#28 アニメ化企画始動

 こけしはえの元に、一通のメールが届く。




『転生組の皆様を主演にした、アニメーション制作の企画がございます。つきましては、詳しい打ち合わせをしたく、お時間を頂ければ幸いです。

    アニメーション制作 はっぴゃくまん』




 数日後、アニメーション制作会社から、プロデューサーと監督。転生組から、こけしはえと高崎紫がリモートで打ち合わせをした。


「初めまして。今回のアニメを企画したプロデューサーの、鬼崎きざき 夢乃むのです」

「私は監督の、たてきです。よろしくお願いします」

「転生組の窓口を担当させていただいてます。こけしはえです」

「転生組のリーダー。高崎紫です」

「みなさまの活躍を拝見し、是非、アニメ化をと思ってお願いに上がりました」

「私から最初に、条件を提示していいですか?」

「どうぞ」


「まず、大コケした、『バー●ャルさんは見ている』のような内容にはしないでください。ストーリーはしっかりと作ってください」

「わかりました」

「出演者は私たちが?」

「そのつもりです」

「でしたら、3Dデータをトゥーレンダリングして、アニメっぽくしてください」

「みなさんの、3Dデータのままではなく?」

「はい。私たちがそのまま出ると、どうしても演者の色が強く出てしまいます。それを、トゥーンレンダリングして、アニメ絵に近づけていただければ、色を薄めることができるかと」

「元のキャラクター色を消したいのですね?」

「はい」

「わかりました。他に何かご要望は?」


「ストーリーは当然、オリジナルになりますよね?」

「はい。ご要望などありますか?」

「ひとつだけ条件があります」

「なんでしょう」

「各キャラクター色に縛られない、新しいモノでお願いします」

「まったく新しいモノでよろしいのですね?」

「はい。衣装を変えてもかまいません」

「わかりました。とりあえず、プロットを作ってお見せします」

「よろしくお願いします」




「良いの? キャラクター色を無視して」

「むしろその方がおもしろいでしょ」

「メンバーが怒っても知らないよ」

「そこは頭を下げてなだめるよ」




 メンバー全員がリモートで参加の、転生組会議にて、アニメ化が正式に発表された。もちろん、制作者と打ち合わせた内容も全て伝えた。

「オリジナルストーリーな」

「バー●ャルさんみたいに、ならないなら良い」

「あたしがどんな風になるか楽しみ」


 概ね良好な反応だ。


「放送はいつから?」

「半年後」

「意外と早いな」

「アニメで一番、時間がかかる、作画の工程が無いからね」

「あたしたちの出演は?」

「脚本ができたら」

「どんな作品になるんだろう」

「楽しみ」




一ヶ月後、『ティザー動画』が完成する。





 空がにわかに曇る。草原をスライムが跳び、山に悲鳴が轟き、海はさざ波立つ。


 森から叫び飛び立つ、妖精フェアリー/アロエリリー ピュア・ピンク

「来たわ!」


 剣山から翼を広げ、舞い降りるドラゴン/フォーリア 水色あさがお

「とうとう、来たか」


 氷河に佇み、悲しい表情の雪女/ネージュ ラリィ=ル・レロ

「雲を。嵐を。雪を降らせましょう」


 火山から、悲しい瞳を投げかける不死鳥フェニックス/フランマ さくまどろっぷ

「ここは、あなたの来るところではない。帰りなさい」


 岩礁の上で、目を潤す人魚マーメイド/ローラ 可愛美麗


 小鑓こやりの上で、その者を見ながら言う淫夢サキュバス/リリス ???

「良い男が来たわ。今夜はお楽しみね」


 男が足を踏み出す。剣が輝く。影が深く忍び寄るが、瞳は正義に輝いている。

「人に害なす魔物どもよ。成敗する。心しておくがいい」

 勇者/アンソニー たこさんウインナー


 魔王/マオ 高崎紫

「人、殺していないんだが…」




 coming soon...

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