7:再会は夕凪の窓辺で【前編】
「バカだ、バカがいるよ。ククッ…何それ、クッ…フッ…ほ、ホントの話ぃ?クッ…クククッ、は~ぁっはっはっは」
タンブラーに入ったコーヒーを飲みながら話を聞いていた美人教師が、目の前で人目も
て言うか…それ俺の、俺の。
美人の笑顔と言うと、何だかとても男心をくすぐられる様な気がするが…これは絶対に違う。
が、しかしこの女…言動こそアレだが、本当に見た目だけは完全に『近所の優しいお姉さん』なのである。
あどけなさすら感じられるほどにやや丸顔の為か、万人受けはしないであろう顔立ちであるものの、全てのパーツがバランスよく
ショートボブにされた髪型もポイントが高いと言えよう。
本日に至っては、
その見た目だけなら、まだ学生で通用する
さて、ここで申し訳ないんだが…この状態から少しだけ
ーーー
出会い頭に「お、早いじゃーん!ご
…ちなみに、逃げようとしたが捕まったのはお分かり頂けた事と思う。
…いや、仮にも教師なら先におはようの挨拶くらいしとこうぜ?
むしろ、教師なら生徒に『来いや、コラッ!』とか言うなよ。
信じられるか?
これでも、自分はまだ乙女(笑)だ!とか言い張ってるんだぜ。
さて、このアラサー教師がどうして
お
そんなに、笑ってくれるなよ…いや、俺も他人事なら腹抱えて爆笑してるけども。
「クククッ…アカリ、あんた絶対、ブフッ…
最後の笑い方、クリームシチューの上田さんかよ…。
乙女(笑)どこ行った?。
…残念ながら、盛るどころか
「ぜ~んぶ、本当です。付け加えるなら、
それまで、
「ぇ…あー、うん。そう…えーとぉ、ほら!話題に上がらなきゃ、
俺とアカリは二人して巴ちゃんの反応に首を
「まぁまぁ、良いじゃん!そういう事もあったってさ!よっし、それじゃご褒美の…じ・か・ん。(はぁと)はい、これ。」
『じ・か・ん(
お小遣い…なワケがない。
どーみても、一般的なA4サイズのプリントにしか見えない。
これは…。
「夏休みのしおりってやつ?1枚ペラだけど。」
いえ、そんな甘い話があるとはモチロン思ってませんでしたよ?
何だよ、早く登校しただけで女教師からご褒美貰えるって…それ何てエロゲ?
知ってるか?最近のエロゲってマジでスゲェの。
ピンきりだけど、めっちゃ絵が
しっかり、『
あ…もち、ストーリーもまじえもいっす。
おいおい、何言ってんだ…魔法の言葉を知らないのかよ。
「この作品に登場する人物は、全て18歳以上です!」
こいつも、オマケだ…。
「作中の団体、組織、企業、地名なども全てフィクションです。」
覚えといてくれよなっ!
ーーー
「で、このしおりのどこがご褒美になるんすかねぇ…」
説明求ムっ!てな視線を投げかけると…。
「こーんな美人教師に、ご
だから、それ(白目)だろ。
っつーか、
「巴先生…これって、朝のホームルームで先生が
「別にその前に配ってもい~いじゃん。むしろ、アレだね作業の
話聞いてた?アカリは『先生が』配るやつってとこにアクセント付けてたよ?
って言うか全然効率化されてないし、そもそもワーキングシェア=効率化じゃないからな?
いや、結果的に効率化に繋がるもんらしいから、あながち間違いとまでは言えないか。
たぶん、俺達にシェアしてると言いたいんだろうけど…分け合ってはいないよな。
むしろ、『しぇあっ!!』って
…
が…こんな事はいつもの事で、いつもの事である以上は、
「はぁ…分かりました。教室に着いたら配っておきます。余った分は
アカリも同じ考えに行き着いていた様で、
「ん?良いけど…。でも、欠席者が出ない限りたぶん余んないわよ?今のところその連絡もないし。」
「は?…いや、どう見てもクラスの人数の倍近くはあるぞ?」
どうした?とうとうボケたのか?おん?…と言う
「いや、今日から峰山の子達が来るじゃない?だから、それで丁度良いはずだけど?」
んん?…んんんっ?
…会話が
て言うかその言い方だと、クラスの人数が増えたかの様な…。
「あの…先生、まさかとは思いますけど。その言い方からすると、ウチのクラスは峰山の生徒達と
「そうだよ?あれ、言ってなかった?て言うか1年生は全クラスそう。」
「「はぁ~っ!?巴ちゃん、そんな事言ってなかった!」」
ーーーガスッ!!ぺちん。
「学校では先生!!」
このご
もはや、
って言うか、男女とは言え
男女平等はやっぱり
…その前に体罰がダメだろ。
腹、ちょーいてぇの。
アカリはデコピンされた
「どういう事でしょう?そんなの、いつ決まったんですか?初耳です。」
「え?…んーと、決まったのは
「少なくとも、ウチのクラスのヤツは誰も知らないと思うぞ?俺はまぁともかく、アカリが知らないとか、もう絶対だろ。」
巴ちゃんは、少し考える様に人差し指を自分のこめかみに宛ててフーム…と
「こりゃ、忘れてたね。メンゴメンゴ!」
こんの、
…気がしただけだけど。
「あ、おいおい。て言うか、そうなると教室の方、大丈夫なのか?みんな混乱してるんじゃ?」
「あ~…それはあるかも。もしも、アタシがまだここの生徒だった時に、見知らぬ生徒なんぞが教室にいたら、そっと扉を閉めてそのままフケる。間違いない。」
それを
て言うか巴ちゃん、よくそんなんで教師になれたな、おい。
「はぁ…しょーがない、ユキ行くわよ。巴先生、流石に人数分の机とイスは確保出来てるんですよね?」
「おぉ、流石はアタシの
俺は覚えている。
それこそ、春先に生徒会顧問になった~とか、
「ったく、分かったよ。まぁ、何とかなるだろ。」
「じゃ、ヨロヨロ~。」
俺達は少し足早に、職員室を後にした。
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