淡い想い出

勝利だギューちゃん

第1話

ファーストキス。


思春期になると、男女共に憧れる。

大抵は、ロマンチックな物を想像しているが、

現実には、そんなシチューエーションは、ありえない。


まあ、殆どの人は赤ちゃんや自我が芽生える前に、

家族の誰かに奪われているのだが・・・


悲しい事だ・・・


なので、誰も数には入れていない。

入れたくもない・・・


「ねえ、あなたのファーストキスはいつ?」

必ず訊かれるが・・・

僕のファーストキスは・・・


20歳くらいと、かなり遅い・・・


仕事の関係で、少し仲良くなった女の子がいた。


「ねえ、○○くんの誕生日はいつ?」

「今日」

「ウソ」

「本当、免許証見せようか?」

「ああ。本当だ、おめでとう」

「何かちょうだい」


冗談で言ってみた。


「ごめん。何も持ってきてない」

「いいよ。気にしなくて・・・」

「じゃあ、これで我慢して」


そうして、キスしてくれた。

ほっぺだが・・・


これが、ファーストキスという、漫画みたいなことが起こった。


数ヵ月後


その子の誕生日に、仕事で会う事になった。

会う直前に思い出し、途中にあるゲーセンで、クレーンゲームを見つける。


「取れたらあげよう」


そういうせこい事を考えたら、1回で取れた。


その子にあげたら、「ずっと大事にするからね」と、喜んでくれて、

お返しに、セカンドキスをしてくれた・・・


そのあとは、仕事を辞めて会う事はないが、元気でいる事を祈ろう。





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淡い想い出 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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