第53話 あの駅
「そうなんだ、みんな帰っちゃうんだ。」
「ごめんねマキノ。東京チームがいま羽田に向かっているの、みんな頑張ってくれたわ、みんなマキノが好きだから。」
「なんだか、申し訳ない、、、なぁ。」
「いいのよ、これでもう何も悩むことないもんね、それに、奇跡かもしれないけど、社長にも会えたし。相変わらず社長も元気そうだったね。」
「あさひもお母さんに会えてよかったね。」
「あんたもだよ、マキノ。本当に神様っているんだ。」
「浜さん、また落ち着いたら遊びに来てもいいですか?」
「うん、みんなでおいで。50人くらいやったら泊まれるで!」
「それよりさぁ、マキノ、なんであんただけ、コスチューム昔のサイズなのままなのよ!」
「そうだ!何でだ、お前だけずるいぞ!」
「だって、毎日重たい樽もってるもん!」
「両手に30キロをね」
「こら、莉央!」
「やっぱバケモンだ。」
「莉央あんたも元気でね。」
「うん、また東京行ったら焼肉行こうね。」
「なに、あんたらこっそりそんなとこ行ってたの!」
「じゃぁ、時間もないからそろそろ行くね。マキノ」
「あさひ。お互いお母さんとあえたけど、あたしたちはずっと姉妹だよ。」
「当たり前じゃん!じゃ、みなさんお元気で!」
♡なんて爽やかな別れなんだろう、あさひ、応援に駆けつけてくれた会社の社員もタクシーで駅に向かって帰っていく。
居酒屋日吉で見送ろうとしたマキノなんだけど、やっぱりそんなすっぱりと別れられないよね。結局、前にあさひを送った1つ隣のあの駅までみんなでついていく事に、まぁ竹生駅は混雑してるからね。♥
「なに!ついてきたの、マキノ!」
「だって、見送りたかったんだもん!」
「それにしてもよぉ、ミス弁天を神様に捧げるってかっこよかったぜ!」
「そうなんよ、マキノちゃん辞退したとき、やっとウチかとおもたわ!」
「ええ!あの一票って、珠代さん!」
「これで50連敗や。」
「あははははは」
♡今日はカエル色のローカル線でなく、もうすぐ特急が駅にやってくるの。♥
ねえ、あれやんない?
「俺たち、ライブ見てないから、見たいっす!」
「うん!わかった!ちゃんとみてなさい!あんたたちの上司の勇姿を!」
「しまった、浮かれ気分で言ってしまったわ。」
「やっぱりやめない?」
「あれっ?旅の恥はかきすてじゃなかったっけ?
「やるわよ、もう一生しないからね、最後を見ておきなさい!」
+ + + + + + +
「こんにちは!いつも心にやすらぎを、あなたの近くのそっとよりそう、癒し娘のひなつです。」
「いつも気持ちは大きな青空。気持ち良くあなたを包んであげる。爽やか娘いぶきです。」
「胸がドキドキ、心ワクワク、いつも真っ赤なハートをおすそ分け、リーダーのあさひです。」
「淡クトキメクピンクノ気持チヲ、アナタノハートニ届ケマス!初恋カラーノさくらデス。」
「あなたの光をいっぱい浴びて、すくすく育たまんまる果実。心にオレンジ柑橘娘のまきのです。」
「五人合わせて!beni5!」
+ + + + + + +
「ひゅーひゅー!みんなかわいい!最高!」
「ありがと、あまり言っても給料かわんないわよ。」
「じゃぁ、お互い頑張ろうね。」
♡カーブを曲がって、あさひたちの乗る電車がみえてくる、まきのはアドリブで「ずっと愛してる」のイントロコーラス歌っているの、合わせてみんなが歌い出す。そして到着した電車に乗り込みタラップで即興の歌のサビをむかえたわ。♥
♪ずっとあいしてるよー
♪ずっとあいしてるよぉ♪
♡強くなったマキノの瞳にはもう涙は無かったわ。♥
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