第4話 初の旅行計画

「ハル!アキ! 聞いて!聞いて! 」


 ameno アメーノのカウンターに座った途端、冬雪は堰を切ったように話し始めた。


「今度は何だ? 騒騒しいな」


「冬雪、お客様も居るからね。もう少し声落として」


「あ、ゴメン」


「大丈夫だよ。何かあった? 」


「あのさ。 僕、夏海とシンガポール行きたいんだ! 」


「へぇ。急にどうしたんだ? 」


「うん。シンガポールで、僕たちの英語が通用するか試してみたいなって」


「なるほどね。いいんじゃない? 僕のおばあちゃんんちに泊まるんだろ? 」


「そう。 良いかな? アキ? 」


「多分、大丈夫だと思うよ。いつ頃? 」


「まだ、決まってないけど、夏休みかなぁ」


「そう。じゃあ、向こうの予定聞いておくね! 」


「でも、子供2人で大丈夫か? 」


「シンガポールは何度も行ってるでしょ? もう中学生だし、少し難しい事に挑戦してみたいんだ」


「うーん」


「ナナさん。大丈夫だよ。空港まで迎えに来て貰えばいいし、冬雪の実力なら日常会話くらいなら問題ないと思うよ。行かせてやろうよ」


「アキがそう言うなら。 でも心配だなぁ」


「まさか、ナナさん、一緒に行くとか言わないよね? 」


「えっ? いや。それは」


「ダメ。ダメ。可愛い子には旅をさせよ、だよ? 」


「そうか」


「なら、良い? 」


「仕方ないな。許可するか」


「やった‼︎ 」


 *


「どうだった? 」


 登校してすぐに夏海を見つけ、冬雪が駆け寄る。


「大丈夫だった! 最初は渋かったけど、英語の力を試したいって言うのと、フユの親戚がいるっていうので、何とか許可してもらえた」


「正確には親戚じゃないけどね。じゃあ、コレ、見ておいて! 」


 旅行会社のツアーのパンフレットを手渡す。


「早速? 用意が良いな」


「えへ。 ツアーで行くわけじゃないけど、行きたいところをチェックするのに使えるかなって思って貰ってきた」


「そうだな。それに合わせて、ガイドブック買おうな! 」


「うん! 土曜日部活無いから、また、ウチに来てくれる? 」


「分かった。良いよ」


「楽しみだね! 」


「そうだな」


 それからの日々はウキウキしながらあっという間に過ぎていった。


 そして、土曜日。


 ameno アメーノのカウンターで2人はパンフレットを広げ、計画を立てている。


 モバイルも持ってきて、格安航空券を調べている。


「へぇー。こんなもんで行けちゃうんだな」


「うん。夏休みで少し割高だけど、往復で32,580円だって!これで良くない? 」


「良いと思う。それで、アキさんのおばあちゃんの所にお世話になるんだろ? 何かお土産持って行った方が良いよな? 」


「あ、そうだね! さすが夏海。何が良いだろう? …… ねぇ、アキ! おばあちゃんのお土産何が良いと思う? 」


「お土産持って行ってくれるの? 何でも良いと思うけど、日本らしい物が喜ぶとおもうな」


「そっか。ナツ、後で一緒に考えよ! 僕ね、セントーサ島のユニバーサルスタジオ行きたい!あと、アドベンチャー・コーブ・ウォーターパークも! 」


「ユニバーサルスタジオは大阪にあるだろ?」


「日本に無いアトラクションもいっぱいあるんだ! それから、アドベンチャー・コーブはね、魚と一緒に泳げるプールがある! 」


「ふぅーん。俺はもっと、地元っぽいとこで、買い物したり、ゴハン食べたりしたいなぁ」


「それも良いよね! 博物館もいっぱい有るし、その辺はきっとおばあちゃんが協力してくれると思う」


「ねぇ。冬雪。はしゃぎ過ぎて話があちこち行ってない? 決めなきゃ行けない事をリストアップして、トゥードゥーリストを作ってから順番に2人で決めるのはどう? 」


