山の家にて

 少し静養を兼ねて実家に行ってきました。

 此処に帰って山の空気を胸いっぱいに吸い込むと、心が柔らかくほどかれて。

 ああ、わたしはやっぱり山の子なのだなぁと思います。


 早朝に外へ出て、落ち葉を踏みながら散歩しました。木漏れ日の中、歩いていると、小鳥たちがお喋りするみたいにさえずります。それはまるで天上から聴こえてくるよう……。

 なんて美しいんだろうとウットリとしながら、わたしは暫し立ち止まって目を瞑るのです。


 わたしはこの場所を心から愛しています。


 勿論、良いところばかりでなく、交通の便は悪かったりするのですけれども。


 それでもわたしの大切な故郷は、この山であり、森であり、この家なのです。


 鳥のさえずりをバックコーラスにして(なんて贅沢!)好きな歌をうたいます。

 聴いているのは風ばかり……。

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