第3話


俺もなにも言わなかった。


周りの空気が明らかに重くなってゆくのがわかった。


とてもじゃないがもういちゃいちゃ出来そうな雰囲気でなくなってしまったので、二人別々に自分のアパートへと帰った。



一日目、二日目、三日目、四日目。


何も起こらない。


五日目、六日目、七日目、八日目。


何も起こらない。


九日目、十日目、十一日目、十二日目。


何も起こらない。


それが起こったのは十三日目のことだった。


その日は真里沙と会うこともなく、授業が終わったあとは一人部屋で過ごした。


ゲームをやったり、ユーチューブを見たりして。


――そろそろきりあげるか。


そう思った俺は、風呂に入った。


そして風呂から出た時に、それが起こった。


さして広くないリビングに、男がいたのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る