「さすが、アキさん。それがいい。フユ、そうしよう! 」


「そらから、もう一つ。僕のアドバイスは、ユニバーサルに行くなら、そこのアトラクションを調べて、映画を見てから行った方が楽しめると思うよ」


「そうですね。 アキさん、リスト作ったら、抜けがないか確認して貰えますか? 」


「いいよ。お安い御用。 オヤツも食べ終わったし、2人で上で相談したら? 」


「うん。アキ、ありがとう。じゃ、上に行って相談するね」


「うん。いってらっしゃい」


 8階の部屋に着き、早速冬雪はリビングのテーブルにパンフレットを広げ出した。


「なぁ。冬雪の部屋でやらないか? 」


「? 良いけど、狭いよ」


「いいよ」


 冬雪の部屋は、ベットと机があるだけだ。


 部屋へ入り、ドアを閉める。


「今日は、航空券の予約だけで良くないか?まだ時間は有るんだし、あとは、また、ゆっくり考えればいい」


「そう? 」


「うん。そう。早く2人きりになりたかった」


「えっ? 」


 チュッと頬に唇が触れた。


「ここなら、こういう事も出来るだろう? 」


 冬雪は、一気に赤くなって俯いた。


「もぅ」


「フユはしたくなかった? 」


「そんな事無いけど…… 」


「じゃ、良い? 」


「うん」


 抱き寄せられて、キスをされる。


 キスをしながら、ボタンに手がかかり、少しずつ肌が露わになっていく。


 恥ずかしい気持ちと、これから起こる快感に期待して、心臓はいつもと違うリズムを刻む。


「ナツ、今日は先にシャワー浴びない? 」


「いいよ。 2人で浴びる? 」


「うん。こっち、来て 」


 お互いに服を脱がせあった。


 ボクサーを脱がせると、既にそそり立っている夏海のソコを見て一瞬たじろぐ。


 実は、冬雪は、男同士のやり方をネットで調べていたのだ。


 こんな太いの、僕に入るかなぁ……



「コレ、僕のスポンジ」


 青いスポンジを手に取る。


 スポンジは、白とベージュと青の3つ有った。


 質感もそれぞれ違うようだ。


「ハルは硬いのが好きで、アキはフワフワ。僕はその中間。」


 恥ずかしさを誤魔化すために、どうでも良い事を話す。


 スポンジにボディソープを付け、泡立てる。


 不意にそのスポンジが奪われる。


「洗ってやるよ」


「うん」


 久しぶりに、人に背中を流して貰うと、とても気持ちが良かった。


 体を返され、向かい合わせになる。


 腕や肩、腹と洗われ、夏海が腰を落とし、膝立ちになった。


「ココも洗うね」


 スポンジから泡を掬い、素手で優しく洗われる。


 思わず声が出そうになり、手の甲を噛み我慢する。


 緩く立ち上がっていたソコは、洗われた刺激に敏感に反応し、あっと言う間に育ちきってしまった。


 これじゃ、保たない。


 スポンジを奪い取り、夏海の体も洗ってやる。


 背中、肩、同じように丁寧に。


 そして、同じ大切な場所。


 既に、硬く大きくそそり立っている。


 泡を付けて洗ってやると、ピクピクと震えてなんだか可愛い。


 ふと見上げると、夏海は欲情に潤んだ目で冬雪を見下ろしていた。



「もういい。ベットに行こう」


「あ、あのさ。 僕、少し勉強したんだ」


「ん? 何を? 」


「えっと…… その…… 男同士のセックス」


 その驚きに、夏海の瞳は大きく見開かれた。


「ココ、使うんだろ? 昨日、自分で少し弄ってみたんだ。まだ、今日は出来ないかもしれないけど……」


「…… ほんとに? いいの? 」


「うん。 ナツに気持ち良くなってほしいし、僕も最後までしたいから」


「あ、ありがとう。凄く嬉しいよ」


 裸の体が、強く抱きしめられた。


 素肌に触れた、それだけでとても心地が良い。


「俺も、少し触っていい? 」


