べんてんリターンズ

第51話 ラストライブ

♡ｂｅｎｉ５とわたしの最後の祈りが始まったの。

会場人間も、インターネット前の人間も、裏方で必死に頑張っている人たちにも。楽しそうに人間に混ざってみている精霊たちにも。

マキノたちの思いが伝わっていったわ。♥

♪君と出会ったあの街角で、私たちはずっと笑いあってた。

♪ずっといつも一緒だった、雨の日も、風の日もずっとずっと歩いてきた。

♪二人を引き裂く辛い時間、でもあなたがいつもころにいるから生きていける。

♪違う町で暮らしていっても、いつまでも忘れないよ。

♪瞳を閉じればあのころの思い出があふれてくる。

♪また会えるまでの少しのじかん、元気でくらしていこうね。

♪あいしてるー、あいしてるー、いつもどこで暮らしていっても。

♪あいしてるー、あいしてるー。

♪ずっとあ………

「フッ」＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　

♡最後のサビのところでステージ以外の時間がモノクロームになって止まったの。えっ、これって。♥

◯サラちゃん、餞別よ受けとって。●

□そうじゃ、これで賭けの負けもチャラじゃわい。◼︎

☆いままで頑張ってくれたお礼だよ。★

♡わたしを見送りにきてくれた神様たちが黄泉還（よみがえ）りの禁忌（きんき）をつかってくれていたの。

　モノクロームの会場の一角だけ、色がついて、そこにはみんなが大切な人が立っていたわ。ステージ上のみんなは金縛りになって動けなかったけど。声を聞いたの、大切な人の生きた声をね。♥

【おお！君ら元気そうにしとるのう！何よりや。あさひ、まいこちゃん、これからも従姉妹同士、手を取り合って仲ようやっていってや！

　ひなつは裏リーダで頑張っていってくれ金勘定さえしっかりしてたら生きていける。　いぶきはええ恋人みつけられたらええのうまぁ、あんたならどんな男でも上手にやるやろ！　さくら秘書としてあさひをバックアップしたってくれあさひは結構打たれ弱いからなぁ。　マキノ、お婆ちゃんと会えてよかったなぁ。お母さんもここにおるがな。。。あさひ、ほんまにありがとう。わしが最後に生きた光になってくれて。おおきにな。ほんま愛してるで！。

　あっそうやあさひ、あんたはお母さんの顔あんま覚えてへんやろ？ここにいる人はあんたのお母さんや、どうや、あさひに似てべっぴんさんやろ。美希さんなんか言うたって。】

【あ、あさひ、ごめんね、一人ぼっちにさせてしまって。おかあさん、ずっとあさひのことをみていたの。あさひが辛い時に、マキノちゃんがそばにいてくれて、お母さん安心したわ。ひどい母親でごめんね。でもこれだけは信じて、愛しているよ。】

♡そう、先にこの世を旅立った魂がもう一度みんなの前に現れたの。みんな禁忌を犯して。わたしにプレゼントしてくれたんだ。♥

【浜、元気だった？日吉も。。あーあ、あいつあんなにおっさんになってしまって。あんなに可愛かったのにな、浜には人一倍の苦労をかけてごめんね。

　僕のあとを継いで旅館を守ってくれていたんだろ、あんな辛い時代をよく乗り越えてくれて、僕たちが作ったあの別館が残っているだけでも嬉しい。何もしてあげられずにごめんね。ああマキノちゃん、いい子じゃないか、君と小海に似て美人だね、浜いつか君もこっちにくるだろうけど、目一杯そっちで楽しんでからおいで。僕の分まで幸せになって、愛してるよ。】

【マキノ！お母さん、洋子！また会えて嬉しい！

　洋子ずっと応援してくれていたのに、会えなくなちゃってごめんね、小さい時からずっと一緒だった楽しかった、ほんと感謝してる。わたしの望み通りに二人の子供が仲良くなってあなたのおかげよ。

　おかあさん黙って飛び出して行ってごめんなさい。つまんない意地を張っちゃって、お母さんを苦しめてしまって。おかあさんわたしを生んでくれてありがとう、わたしの人生は短かったけど、でもマキノにも会えたし。マキノがいまおかあさんと仲良くしてくれていることが何よりもうれしいの。。。

　大好きなマキノ。辛い思いばかさせてごめんね。いい人たちに恵まれてよかったね。いまでもマキノを胸に抱いた暖かさは忘れられないわ。それに、弁天味噌を引き継いでくれているのお母さん嬉しい。竹生の味をマキノに届けてあげることができて本当にうれしいの。みんな、そしてマキノ。。。。。。ずっと、ずっと愛してるよ！】

「フッ」＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　＋　

♪あいしてるー、あいしてるー、いつもどこで暮らしていっても。

♪あいしてるー、あいしてるー。

♪ずっとあいしてるよー

♪ずっとあいしてるよぉ♪

♡そして、ステージ上に立っている全員が声をそろえて、消えていく思い出人たちに声をどどけたの。♥

「ずっとあいしてるよぉ！！！！！！」

『わぁあああああああああああ！』

♡最後の曲に会場は割れんばかりの大熱唱だったの。

みんなの思いが一つにあつまたみたいに、会場はわたしも見たことのない。

金色のオーラにつつまれていたわ。

　そしてわたしは、最後の曲を見届けた後で、大好きなこの地を離れることにしたの。もうミス弁天の結果を知ってるから。♥