少し出かけてこようか?」
いらない気をまわし孫の顔を見ようとしているのだろうか
既成事実をつくらせようとして来ていた。
「私は自分のペースでやるから変なことしないで」
「はーい」
そう言ってソファーに戻っていった。
「まったく、でもお母さんにも好印象だからいい感じかな」
私の母はこれでも人を見る目があるらしいとお父さんが言っていた。
会社の社員を選んでいるのはお母さんでこれといった問題を起こしている人はいない。
だから、母にあれだけ好印象なのは大きい
「でもお父さんがな…」
娘大好き過ぎて少し引いてしまうのだが、それでも会社の社長をやっている
娘は誰にもやらんが口癖のお父さんだからもしあってしまったら殴られてしまうかもしれない。
そう考えると挨拶に来てもらうのが億劫でならない
麦茶の用意をし部屋に戻った
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