「いいよ」


 クニクニとマッサージされ、蕾を解される。


 違和感に耐えながら、夏海の肩にしがみつく。


「ちょっと、指、入れてみるね 」


「あ、怖い」


「大丈夫。少しだけ。俺にしっかり掴まってて」


「うん」


「痛かったら、直ぐに言って」


 クプっと、指が入ってきた。


 痛みは無いが、違和感がハンパない。


 中で指が何かを探すように蠢いている。


「うあ」


「わっ、締まった。力抜いて」


「えっと…… 上手く出来ない…… 」


「大丈夫。ゆっくり行こう 」


 指がゆっくり装填を繰り返す。


「うっ。…… うぅっ」


 夏海にしっかり捕まり、違和感に耐える。


 不意に感じた事の無い快感が身体を貫いた。


「うわっ! ! 何? ソコ? 」


「ココ? 」


「あぁぁ。 ……ぃやっ! 」


 激しい快感に痺れが走り、捕まる腕に自然と力が入る。


「見つけた! フユの良いところ」


「……こわい。…… イヤッ。 」


 過ぎる快感に、足に力が入らずガクガクと震えてしまう。


「フユ。ベットに行こうか」


「うん」


 身体を支えてもらいながら、部屋へ向かう。


 その時、カチャっと扉が開き、アキがお皿を持って入ってきた。


「あ、ゴメン。タイミング悪かったね。えっと…… おつまみ作って来たんだ。冷蔵庫に入れて置くから、終わったら食べてね 」


 いそいそと、お皿を冷蔵庫にしまい込み、サッサと出て行ってしまった。


「終わったらって…… なんか…… アキさんって…… 動じないんだな。怒られるかと思った」


「うん。 でも多分、驚いていたと思う」


「アレで? 」


「うん。アレで」


 しかし、若い身体の火照りは簡単には収まらず、ベットに着くと、どちらともなく唇を合わせた。


 抱き合いながら、キスをしていると、自然とお互いのものが擦れ合う。


 すっかり力を蓄えたモノは、既に待ちきれずに、タラタラと蜜を零してした。


 唇が離れ、今度は首筋に吸い付かれる。


 チクリと刺すような痛み。


「イタっ。ナツ? 何したの? 」


「ん? キスマーク。フユは俺のだよって印」


「僕も付けたい! 」


「じゃ、口を小さくしてキスしたら、そのまま強く吸ってみて」


 チューっと強く吸ってみる。


「んっ。 上手く付かない」


「同じ場所に、もう一回やってみて」


 ジュッと音がして、今度は赤く色づいた。


「出来たかも」


「これで、俺もフユのだ」


「ふふっ」


 戯れながらも、ナツは緩々とソコを押し付け、刺激を続ける。


「もう限界。この前の、シテもいい? 」


「うん」


 お互いのモノを合わせ握る。


 握る夏海の右手を両手で包み込みように、指を絡める。


「あっ。…… 気持ちいい」


「僕も。凄くいい。イキそ」


 追い立てるように早めると、2人は呆気なく熱を放出したのだった。


「ナツ。…… 今日はダメかな? 」


「なに? 」


「今日は、最後まで出来ないかな? 」


「ムリ。なにも準備してない」


「準備ならした。 ゴムとローションとシリンジ、ネットで取り寄せたんだ」


「えっ? 凄く嬉しいけど…… さっきの狭さじゃまだ無理だと思うし、……それにまだ取っておきたいんだ」


「どうして? 」


「あのさ、旅行でセントーサ島行くだろ? 」


「うん」


「その時だけ、島に一泊しないか? 」


「もしかして」


「うん。その時に、フユの全部が欲しい。だから、それまで取っておきたい。良い思い出にしたいんだ」


「ナツ! 嬉しい! 」


 冬雪は夏海に抱きついて、沢山、沢山、キスをした。

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